2017/06/09(金)08:42
東京ダービー制覇 森泰斗騎手
ミツオーです。誰かが「胃が痛い」と言うたびに、「西郷さんビックリ」という合いの手を入れる先輩がいます。
さて、念願の東京ダービー制覇を成し遂げた森泰斗騎手に、少しだけ会ってお祝いを言うことができました。
いつもどおり落ち着いた表情の森騎手は、ダービー制覇から一夜明けて、すでに平常の仕事モード。
それでもわたしが近寄ると、いつもどおり右手を出してくれました。想いをこめて、ガッチリ握手。
「いつまでも喜んでばっかりいられません。
今日からまた仕事ですしね」
と顔も気持ちも引き締めていましたが、
「ここまで立ててきた目標は、ことごとく達成したね」
と振ると、
「そうですね…。新しい目標、考えなきゃいけないですね」
と笑い、弊社・山中寛アナウンサーが、
「中央移籍が新たな目標とか言わないで~」
と言うと、
「ないです、ないです」
さらに、
「まずは、帝王賞、勝ちたいですね、コパノリッキーに乗ることが決まっているので。
そのほかのダートグレードも、勝ちたい。
もちろんリッキーの次は、地方所属馬で、船橋の馬で、強い相手に勝てたらいいですね」
表彰式では「目に光るものが…」と振られて、「そうですね」とか何とかこたえていた森騎手ですが、
「泣いてないです。全然」
と笑っていました。すみません、ウチの若いものがテキトーなことを言いまして、と謝っておきましたが、そういう話もふくめて、和気藹々と実に平和な一幕ではありました。
偶然ですが、森騎手と我々が話しているそばを、的場文男騎手と矢野貴之騎手が通り過ぎて行きました。
この手のことは慣れている方たちなのだとは思いますが、こちらとしては、シビアな世界だということを痛感させられます。
勝者があり、敗者がある。
栄光の余韻にひたる間もなく、勝負は続いていく。
数多くの苦労を乗り越えて栄光をつかんだ森騎手も、同じく波乱にとんだ騎手人生を歩み、充実期に入った矢野騎手も。
そして、彼らのはるか昔から勝負の世界に身を置き、苦難を物ともせずに挑み続ける的場騎手も。
彼らの精神力、その強さ。
心の底からたたえたい。…そう思わされた、ダービー翌日でした。