夢 ~水車のある村~
実家のさつきちゃんが、ふみちのおつまみチキンを狙っている図。はるちさんとかんちゃんを連れて、実家に帰省した。入院中の父の見舞いへ行くためだ。父の容体はとても安定していた。もっとも、CA19-9(基準値37U/ml以下、100U/ml未満が要注意)が70,000。なんで安定しているのか、ちょっと不思議なくらいだった。医者には覚悟をしておくよう、くぎを刺されていた。そんな状態だから、まだ意識があるうちに、はるちを父に会わせておきたかった。みなで様子を見に行った時は、ちょうど母が食事の介助をしていた。流動食の晩御飯をだいたい食べ、食後のゼリーも完食したようだった。私たちは安心して、「また明日、ゆっくり来るしな」と話しかけた。父は私たちの声に、しっかりとこちらを見て目で答えていた。父もまた、少し安心したのかもしれない。翌未明、容体は急変する。早朝の電話というのは、嫌なものだなと、あとになって思ったけれど。電話が鳴った瞬間、母も我々も、それが何の知らせかすぐにわかった。家から病院に駆け付けたが、父はすでに亡くなっていた。父は家族がそろった様子を確認して、自分で何かを納得したのだろうか。急な葬儀だったけれど(まぁ、葬儀ってそういうものだろうけど)、どうにか無事、一通りの儀式は済ませられた。「水車のある村」は、黒澤明監督「夢」のラストエピソードになる。良い話だったなと、思い出す。