アホ日記　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

「日本人が好きです」
「ありがとう、僕も中国人好きですよ」
「中国人じゃない、私はモンゴル人だよ」

ってな会話があったのを思い出しました。
中国国内にいるのに、彼は中国人ではないと言うのです。

わが国日本は、アイヌや琉球などの独自な文化こそあれど、
おおまかにはほぼ単一民族の国家です。
だから、同じ国にたくさんの民族がいるという状況は
少し想像しにくいかもしれない。

日本のお隣中国は面積が日本の約２６倍、
人口は１０倍の１３億人（戸籍上は）。

その中になんと５６もの民族が存在している。
そして、漢民族は全人口の９割を占める多さだ。
つまり、漢民族以外は少数民族ということになる。

今回の旅で僕は内蒙古自治区のほんの一角を訪れたが、
そこはモンゴル族が特に多い地域だった。
彼らは日常的にはモンゴル語を話し、
公用語として一応は中国語（北京語）を身につけている。

内蒙古で日本語を教えているモンゴル族の先生の家に行った。
食事の際に先生や旦那さんから漢民族に関する愚痴を聞いた。
「漢民族は金のことばかり考えている。」
「漢民族がどんどんモンゴルに入ってくる。」
「漢民族も貧しい人が多いから仕方が無い。」etc.
あと、ウイグルの方では居住地も分けてあるそうだ。

一般的にモンゴル族をはじめ、少数民族は、
漢民族を快く思っていないらしい。
理由はもちろん多数ー少数の支配関係。

中国政府は漢民族。漢民族の考え方で国が動く。
いわゆる同化政策だろうか。従わざるを得ない。
そりゃ少数派にとったら気に食わないことも多いだろう。
自分達の文化や伝統が漢民族化するのは悲しいだろう。

そんなモンゴル族の感情を垣間見た数日後、
僕は北京に戻ったが、そこではいろんな人に親切を受けた。
北京の友達、その友人、ホテルマンたち、店の人、運転手。
すべてを見たわけじゃないが、僕からしてみれば、
漢民族がそれほど極悪だとは思えない。
言葉のわからない僕なんて、いつでも騙せたはずなのに。

北京では人が都会的。クールに思えた。
繁華街へ行くと接客も丁寧で驚いた。
僕は横浜の人間なので、都会に近い方がたぶん合う。

けど、１０億人以上いれば、悪人の絶対数も多くなるわけで、
本当は善人もたくさんいるはずの漢民族が、
悪いイメージで語られることが多い。それは悲しいこと。

まぁ、痛い目に合わなかったからこう言えるだけかもしれないが、
親切にされたのに、悪口を言うわけにはいかないのです。

冒頭の話に出てくる「中国人」とは、やはり、
漢民族のことを指すそうで、他民族は嫌がるのだろう。