獅子文六原作映画「てんやわんや」を観る
YouTubeに淡路千景のデビュー作という映画がたまたまでていたので観た。獅子文六原作の「てんやわんや」という白黒映画だ。1950年公開だから、1954年生まれの私がまだ生まれていない、戦後間もない時期に作られた映画だ。映画の中に、本当に日本は戦争に負けたのかというシーンなどもあったくらいだ。宝塚歌劇団出身の淡路千景がこの映画でデビューし、再一回ブルーリボン賞主演女優賞を受賞したそうだ。小説は著者が愛媛県宇和島に疎開していた時の様子を題材としていて、映画でも東京都の対比でその土地の文化、人情、方言などが面白く紹介されている。しかし、私も岩手県の当時陸の孤島とも呼ばれた、ど田舎で生まれ育ったので、それほど驚くこともなかったのだが、そこからさらに離れた集落では、その土地の血が濃くなるのを防ぐために、よそ者とその土地の娘と一夜を過ごさせる風習が残っていたのには驚いた。