SOLILOQUY

蒼天航路　第８話「業火の奸雄」




黄巾の乱にて見事な働きを見せる曹操軍と孫堅軍
この戦いの結末は？

そしてこの乱を終わらせ、乱世の奸雄と呼ばれた影に曹操が惜しんだ男・張奐の死があった



「願わくば曹操殿の世を一目見たかった」




公式ＨＰより



皇甫嵩が治める豫州・潁川は、張角が指揮する反乱勢力・黄巾党との最大の激戦地となった。官軍は、部隊単位でも天地人の陣形をとる１０万の黄巾党兵に大苦戦。だが、その中にあって曹操と孫堅の騎馬隊は、獅子奮迅の活躍を見せた。

黄巾党勢力の弱体化を狙う皇甫嵩が次に打った手は、潁川と隣りの南陽の黄巾党兵２５万を賄う兵糧が備蓄されている砦の占拠だった。この兵糧を奪うことが出来れば、戦況は大きく変わる。皇甫嵩は、副将軍・厳忠に指揮を任せ、曹操と孫堅を副官に据えて攻撃を命じた。

だが、大豪傑・張曼成率いる黄巾党兵の抵抗は凄まじく、交戦した厳忠の兵は、またたくまに蹴散らされた。これを見た曹操は、夏侯惇、張奐らに、左右の断崖を駆け上って砦内に突撃するよう命令。曹操の動きに反応した孫堅は、直ちに部下の韓当、黄蓋らに、正面突破を指示。曹操と孫堅の攻撃にさらされた砦内の黄 巾党兵は、たちまち大混乱に陥った。

張曼成に一対一の戦いを挑んだ張奐は、背中に矢傷を受けていたこともあり、無念の戦死。しかし、続く夏侯惇がその仇を討ち、これを機に黄巾党は総崩れとなった。形勢を見て砦内に入った厳忠は、黄巾党兵の掃討と、備蓄されていた大量の兵糧の持ち出しを指示した。

そんな中、黄巾党の援軍が来ると読んだ孫堅は、部下たちに撤退を指示。一方、３万を超える黄巾党兵の襲来を確認した曹操は、大局的な見地から、兵糧を焼き尽くすよう命令し、厳忠の兵が残っているにもかかわらず、火矢を放たせた。

兵糧と共に、黄巾党兵１万、官軍６千を焼き尽くした曹操が、“乱世の奸雄”と呼ばれるようになって程なく、張角が病死。求心力を失った黄巾党はさらに衰え、黄巾の乱は、集結したのだった





黄巾党に苦しめられる中、曹操と孫堅の騎馬隊のみ獅子奮迅の活躍を見せていた。




「私は貴方に見出されなければ死んでいた人間です」


この戦いが曹操の初陣であるのに、全くそれを感じない堂々とした戦いっぷりに尊敬の念すら感じる張奐
そんな男に拾われた命
もしあのまま生きながらえていたとしたら黄色い頭巾を付けていたかもしれないと話す。



「黄巾に天の理はござらんのですか？」


人の心だけを戦いの道具としていたなら・・・
鍬を持つ民に武器を持たせた時点で天の理から離れたのだと説明する曹操



この戦いを終わらす事こそ張角に唆された民を救う道と張奐も納得する。









皇甫嵩の次の命令は黄巾党の要である兵糧を備蓄している砦を占拠して兵糧を奪えというものだった。
曹操と孫堅を快く思っていない厳忠は自分の率いる隊で成し遂げようとするものの、逆に黄巾党の戦法に退却を余儀なくさせられる程にやられてしまう。



しかし、今は引く時ではないと高みから見ている張曼成を倒せと夏侯惇と張奐に命ずる
先に張曼成の元に辿り着いたのは張奐


「剣を取れ！黄巾の将よ」

「我が名は張曼成。名を名乗れ！」

「一度は漢王朝の濁流に溺死したるこの身。名乗る程の名など既にもう無い」

「ほぉ～仕えし者の名も名乗るほどではないのか」

「天に導かれたるお方、曹操殿には張奐と呼ばれておる」

「ならば存分に戦おうぞ」



激しい戦いが始まった
互いに認めざるをえない強さの両者。
しかし、崖に上がるまでに弓が当たっていた張奐に隙が出来てしまい、そこで一気に張曼成に斬りつけられてしまい夏侯惇がようやく崖の上に到着した時は張奐は倒されてしまっていた。


「不覚」



怒りで夏侯惇は張曼成に斬りかかっていく
こちらもまた張曼成を驚かせる程の強さ。


最後の力を振り絞った張奐が斧を張曼成に向けて投げる
それが刺さって隙が出来る
そこを夏侯惇が止めを刺した
張角様万歳！という言葉も最後まで言う事叶わず首を刎ねられる張曼成





せっかく倒したというのに、張奐ももう虫の息だった


「願わくば曹操殿の世を一目見たかった・・・」

あああーーーーっ！張奐ーーーーーっ！





夏侯惇の投げた張曼成の首を見てパニックを起こす黄巾党の面々


「漢王朝の将・張奐、黄巾党の張曼成を討ち取ったり！！！」


この言葉で張奐が死んだ事を悟る曹操



戦意喪失した敵に、これならば戦えると思ったのか？
厳忠が一気に砦に押し入り、兵糧を奪い返そうとする


しかし、状況を伝達する力に長けている黄巾党はすぐに味方がすぐそこまで近付きつつあった


厳忠の浅はかさに孫堅は豫州に引き上げようとするが、曹操は荀いくに問う
しかし、考え付くだけの策を言っても「有りん」と


曹操が考えていた策
兵法に長けているが非情な方法　　火計の策

砦を守っている黄巾の民と兵糧だけでなく、兵糧を奪い返す事しか頭に無い味方の官軍、
果ては黄巾の援軍までも焼き払え！と命令する



その徹底したやり方は孫堅すら背筋を寒くさせた

「その悪名すらも武器にするだろう」と。

「味方にして尚危険極まりない男よ」



そして孫堅は豫州には戻らず、南陽へと向かう



この戦いによって乱世の奸雄として曹操の名は広く知れ渡る事となった



そして全てが終わった頃、劉備達は到着する


「関さん、俺は曹操という男に会ってみてぇ」


戦いに勝利する為には敵味方なく焼き払った曹操に興味を覚える劉備
早速その足で曹操のもとに出向いた劉備だったが、もう休んでいるからと断られてしまう。




しかし曹操は寝てなどいなかった
この戦いで命を落とした張奐
張奐の鎧と斧の前で生前の張奐を思い出している曹操
普段の彼は実に静かな男。
しかしひとたび戦いに出れば勇猛果敢だった張奐
そんな張奐に敬意を表する曹操だった



外で天子の血を引く自分を担ぎ上げて漢王朝を立て直す戦いに加わって欲しいと叫ぶ劉備の声を聞く。



「ただ皇帝と同じ劉という姓だけで無邪気に天下を伺うことが出来る男」


曹操は劉備をそう評した
曹操は劉備をどう見たのだろうか？



その頃敗退の知らせによって急激に力を無くしつつあった黄巾党
しかも病床にあった張角が大量の血を吐く

その血から３匹の龍が争っている姿に、自分達のしてきた事はこの３匹の荒ぶる龍の前兆に過ぎなかった事を知り、失意の中亡くなる



事実上、張角の死によって黄巾の乱は終わりを告げたのだった。



それから５年後、劉宏が病で亡くなる
そして曹操が最も恐れていた男・董卓がとうとう動き出す





黄巾の乱は火計の策によって終わりを告げました。
しかしーーー！
個人的にとっても気に入っていた張奐がお亡くなりにーーーーっ

派手で荒ぶる獣のような曹操とは真逆な雰囲気を持つ彼の言動も彼の忠義も彼のお顔も密かにお気に入りだっただけに泣ける
いや、わかっていても泣けましたわ


従者スキーとしては同じ部下でも夏侯惇とかは立場上友っぽさが漂うのに反し、張奐の振る舞いは従者そのもので好きでした♪

曹操の世を見せてあげたかったです。



張角役の関さん・・・最初だけでほとんど台詞が無くて残念でした。
しかし最後の狂ったような演技まで惚れ惚れする位でした♪
それ以上に太田哲治さんを連想させる佐々木望ボイス
ビックリはしましたが結局あの回以降聞く機会も得られず・・・残念っ！（笑）



そして曹操ですが、黄巾の乱の終わらせ方も派手でしたねぇ
しょーもないオッサン・厳忠の率いる隊だからとはいえ容赦ない　_（_”_；）_バタッ
一点の迷いもありませんでしたからねぇ・・・


顔は合わせませんでしたが劉備と至近距離まで接近


あの３匹の龍、曹操・劉備・孫堅揃い踏みです。




しかしその前に曹操の前に立ちはだかるは董卓
声の担当は大塚芳忠さんだそうで・・・
大塚さんの悪っぷりボイスが大変楽しみです。








　蒼天航路 [1~18全巻]　文庫版