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ふらりかずたま ひとり言 

ふらりかずたま ひとり言 

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2011年10月15日
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カテゴリ:旅行・山関係
「ねえねえ、立山黒部アルペンルート行かない?」

夏のある日、毎度登場するご夫妻がやってきてこんなことを言い出しました。

「何しに行くねん?」
「トロッコ電車のってさぁ、黒部ダム見て、温泉入って・・・」
「2泊3日で行くんか?」
「1泊2日だよ」
「トロッコは宇奈月で、アルペンルートは立山や。おんなじ富山でもだいぶ離れてるんやで~」
「え~っ! そうなの?」
「1泊2日やったら、ほとんど乗り物乗ってるだけや。何が楽しいねん」

ダンナさんの申し出に冷たい私。母ちゃんが助っ人に入ります。

「今回は“お試し”ということでいいんじゃないの」
「せめて、立山登山は…」
「いいからいいから」

というような次第で、クラ●ツー●ズム企画の「立山黒部アルペンルート・ツアー」に申し込み。母ちゃんが探し出したのは、1泊2日・宇奈月トロッコ電車・ガイド付き欅平散策・宇奈月温泉満喫・室堂散策3時間プラン。団体行動という制約があるものの、個人で行くより格段にお得で、団体扱いなので優先的に乗り継げるのです。

1日目は新潟県境に近い黒部町宇奈月から黒部峡谷を南下するトロッコ電車(右肩写真)。2日目は、バスで宇奈月から立山町までグルッと移動し、アルペンルートに入ります。
アルペンルートというのは、立山駅=ケーブルカー7分=美女平=高原バス50分=室堂=トロリーバス10分=大観峰=ロープウェイ7分=黒部平=ケーブルカー5分=黒部湖=徒歩15分=黒部ダム=トロリーバス16分=扇沢、といろんな乗り物を乗り継いで富山県から長野県に抜ける日本有数の観光ルートです。
ひとつひとつの乗り物は短時間ですが、繁忙期は乗り換えのたびに待ち時間が発生するので、かなり時間を要します。もし室堂散策に時間を取ると1日がかり。
加えて、それぞれの乗り物がバカ高く、立山駅から長野側の扇沢駅までの移動で1人8060円。もし、個人で新幹線と在来線、バスを利用してアルペンルートに行くとしたら、東京=JR・私鉄=立山が約12700円、扇沢=バス・JR=東京が約8800円。トロッコ電車の料金3300円を加えると、交通費だけで約33000円! 

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話がミミッチクなるので本題に入ります。

台風に振り回された秋の北海道を無事クリアした、その週末アルペンルートに出発しました。今年の秋は天気との闘い。またしても雨の予想です。前線が通過する土曜日午後からは急激に気温が下がるとのことなので、ダンナさんには東京の2月頃の服装を準備すること、雨具を必ず持参することなど連絡しておきました。

私たちは上野駅集合。駅弁を買って新幹線に乗り込みます。事前に連絡を受けていた指定席にすわるや、すぐに添乗員さんが当日のスケジュール説明にやってきました。結構しっかり者の雰囲気で安心です。ドタキャンもあって参加者は14人。まとまりやすい人数です。

車中、ダンナさんは早くもビールやチュウハイで盛り上がっています。
「トロッコ電車はトイレないで~。オムツ用意しとかなアカンよ」
「大丈夫! 窓のないトロッコだから、いつでもOKだよ~」
「アホか、ほかの人にシブキがかかるやろが!」
早くも出来上がり状態か? 奥さんは苦笑いです。

新幹線を長野駅で降りて、そこからはバス。長野自動車道・北陸自動車道を経由して宇奈月駅へ。昼食はバスの中で摂ります。「峠の釜めし」で有名な「おぎのや」の弁当、品よく盛り付けてありますがボリュームはあります。さっき電車の中で駅弁食べたのにぺロリ平らげました。

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13時30分頃、宇奈月駅到着。関西電力の電気館など自由散策の後、14時15分発のトロッコ電車で終点欅平まで行き、散策後再びトロッコ電車で宇奈月に戻る行程。宇奈月駅に戻るのは18時頃とのこと。寒いだろうなぁ。
防寒具を準備していない参加者もいましたが、売店でビニールのレインコートを買って羽織っています。ダンナ・奥さん・母ちゃんはそれぞれに防寒着を着込みスタンバイ。寒暖差に鈍感な私は東京から同じスタイルです。

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余談。私は、顧客・取引先を訪問するとき、真夏でもスーツ・ネクタイで押し通しますし、真冬でもコートを着ていきません。理由は簡単。腕に洋服を引っ掛けて歩いたり、コートを抱えて客先訪問するのが面倒なだけなんですが…。寒暖差はあまり気にしなくなります。

閑話休題。「レッグウォーマーも持ってきたから」と母ちゃん。トロッコ電車は足元から冷え込むので持参していたのです。さすが母ちゃん、旅慣れている!
「寒かったら、ホッカイロも持ってきたさかい、言うてや」
私も、寒がりたちのため抜かりはありません。

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宇奈月ダム

ダンナさんはテンションが上がり、やたら口数が多くなり、ひっきりなしにシャッターを切っています。

「子どもやないんやから、落ち着けよ。窓から落ちるぞ」
「大丈夫大丈夫。ヒャッホー」
「(奥さんに)ダンナ、壊れてまっせ」
「とーちゃんは、いつもこんな感じだから…」
「(そうか、これがコイツの正体か)」

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谷にかかるサル専用の白い吊り橋(右)。左の白い橋は引湯管

車内の観光案内アナウンスは富山県出身の女優・室井滋さん(もちろん録音ですが)。特徴のある温かな声で観光ガイドしてくれる、心憎いサービス。ただ、レールのきしみ音が続くと、せっかくのガイドが聞き取れず、ちょっと残念でした。
室井さんの声を聞きながら「室井さんとは縁があるねんなぁ」と、北海道・宗谷バスの名ガイド高橋美幸さんを思い出していました。自称・室井滋似の高橋さんは「室井滋で~す」と自己紹介してガイドを始めるのです。

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途中駅で対向の電車とすれ違い

平均時速15キロ、ママチャリ並みのスピードで急坂を登って行くトロッコ電車ですが、薄暗がりでの風景撮影のため、シャッターがなかなか落ちません。落ちた時にはシャッターチャンスを逃し、鉄柱が正面に、というありさま。薄らボケた写真の山が出来上がりました。

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特有のV字峡谷。そそり立つ岩壁。奥の建物は新黒部第3発電所

1時間20分後、トロッコ電車は終点・欅平駅へ。ずいぶんと冷え込んできました。新幹線のビール・チュウハイ三昧が祟ったダンナはトイレ直行。ホント、せわしないのない人です。

ベテランの黒部峡谷案内人に引率され欅平駅周辺を散策。といっても、時間がなくて奥鐘橋から人喰い岩を巡る小1時間の散歩コース。あっという間の欅平でした。欅平にはサルが飛ぶという猿飛岩はじめ多くの名勝があり、散策には3時間くらいかかるといいます。この次はガッチリハイキングをしたいものです。

hitokui.JPG
遠目には人間をガブリと食っているように見える

16時43分発のトロッコで宇奈月へ。添乗員さんから、1人520円の自己負担で窓付きのリラックス車両に乗車できるとの情報。寒がりたちの要望を容れて乗車しました。ほとんどのツアー参加者が汗ばむほど暖房の効いたこの車両に居ますが、誰か頑張った人がいるそうで、添乗員さんは窓なし車両でお付き合い。気の毒に…。

18時、宇奈月駅に戻ってきました。今夜の泊まりは、駅からバスで5分ほどの「グリーンホテル喜泉」。遅めに設定された夕食前に温泉です。大浴場と露天風呂、肌にいいとされる宇奈月の湯にじっくり浸からせてもらいました。
「おっかさん」風の仲居さんたちの親切な給仕で夕食を終え、部屋でのんびりしていると、突然の館内アナウンス。「どないしたんや!」と耳を澄ますと「21時30分ごろから、ロビーで獅子舞が演じられる」とのこと。
母ちゃんもダンナさんも奥さんも「寝る!」。独りでロビーに行くと、他のグループの宿泊者が20人くらい。私たちの仲間はいませんでした。

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獅子舞の写真はホテル喜泉の、若旦那ブログから拝借

「もったいない。来たらエエのに」とか思いながら鑑賞させてもらいました。
毎年10月1日に奉納される伝統の獅子舞だそうで、地元青年団と地域の子どもたちの踊りと獅子舞が賑やかに舞い納められ、ホテルからは何度も御祝儀が手渡されました。
めでたいサプライズ。太鼓も踊りも獅子舞も決して垢抜けたものではありません。でも、このような土の匂いのする芸能に、都会育ちの私は魅かれます。
すっかり気を良くしたのは私一人ではなく、宿泊者もホテル従業員も笑顔満面でした。

「さあ、もう1回温泉に入って寝よ!」。明朝は私1人5時45分起床です。

2日目に続きます。





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最終更新日  2011年10月18日 02時22分55秒
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