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2015/12/13(日)10:02

鎌倉・神々の散歩径・その6

 北鎌倉駅に降り立って、 円覚寺と道路を隔てた斜め向かいに東慶寺(とうけいじ)がある。  かって尼寺だったようだが、 雰囲気が今に伝わるような参道からの景観である。  鎌倉時代の第九代執権(将軍補佐)の北条貞時を開基、 覚山尼(かくさんに)を開山として、 創設されたという。                 本堂              鐘桜       覚山尼は円覚寺開基(寺院創設)の北条時宗夫人で貞時の母のようです。  五世住持は後醍醐天皇の皇女で用堂尼(ようどうに)で、 以後、 本寺は松ヶ岡御所とも称され、 豊臣秀頼の娘で天秀尼(てんしゅうに)が住持するなど、 代々寺格をほこる尼寺であったが、 衰微し、明治時代後期に男僧寺となり再興し、 開山の覚山尼が夫や家庭の不和で苦しむ女性を救済したことから <駆込寺>・<縁切寺>として 今に到っている。  聖域ともいえる境内から観る鬱蒼たる樹間からの木漏れ日には、 とくに心がうたれる。  東慶寺をあとに鎌倉街道を鎌倉よりに歩き、 踏切手前を右へと歩をすすめると、 浄智寺(じょうちじ)へと向かう。  参道から臨む谷深くのびた寺域は、 鎌倉の寺院のなかでも、もっとも魅力ある 風景の一つではなかろうか。             参道から臨む谷深くのびた寺域        浄智寺は北条宗政の菩提樹として創建されたと伝えられており、 宗政は建長寺開基の時頼の子で、 円覚寺開基の時宗の弟だという。                           桜門様の門       仏殿          方丈 三門前の小さな石橋の傍らに鎌倉十井(じっせい)の一つ、<甘露の井>がある。                            三門                 <甘露の井>  仏教での「甘露」は苦悩を癒し、不死を得る霊液とされ、仏の教えや悟りの 境地にたとえられている。                                      葛原岡案内板    葛原岡神社          天柱峰           境内脇の葛原岡(くずはらおか)ハイキングコースへと通じる山道を登ると、 天柱峰(てんちゅうほう)という峰があり、 中国元より来日し浄智寺に住した竺仙梵僭(じくせんぼんせん)なる僧が その眺望を愛し命名したという。

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