カテゴリ:旅行・山関係
最終日はゆったり出発。 永観堂と南禅寺天授庵、高台寺を回って、清水で清水焼、扇子、土産の漬物など買い求めるだけの行程です。今回は母ちゃんが大好きな東福寺はパスするので時間にゆとりができました。 ホテルから永観堂へ徒歩で向かいます。 昨年夜間照明の長蛇の列に恐れをなして退散したため、今回は朝の訪問です。さすが紅葉の名所、朝からけっこうな人出ですが、境内が広いので余裕。燃え立つような紅葉の庭園を散策しました。 本堂の長い回廊をたどり、寺宝「みかえり阿弥陀」を拝観しました。顔を左斜め後ろに向け、優しく穏やかに微笑んでいる「みかえり阿弥陀」。平安時代中期の1082年2月15日、東の空の明け染める頃、永観律師が念仏を唱えていると、本尊の阿弥陀如来が壇上より降りてきて行道を始めたので、永観が驚いていると、振り向いて「永観、遅し」と言って導いたという伝説に基づいています。正面から拝観し、ついで横に行くと阿弥陀像を安置した厨子の側面をくりぬき、お顔を見ることができます。 寺のHPには、自分よりおくれる者たちを待つ姿勢。自分自身の位置をかえりみる姿勢。愛や情けをかける姿勢。思いやり深く周囲をみつめる姿勢。衆生とともに正しく前へ進むためのリーダーの把握のふりむき。と解説してあり、「真正面からおびただしい人々の心を濃く受けとめても、なお正面にまわれない人びとのことを案じて、横をみかえらずにはいられない阿弥陀仏のみ心」を表しているとしています。耳が痛いです。 外国のことは知りませんが、仏像、特に阿弥陀仏の像は「慈悲ぶかい」と形容されますが、庶民には近寄りがたい威厳あるものが多いと思います。マリア像のように静かに微笑む姿は地蔵菩薩像くらいしか思い浮かびません。「みかえり阿弥陀仏」の穏やかな微笑みは格別の魅力を持っていて、仏師の優しい心が表現されているようです。 回廊の途中、見上げると多宝塔を紅葉が彩っていました。永観堂おそるべし。再び庭園に出て池のほとりを巡ります。紅葉の下に茶店があり、甘いものを口にしながら紅葉を観賞する参拝者がおおぜい。これに酒が入れば紅葉狩りにふさわしい光景になります。甘党の私はグッと我慢して、南禅寺方面に向かったのでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[旅行・山関係] カテゴリの最新記事
|