テーマ:釣り好きの人集まれー(8293)
カテゴリ:釣り関係
沼津市街地に入り、前から気になっていた喫茶店「あずみ野」に立ち寄り。看板の「ネルドリップ1ぱいだて」がこだわりを感じさせます。
店の入り口には「バロック音楽を聴きながら…」と書いた黒板が立てかけられ、ドアを開けると、いきなりコラール(ルネサンス時代の賛美歌)が聞こえてきました。 店の一番奥の席に座って、改めて店内を観察すると、クラシック音楽のレコードが所狭しと収納され、真空管アンプと大型スピーカーが据え付けられています。 歌声はこのスピーカーから流れているのです。レコード盤特有の音質がコラールのハーモニーにはよく合います。 こだわりはコーヒーメニューにも。モーツァルトはじめバッハ、ベートーベン、ショパンの名を冠したブレンドがあります。私は開店32周年記念ブレンド、母ちゃんは悩んだ挙句フツーのモカブレンドです(おいおい、作曲家ブレンド頼まんのかい!)。味覚に鈍い私には違いはわかりませんでした。 一見無愛想風なオーナーに声をかけました。 紺の長Tにカーゴパンツ、首に手ぬぐいを巻いた、無精ひげのオヤジに低い声で尋ねられたオーナーは一瞬戸惑ったようです。私自身も言葉足らずですから、2人で片言の会話。以下( )内は省略された部分です。 「(今かかっているのは)バッハですか?」 「グレゴリオ(聖歌)です」 「バロック(のレコード)はほとんど…(揃っていますか)」コレクションを見まわしながら聞きました。 「モーツァルトとバッハが好きで…それ以外は…ハイドンとか…(ありますよ)」 「(宗教曲は)落ち着きますね」 「お好きですか」 「(バッハの)マタイ(受難曲)や(モーツァルトの)鎮魂レクイエム(などは素晴らしい)、初期バロックにも…(いい曲がありますね)」 「いいですね~。後期(バロック)では…?」 「私は(ヴィヴァルディの)調和への幻想、かみさんは(バッハの)トッカータとフーガが特に…(好きです)」 「(バロックやクラシックは)よく聞かれるんですか」 「(コンサートに行く)時間が取れないので、メディアプレイヤーとMDで…(聞いています)。CD150枚分くらいかな?」 「それはなかなか(すごいですね)」 「運転中とか、(自宅で夜中)仕事しながらとか…」 オーナーは謙遜されていますが、コレクションは半端ではありません。きっと、リクエストすればクラシックの名曲を次々かけてくれるのでしょう。 グレゴリオ聖歌が終わって、次にかけてくれたのはチェロ曲。スピーカーから1メートルほどしか離れていないので、重厚な低音がすきっ腹に響きます。 母ちゃんが「何の曲?」というような顔でこちらを見ます。 「バッハの無伴奏チェロ組曲。これはいい曲だよ。きっとオーナーの気遣いだね」 この曲は、「鳥の歌」で有名なパブロ・カザルスによって真価を見出され、今ではチェロ奏者の聖典とさえ言われている作品です。心にしみるバッハの名作にすっかり寛ぎ、居眠りをはじめてしまった完全徹夜の私でありました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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