カテゴリ:旅行・山関係
佐久に住む友人の長男が自殺して早や1年、南相木にある墓前で営まれる1周忌法要に参加するため、11月3日この村を訪れたのです。南相木村は、日航機墜落事故の御巣鷹山を遠くに望み、群馬県と県境を接する長野県南東部の最奥にあります。
この地の紅葉はカラマツが多く、晴れ渡った青空の下、山全体が黄金に輝いていました。風にあおられ降り注ぐカラマツの葉は黄色の雨のようです。 友人の長男H君は、県下でも有数の進学校NK高校に05年春入学しました。7ヶ月後、突然逝ってしまいました。 彼は、保育園でも小学校でもイジメられ、ひどいときには運動マットに巻かれ頭からビニール袋をかぶされ、ひとつ間違えば死ぬほどの状況まで追い込まれました。中学進学でいじめはなくなるのかと思っていたら、やっぱりイジメは継続。小学校のように派手なやり方はなくなり、仲の良い友人もできたのですが、部活動で一部の生徒から事あるごとに邪魔扱いされたのです。それでも彼は部活動を続けました。 そして、将来は教師になりたいという夢を持って高校進学。同時に、今度こそイジメから解放され、勉強でも部活動でも頑張るぞ!と本人も希望に燃え、両親も私たちも胸をなでおろしました。 ところが、頭のよい生徒ばかりが集まるNK高校の部活動で、地獄が待っていました。はっきり言って、あまり運動能力が高くないH君は、毎日走りこみと筋トレをやって何とか上手になろうと努力しました。が、H君が信頼していた同学年の部員たちから陰湿な精神的攻撃を受け、抜き差しならない地獄へと追い詰められていったのです。 学校の部活動は全ての生徒に平等に門戸が開かれているはず。ヘタだから排除してよいという論理は通りません。NK高校ではそれがまかり通ってしまったのです。打ち込みの練習でも「ヘタだから」という理由で誰も相手をしてくれません。彼は故障していたロボットを自力で修理し、1人練習を続けました。また、後片付け、清掃も1人でやり続けました。見かねた他部所属の友人が手伝おうとすると、H君は「手伝ってもらったら、またそのことで攻撃されるから・・・」と断りました。 彼をとことん卑しめた侮辱的メールが送りつけられ、「辞めろ辞めろ」と言われ続け、あるいは完全にシカトされても、彼は頑張りました。親しい仲間が励ましてくれていました。でも、H君は05年11月12日、自宅の自分の部屋で首をつり、母親が発見したときには手遅れでした。(つづく) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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