問題の背景には、中国政府が西側文化の流入に警戒を強めていることがある。胡錦濤政権は、中国文化を世界に広めることに躍起で、世界各地に孔子学院を設立してきた。最近公開された映画「孔子」もその一環で、中国でも空前の人気を博した映画「アバター」通常版の上映打ち切りも「孔子」支援のためと言われた。しかし当局のてこ入れもむなしく、「孔子」の評判はさんざんで、ある文化芸術専門サイトが行ったアンケートでは、上映中の10本の内外映画中、唯一、10点満点の5点に達せず最下位になった。「アバタ―」は唯一9点超であった。昨年秋に公開された「THIS IS IT」「2012」の2本の米映画も「アバタ―」同様の高評価を得て、記録的興行成績を収めた。「新浪ネット」のアンケートで「中国はこのような映画をいつ作れるか?」との質問に「永遠に無理」が35%、「20年後」「50年後」が合わせて44%だった。それは技術的な問題ではなく、3本の映画に共通する普遍的価値観が中国では表現できないため、とネット投稿者は指摘している。