キャプテンのブログ

年に数冊だけど母から「これ読みなさい！」と本を渡される時があります。

スクラップ・アンド・ビルド [ 羽田圭介 ]
他人から読書を強要されるのは正直苦痛だけど…でも以前そうやって渡された本に『天国までの百マイル』というとても良い話があったので

面倒くさい半分、興味半分で読んでみた。

ああなるほどこれ介護の話なんだ。。。

そしてさらには筋トレの話でもあるところが何て興味をそそられることか


「早く死にたい」が口癖の祖父と同居する就活中の主人公はその祖父の願いーいわゆる尊厳死を叶えてあげるための介助法を常に考え実践する。

といっても決してサスペンス的な話ではなく、壮絶な介護の話でもなく、むしろ実写化するのは困難じゃないかと思うほど普通の家庭のお話。

逆に言えば何のドラマ性もない普通の話をこれだけリアリティ溢れるストーリーにしてしまう文章表現の緻密さが凄い。


根気強く見守る介護と手をさしのべる介護…この主人公の考えは屈折しているかもしれないけれど、でも介護の本質を突いているところもある。


僕も曲りなりにもプロの介護者としては、その「過剰な足し算介護」については常に考えなければいけないテーマなんだと思いました