悲しきモノローグ

一九七一年に

カスピ海畔のラムサールで

水鳥と湿地に関する

国際会議が開催され

国際的に重要な湿地に関する

条約が採択されたのですね。

一九九三年に

此方の湖が

ラムサール条約の

日本最大の登録湿地に・・・。

湖の全域が

鳥獣保護区に指定され

全国的にも名高い

渡り鳥の越冬地に・・・。

比較的水質のよい

北湖は

渡り鳥の楽園に・・・

渡り鳥約六万羽が

飛来しているそうですわよ。

南湖でも

ヨシ群落の保全

湿地の保全や

湖の水の浄化や

渡り鳥の餌付けなど

地道な取り組みがなされ・・・。

北極圏から

秋になると

渡り鳥が飛来して

春までの数ヶ月

ラムサール条約で守られた

安全な湖で

過ごすようになりましたのよ。

昨年は三月十一日に

最後の北帰行が・・・。

北帰行の確認

情報がありましたわ。

今年は暖冬で

早まるだろうとは・・・。

急いで覗きに

行ってきましたわ。

まだいましたわよ。

コハクチョウが

十一羽も。

暖かな陽射しの中で

悠然と泳いでいましたわ。

二月十一日に

北帰行が確認され

見張り番小屋も

撤去されて・・・。

見物客は

誰一人いなかったですよ。

コハクチョウも

北に旅立つ前に

ゆっくり羽を休めて・・・。

遠い道のり

無事に北へ

帰って欲しいですね。

そして来年もまた・・・。

cookey's corner

誰もいなかったので、コハクチョウの傍まで

行ってきたんだよ。コハクチョウは真っ白で

大きい鳥なんだね～。

「犬が傍によると、コハクチョウが驚くから」って

見張りのおじさんがうるさいんだよ。

僕は大人しく出来るんだけど・・・ね。

もう直ぐ北に帰るんだって・・・。

コハクチョウに会えて良かったよ。

橋を渡るの怖がってたけど、もう橋を渡るのは

へっちゃらなんだ～。

でも川に掛かってるこの金属性の蓋は何だろう？

見たこともないし、穴が一杯開いてるし・・・。

決して臆病なんかじゃないんだよ。君子なんだ～。

「君子危うきに近寄らず」って言うじゃない～。