「ダイエット」
減量にはダイエット計画の選択ではなく摂取カロリーを減らすのが一番。 減量するためには、どのようなダイエット計画を選ぶか、あるいは脂肪、蛋白(たんぱく)質、炭水化物のどれに重点を置くかではなく、単に摂取カロリーを減らすことの重要性を示した研究が、米医学誌に掲載された。 低脂肪食、高蛋白食など、どのダイエット計画が最も優れているかについては決定的な科学的根拠の得られた研究がなく、激しい議論が続いている様子。 この疑問を解消するため、研究者は過体重および肥満の被験者811人(40%が男性)を集め、以下の4種類のダイエット計画群に無作為に割り付けた。 a),低脂肪・平均量蛋白食群:脂肪20%、蛋白質15%、炭水化物65% b),低脂肪・高蛋白食群:脂肪20%、蛋白質25%、炭水化物55% c),高脂肪・平均量蛋白食群:脂肪40%、蛋白質15%、炭水化物45% d),高脂肪・高蛋白食群:脂肪40%、蛋白質25%、炭水化物35% どの群にも、飽和脂肪が1日の摂取カロリーの8%を超えないこと、1日20g以上の食物繊維の摂取に努めることを指示し、運動の目標は週90分とした。全被験者が2年間にわたりグループおよび個人でカウンセリングを受けたほか、食事や運動の情報を入力するとフィードバックを得られるコンピュータープログラムも利用された。 6カ月後、いずれの群にも平均約6kgの体重減少が認められたが、2年後には平均約2.7~3.2kgに低下。 ダイエットへの満足度も、血圧およびコレステロール値などの健康評価も各群の結果に差はみられなかったようだ。 結果は、「突出して優れたダイエット計画はなかった。 減量したければ、心臓によい食事を摂り、食事量に十分気をつけることだ」と研究者は述べている。 これほど徹底的な介入を受けても、被験者の体重は再度戻る傾向がみられる。 この研究はむしろ、体重の減少とその維持の難しさを改めて示したものであると研究者は述べている。