ジョバンニ
えー、昨秋から市の契約アルバイトで保育園での夕方の補助業務に就かせていただいていましたが元来の契約期間終了に伴い退職となりました。以前の小学校の給食室のすぐ向かい側にあった保育園での夕方3時間の勤務。色々と難しいこともありますが遣り甲斐がありました。また、なかなか募集しても応募のない枠とのことで就業直後から園長先生に「来年度以降も長くお願いね!」と強く念を押されていたので、なおのこと気負っていましたが6月頃、突然ある日、園長先生に動揺が発生しました。その理由はじきに分りました。定年退職したベテラン保育士さんが再雇用でその私がいた夕方の3時間の枠に入ることになったそうです。確かに私が今から保育の現場でキャリアを積むよりてっとり早く、理に叶っています。しかも、ほぼ毎年のように新たな定年の保育士さんがいて人材にはもう困らないでしょう。しかし、私が近場の給食の仕事にこだわったのは保育の仕事との両立することも大きな理由だったのでそうでなければ今年の初めの仕事探しはもう少しハードルが低かったことも事実で・・・園長先生には笑顔でもの分りよく「わかりました」と答えましたが私もかなり動揺した訳で・・・しかも「あなたはまだ若いから大丈夫! これからはご自分の子育てを頑張ってね」・・・って、励まされてもこの場合それは逆にヒジョ~~~に切なく聞えるんですけどでも、今の給食業務への就職の際、会社の身元保証の書類に「私がサインしてあげるわ!」と言って下さった園長先生なので(結果的には伯母に保証してもらいましたが)よくしていただいたご恩は忘れません。ありがとうございました。「仕事が半分になる・・・」夜、布団の中で不安で鬱々と過ごしました。夕方だけの仕事なんて見つかるだろうか・・・。しかも子供を預かって貰えるところのない日曜や祝祭日も働けないので平日しか働けないとなると飲食・販売も難しい。その時、ぼんやり思い浮かんだのは宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』のジョバンニ少年が夕方、学校帰りに寄って活版の字を拾う仕事のことでした。棚の林立する薄暗い部屋で黙々と字を拾うジョバンニ。横目で仕事を探す夏を過ごしました。案の定なかなか夕方だけ・・・給食の仕事の後から子供のお迎えの時間まで・・・という仕事はなくこれまで仕事は日曜日の折込チラシばかり見ていたのですがなんとなく駅でタウンワークを手に取ってみると印刷の仕事です。1日2時間~ 週2日~ 日祝祭休み 時給800円~お陰様で、9月の下旬からそこで有難く働かせて貰っています。文房具に意匠を印刷する仕事です。今のところ私はペン軸にロゴなどを印刷しています。慢性的な人手不足とのことで、急な欠勤は困るけれどもいつでも働いていいそうです。ジョバンニの仕事とはちょっと違うけれども、印刷する工場というのが少し似ていますね。