今から408年前に亡くなった来島水軍の霊を弔う儀式・・・
国家指定無形文化財、第72号に指定されているシックムクッは
神霊や祖先の霊と心を通わせる独特な儀式である。
「洗う宗教的儀式」とでも表現すればいいのか?
このシッキムクッの儀式は
珍島郡・義新面・斜川里に位置する「ピキネ民俗伝授館」で行われた。
ピキネとは珍島の方言で斜川里の地名である。
現代的な建物の中に入ったのは、私も始めて・・・
なかなか広く、民俗音楽の音色に周囲の住民も集り
最後には珍島の貴星里に位置する国立南道国楽院の職員も
見学に来ていた。
本来のシッキムクッは一晩中行われる儀式であるが、
土曜民俗公演の舞台で、ほんの一部分披露してくれるのは
19の過程の中で、2つの過程を行うのが大部分である。
「コプリ」と「キルタクム」
だが今回は「ヨンドンマリ」と「イスルトルギ」もして下さった。(有難い!)
「コプリ」この世で成せなかった思いや願いを象徴する紐に
結び目を作っておき、一つ一つ解きながら恨みを晴らす内容。
コ(苦)結び目、プリ(解く)
カメラの状態が悪いのと、私の技術が悪いのとで・・
「ヨンドンマリ」と「イスルトルギ」
ゴザを広げ死者の着ていた服を広げ、ぐるぐる巻き7箇所を結んで立てる。
ゴザ人形を3つの器に入れてある(ヨモギ水・香水・清浄水)で上から下に
ほうきに水を付け人形を洗う。
「キルタクム」道清めの儀式で、この世の恨みを解き、
極楽往生できると信じ、木綿の長い布を霊を入れた箱で行き来する。
写真はございません。(写りが悪くて~~)
シッキムクッの独特な音色は
珍島にきて最初聞いた時、ユックリテンポに感情がついていかなかった。
白装束で舞台にシズシズ登場すると20分後には熟睡してしまう私だった。
あ~~韓国は四物ノリのような激しいリズムだけじゃないんだな・・・
優雅な宮廷音楽とも違う、こんな世界もあるのだな~~
珍島での生活は15年になる。
最近はようやくアゼン(カヤグムより大きい楽器)の音色に
魂が揺らぐような感覚を感じ、その味が解るようになってきた。
シッキムクッの音楽に眠気が起きないのがその証拠かな?
少しずつ珍島人になりつつある、私である。