ふらりかずたま　ひとり言　

１日目。夜明けとともに男鹿川。気温１４℃。
母ちゃんが大好きな「まるみの湯」裏から入渓しました。流れが強い気がします。私たちに渓流釣りの楽しさを教えてくれた「師匠」のタケさんもやってきました（男鹿川のどこで釣っていても私たちを見つけてしまう不思議な嗅覚の持ち主）。
私は、トラウマ（詳細は６月１日付ブログ）から脱していない母ちゃんが常に視界に入る位置に立ち、母ちゃんはその上流１００メートル。「師匠」は３００メートルくらい下流まで移動していきました。

５時半から１時間ほどで「師匠」が戻ってきて「魚が居ねえ」と撤収。私たちは上流へ移動しますが、チビ以外かかりません。先に支流との合流地点まで行った母ちゃんの姿を確認して、いつもは釣れない淵へ。落ち込みと吹き上がりの激しい淵で、たいていの釣り人が敗退しているところです。「アカンだろうな」と思いつつ普段と変わったことをしたくなったのです。

吹き上がりが収まる瞬間をねらって、奥の流れ脇にキャスト。手前の流芯との合流点寸前にできる小さな巻き返しに仕掛けを入れました。フワッとした微妙なアタリ。明らかにハヤでもチビでもありません。手首を返してアワセ。中硬の竿がしなりググッと引きます。上げてみると綺麗な尾ビレのヤマメ、２８センチ超。まだ居るはず、と苦心して何度も何度もキャストして小さな巻き返しに仕掛けを入れました。そして、またヤマメ。産卵ポイントではなさそうですが、もしオスとメスのツガイだったら嫌だなと思いつつキープ（さばくと２匹ともメスでした）しました。

これで大満足。時間は９時半を過ぎています。母ちゃんは合流点でおにぎりを食べ、タバコを吸って寛いでいます。「これで撤収かな？」と思って近づいていくと、さらに上流を目指すというのです。


本流と入山沢の合流点。写真の橋下で母ちゃんが泣き尺イワナを釣った

母ちゃんが、合流点の少し上流に架かる三依橋の下、いかにも釣りにくそうな落ち込みの上で流し始めました。私なんかが見落としそうなポイントから２９センチのイワナ。まだ居るらしく、何度もキャストしますが食いません。

上流に向かって移動。単独で川を渡るのが怖くなっている母ちゃんと腕を組んで２人３脚です。
母ちゃんは、そこから１００メートルくらいで流し始め、私はその上流部へ。チビヤマメとの闘いです。母ちゃんがタモの中になにやら取り込んでいます。またもヒットのようです。結局、その地点で母ちゃんは粘りに粘ってイワナを２匹引っ張り出しました。すごい執念。私がやればチョコチョコ流して諦めるようなポイントです。


上の２匹がヤマメ、下３匹は母ちゃんのイワナ

１２時過ぎ、私はお腹が空いて本心は「撤収したい」。でも母ちゃんは先ほどの大イワナを上げたポイントに再度挑戦。私は少し下流で「遊び」。
母ちゃんが興奮気味に近づいてきました。「大きなイワナが走って逃げた」と言うのです。事情を聞いて「なるほど！」。
釣り上げたイワナを川原で落としてしまい、イワナは脳シントウ。大急ぎで取り込みに掛かったのですが、イワナが目を覚まし、深さ１センチくらいのチロチロした流れに入って走って逃げてしまったと言うのです。
イワナは、ヤマメなどと違って断面が円筒状の体型。源流域のほとんど流れのないような所でも、体を立てて（腹を下にして）蛇のようにくねらせて移動できるのです。
だから、少しの流れを見つけたイワナは、みごと母ちゃんのタモから身をかわして逃げおおせたのです。さすがイワナ！　母ちゃんには気の毒だけどエライやつです。

１日目はこれで終了。私は１０匹くらい釣って２匹キープ、母ちゃんもは１３、４匹釣って３匹キープ。母ちゃんも納得の釣行でした。

２日目。今日が本当の最終釣行。
塩原温泉から尾頭トンネルを越えると、濃い霧が山々を包んでいました。塩原を出たのは５時半なので夜は明けているのですが、まだ薄暗く肌寒い上三依集落。霧の残る中、母ちゃんは一足先に入渓しました。水流がけっこう強く、母ちゃんが竿を出す平瀬もポイントの見極めが付きにくそう。


朝霧に包まれる三依の自然の中、ポイントに竿を出す母ちゃん

ゴミ拾いをしていた私も流しはじめました。アタリもありません。釣り下がっていきますが、どのポイントもさっぱりです。落ち込みの激しい流れの脇に小さい巻き返しを発見、粘ってようやく２３センチのイワナを引っ張り出しました。


母ちゃんも苦戦しています。チビヤマメが時たま掛かるようですが、キープサイズはありません。
私は、いつも釣果を見る大淵に行ってみました。そこで期待した感じのアタリ。でも針がかりしません。手を変え品を変え挑戦しましたが私の負け。たいした魚です。
途中でギブアップして休憩中の母ちゃんから「まだ～」の催促。夜の「じねんと倶楽部」忘年会に備えて早々に撤収しました。２００８年最終日の釣果はイワナ１匹でした。