公営競技初!マイレージサービス
今回は、競馬業界にとっても参考になればと、敢えて他競技のレース場の話題を紹介します。 まだまだ景気回復の恩恵を、十分に享受することが出来ていない公営競技業界。各競技、各レース場ともに、様々な努力と工夫で売り上げの向上や収益の改善を目指しているところです。 そんな中、公営競技業界初となる「マイレージサービス」を始めたレース場が出現。さっそく取材に出かけました。 長崎県大村市にある大村競艇場。55年前に初めて競艇のレースが行われた「競艇発祥の地」でありながら、ここも他の地方にある公営競技場と同様、平成11年から6期連続の赤字計上。累積欠損金もその間に積み上がり、存続のためには経営の立て直しが急務となっておりました。場内入り口近くにある「競艇発祥の地」の碑 そんな中、平成15年12月に再建計画を策定。コスト削減の傍ら、売り上げ向上のために様々な施策を実施した結果、平成17,18年度と2期連続での黒字を達成するに至りました。(詳しくはこちら) その中では、築40年になるスタンドのこまめな改修、ミニ場外の設置といった設備面の投資もさることながら、企画レースやファンサービス充実、そして大レースの誘致といった努力と熱意が惜しみなく投じられ、競艇界の中でも(恐らく公営競技界と言い換えても問題ないと思いますが)改革の最先端を行く事例として注目もされているところです。スタンド自体は、昭和の薫り溢れる古い建物古いスタンドも内装は一新で雰囲気は全く変わります大人気のフードコートは斬新なデザインと豊富なメニュートイレもリニューアルして清潔感あふれる そんな経営努力の中で、満を持して投入した新サービスが、今回紹介する「マイルクラブ大村24」です。 このサービス、例えば大レースの時などに行われる一時的なキャンペーンとは異なり、年間通じての永続的なサービスとして始まりました。何しろ、サイト上で会員登録を行った上で、電話・ネット投票を通じて大村競艇場の舟券を購入すれば、自動的にマイルがどんどんたまっていくというもの。大村のレースを楽しんでいるだけで、まさに航空会社のマイレージと同じような感覚でいつのまにかマイルがゲットできるという、ファンにとっては嬉しいサービスです。 貯まるマイルは、舟券100円購入ごとに1マイル。交換する商品は以下の4つのカテゴリーで準備されています。(詳しくはこちら)(1)現金 交換率は基本が1万マイルで1万円。これより多いマイル数で還元率がいい交換レートとか、還元率は低いもののこれより少ないマイル数で交換できるレートも用意されています。(2)競艇グッズコース 通常ではまず手に入れることの出来ない様々なアイテムは、トップレーサーが実際に使用していたグッズや、サイン入りのノベルティグッズ。他にも、競艇場のバックヤードツアーの参加権なんかも用意されています。(3)長崎特産コース ご家族にも喜ばれる長崎グルメの数々。カステラや五島うどん、チャンポンセットなど、いかにも「長崎」を感じさせる品揃えです。(4)エンジョイコース 健康食品、ティファールのポット、レミパン、ipod、プレステ、DVDレコーダーなど、生活グッズからエンターテイメントまで揃っています。(5)毎月キャンペーン 毎月、1,000円×50人、クオカード1枚×50人などを通常のマイルより低マイルで数量限定で準備しております。 景品も幅広く揃っていますし、面倒な手続きは最初の入会登録の1回だけで、その都度いちいち応募したりすることなしに、これだけのファンサービスが受けられる。実際、始まって4ヶ月のこのサービス、着実に登録人数を増やして、まずはは順調なスタートとなっているようです。 何より、マイレージサービスといった一見大がかりに見えるこのサービスが、(電話投票システム自体は業界全体のものとはいえ)地方の一つのレース場単独の取り組みとして始まったことは、競艇業界だけではなくて、公営競技全体を見ても画期的なことと言えるでしょう。 この「マイルクラブ大村24」の立ち上げに中心的存在として携わった担当者の方に、お話を伺いました。 その内容については、項を変えてご紹介したいと思います。