微生物燃料電池東京大学の研究グループは、特殊な菌を使って下水や生ごみから電気を作る微生物燃料電池の 性能を50倍以上高める技術を開発した。 微生物燃料電池は通常の燃料電池に比べて2ケタ以上発電性能が劣り、 実用化が難しいとされてきたが、今回の技術の登場で燃料電池並みの 性能も将来可能になるという。 自然界には下水や生ごみなどにふんだんにある有機物を 分解してエネルギーに変える過程で電子を出す特殊な菌が存在する。 微生物燃料電池は、 この菌から出た電子を電極に通すことで電気を生み出す。 研究グループは、 電子を出す性質を持つシュワネラという菌が酸化鉄が多く存在する 環境に生息する点に着目。 菌の餌となる有機物が入った培養液に、 酸化鉄の微粒子を入れて透明なガラス電極に載せた。 酸化鉄を入れない場合に比べ発電性能が最大50倍になったと報告。 菌と菌の間に取り込まれた酸化鉄が、 菌から出てきた電子を電極まで効率よく運ぶ媒介になっているという。 微生物燃料電池は有機物を燃料にするため、 廃棄物やバイオマス(生物資源)の利用が可能になるという。 リサイクルや温暖化ガスの削減に貢献できる技術だと期待が大きい。 しかし、電子を取り出す効率が低く、水素を利用した 通常の燃料電池の発電性能に比べ100分の1以下のようだ。 今後、実用サイズの燃料電池を試作して、 酸化鉄添加によって実験レベルと同様の性能向上につながるかどうかを 検証するようだ。 ジャンル別一覧
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