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ふらりかずたま ひとり言 

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2016年08月23日
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テーマ:思うこと(3054)
カテゴリ:カテゴリ未分類
「身体障害者1級」と認定され、障害者手帳の交付を受けました。

医師の勧めで交付申請を行ったのですが、実際に「身体障害等級1級」「旅客運賃減額1種」と認定されてしまうと、微妙に気持ちが揺らぎます。

「ICD植え込んだだけで障害者1級なの?」
「見た目、元気そうだけどね…」
「儲けたね」
「気の毒に…」
そんな声に対して、自分自身の中にも
「釣りでも、ハイキングでも、ゴルフでもできるし…」
「胸が苦しくなることはあるけど、日常生活はまあまあ支障ないし…」
「障害者と見られるのには抵抗あるなあ」
「自分より必要な人がいるはずだ」
という、思いが生じます。

すでに認定を受けている人からの「フルに利用しなきゃ損だ」という「アドバイス」も受け入れがたいし、「ICDを植え込んだら無条件で3級以上に認定される」というのにも抵抗があります。

そんな風に気持ちが揺らぐのであれば、いっそ申請しなければいいのです。
「身体障害者手帳」の交付申請は自分の意思で行うもの。「身体障害者」と公的に認定されることが嫌な人(障害者への就職差別はじめ社会の邪魔者扱い…障害者認定のデメリットは多い)も少なくありません。


障害者手帳と都営交通無料券。高速料金割引なども受けられる

手術から1か月もグジグジと思案して、結局申請することにしたのですが、今一度心の動揺を鎮めようと考え直しました。

私は、まぎれもなく重度の障害を抱えた人間であって、可能な限り長く元気に生き続けるよう努力すべきなんだと、思います。

いつの頃からか、心室細動から急激な心停止につながる危険性の高い不整脈が、けっこうな頻度で発生するようになり、さまざまな検査の末、ついにICD(植込型除細動器)を胸に植え込む必要があると診断され、6月初旬手術を受けました。
診断名は肥大型心筋症。また、先天的なものか後天的原因かは不明ですが、左心室内に一部変形があって、心室が完全に収縮せず、血液が押し出しきれないのだそうです。
このことで、自分自身は長い時間脈が飛んだように感じるし、血流が悪くなってしまう(という説明だったと思います)。心臓が一生懸命働こうとするので、無理が生じてしまうのです。
検査の中で一番ショックを受けたのは、心臓の電極検査で、人為的に負荷をかけたところ、脈拍が135を超えた時点で心停止したこと。それまで、リハビリのエアロバイク(自転車こぎ)では、心拍数160まで負荷をかけていましたから、135でアウトとは驚きです。

私はいま2種類の防御方法で、危険な不整脈と心室細動に対処しています。ICDは、24時間私の心臓を監視し、異常検知時には、軽微な電気的措置から細動除去の高電圧電気ショックまでの措置を自動的に行います。また、心臓のデータを24時間ごとにセンターに自動送信。異変があれば医師から私に連絡が来ます。
もう一方は内科的措置で、脈拍を低めにコントロールし、不整脈を抑える薬の服用。脈拍は通常55前後で、不整脈の発生も減ったような気がします(気のせいかもしれませんが)。現段階ではこうした措置ですが、不整脈を起こりにくくするために変形部をレーザで焼き切ることも検討されています。

検査結果から植え込み手術まで約2ヶ月かかったのは、忙しかったせいもありますが、私の「抵抗」。手術自体が怖いわけではありません(カテーテル検査には危険を感じましたが)。調べれば調べるほど「煩わしい」気分になる、植え込み後の生活上の制限とICDの誤作動リスクが嫌で、何とか内科的措置で済ませたいという思いから。


ICD本体と植え込み概念図

しかし、医師から「植え込みをしなければ、あなた自身と第三者の生命を奪うことになる。内科的措置で済む話ではない」と厳しく宣言され、ついに「白旗」を上げた次第です。

たしかに、運動中や仕事中に、心臓に細動が発生し、瞬時に心停止したケース。車の運転中に細動が発生して失神し、自分だけでなく多くの通行人を死傷させたケース…を考えると、心臓病には大きな危険があり、社会生活に多くの制約を受けざるをえません。ICDは万が一の「保険的」措置にほかならないのです。

そして、その「保険」を正常に機能させるには、悲鳴を上げたくなるような制限措置に対処しなくてはなりません。

運転免許を例に挙げると、ペースメーカーを植え込んだ人は「原則として運転OK」ですが、ICD植え込み者は「原則不可」。運転できるようにするためには、研修終了した医師が作成した診断書を公安委員会に提出し、条件を満たせば半年間運転OKとなります。半年後にまた診断書を公安委員会に提出する、という繰り返し。この間に、ICDが作動した場合(誤作動でも)12か月間運転停止処分になります。当然診断書は有料です。

ICDメーカーの説明書、不整脈学会のHPなどを読めば読むほど、まともな社会生活ができないと思ってしまいます。
たとえば、「IH炊飯器には、保温中であっても手の届く範囲に近づかないこと」――これではご飯がよそえません。
「運転者がオートスイッチを持って車から出ていく(外から開け閉めしたり、エンジンをかけられる状態)のとき、車内に残っていてはいけない」――寝入っていても必ず起こしてもらわなきゃ。

そうした細心の注意を払って、いちいち確認しながら生活すべきICD植え込み患者は、ICDを入れたから障害者なのではなく、煩わしい器具を入れてでも保護すべき心臓疾患があるから障害者認定されるべき「弱者」なのだということなんですね。

パラリンピックに出場する障害者のように頑張るわけにもいかないし、若い人たちのように知恵やセンスを開花させられるわけではありませんが、「老人+脳梗塞後遺症+心臓疾患」でもできることを探しながら前に進むしかありませんね。


ヘルプマーク。見えないハンディを持つ人たちが携行

<内部障害者について>
私のような障害は「内部障害」と呼ばれます。身体の内部の障害のことで「見えない障害」とも。
具体的には、心臓機能障害、じん臓機能障害、呼吸器機能障害、ぼうこう又は直腸の機能障害、小腸の機能障害、HIVヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害、肝臓機能障害をさします。
内部障害は、見た目では障害者と分かりません。周囲の人からの援助が受けにくいのです。周囲から理解されず、障害者用駐車スペースや電車の優先席を利用すると、白い目で見られることも(私の場合は見た目がジイさんですから平気です)。最近ではヘルプマークが制定されていますが、よく知られていません。優先席に座るたびに手帳を出すわけにはいきません。

自分自身が心臓機能障害者になり、電磁波などに神経を使い、体調が急変することがありうることで、内部障害者のツラさが理解できました。ただし、私の場合、必要と思ったら「すみません、**してください」と言えますから、あまり支障はありません。

見た目ではわからない、見えない障害もあるってことを、ぜひ多くの方に知ってもらいたいです。また、障害者だけでなく、歩行がつらい人、妊娠中の人など社会的「弱者」は、もっと声を出すべきだと思います。

身体障害者福祉法
この法律は、「身体障害者の自立と社会経済活動への参加を促進するため、身体障害者を援助し、及び必要に応じて保護し、もつて身体障害者の福祉の増進を図る」ことを目的としています。この法律の第四条では、身体障害者とは「身体上の障害がある18歳以上の者であつて、都道府県知事から身体障害者手帳の交付を受けたものをいう」と定められています。身体障害者手帳には、1級から7級までの等級があり、1級から6級が障害者福祉法での障害者として認定され、障害者手帳が交付されます。





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最終更新日  2016年08月23日 03時21分15秒
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