⑮鍵破り「基本手口」の撃退法![]() 家の中に侵入されたり、路上で襲われたりする悪質な犯罪が急増し、身の回りの安全は自分たちの手で守らなければならない社会に変わってきた。 春から一人暮らしを始める若者や、小学校、幼稚園に通い始める子供たちの安全も心配だ。 家庭や個人はどんな対策を取れるのだろう。 それぞれの専門家に聞いた最新の防犯マニュアルを紹介する。 ![]() 東京の鍵取り付け業者は今年一月、横浜市内のマンションが一度に六部屋荒らされたと聞き、がく然とした。 昨年秋、マンションのすべての部屋の鍵を自分で取り換えたばかりだった。 業者は「ピッキング」を防ぐために新しい型の鍵に交換、さらに「カム送り」を防ぐ工事もした。 しかし「サムターン回し」という新手の鍵破りに対応する部品は、品不足のため取り付けを見送った。 被害にあった六部屋はいずれも「サムターン回し」で破られていた。 「一つの手口の対策を怠れば、防犯対策は完全ではないと思い知らされました」と業者は悔やむ。 鍵破りは、犯罪者と鍵メーカーのいたちごっこが続いている。 現在は基本的な手口が三つ知られており、防犯器具などが市販されている。
日本ロック工業会などによると、ピッキングは「ディスクシリンダー」と呼ばれる従来型の鍵が標的になっている。 ![]() 約七千万個が出荷されており、古い鍵にこのタイプが多いが、素人が自分で判別するのは難しいという。 ピッキングに強いと認定されたCP-C錠は49種類あり、交換にかかる費用は1~2万円程度。
「カム送り」の手口は警察庁が昨年9月に公表した。 これまで販売された外枠の浮く鍵のうち約9百万個が被害に遭う可能性がある。 ドアとの間に隙間ができないよう金属リングを挟み込むのが解決策の一つ。 専用の金属リングはホームセンターなどで3百円~千円で販売されている。 「サムターン回し」を防ぐには、開けられた穴からドアの内側に挿入された工具が鍵のつまみ(サムターン)に触れないよう、つまみを囲むようにプラスチック製のカバー(4百円程度)を付ける方法がある。 また、つまみの形を工具で回しにくいものに交換する方法(千円~七千円)などもある。 ただし最近は、手動ドリルで鍵穴を壊したり、着火器具をドアの内側に差し込んで防護器具を焼くなどの手口も出現している。 専門家は「現在市販されている防犯器具が完全だとは言い切れないが、侵入犯は入りやすい所から狙うから、設置する効果はある」と指摘する。 鍵の設置費用は、鍵の種類や取り付け業者によってまちまち。 鍵の取り付け業者などで作る日本ロックセキュリティ協同組合理事の鈴木祥夫さんは「複数の店に見積もりをしてもらった方が良いでしょう」とアドバイスしている。 ◆防犯機器や鍵メーカーについては、全国防犯協会連合会や日本ロック工業会のホームページが参考になる。 |