主人のお祖父さんの弟のお墓を・・・掘る・・・
子供たちはみんなソウルに住んでいて、墓参りするのも大変だし・・・
毎年主人あてに、雑草を刈り取る費用を送金するのも
大変なんで・・・家族会議を開き、火葬にすることに決めたそうだ!
ご先祖様を大切にする民族とはいうけれど
やはり珍島はソウルから遠く、移動するのも相当な負担になるのだろう・・
土曜日は朝から気ぜわしい
以前、お墓の掃除に行って、蜂に刺されたことがあるので
ムシ刺されの塗り薬と、長袖、長ズボンは必須である。
お墓のある丘の前には、約束どうり朝7時に小型のブルドーザーが来た。
密林のような場所を進み、丘の頂上にあるキレイに整備されたお墓に到着!
この道のプロ?らしい50歳ほどの男性が、
ブルドーザーの運転手に細かく支持する。
ある程度掘ると、あとは手作業になる。
珍島で雑草を掘るときの斧を片手に、土を取り除くと、スレットが出てきた。
棺が出てくるものとばかり思っていたが、
スレットの下は、そのまま人骨であった。
(現在は棺に死体を入れて埋葬するが、
珍島はもともと棺に入れないでそのまま土葬するのが習慣だそうだ)
下から順々に足・足首・・
空の箱に韓紙(日本では和紙ですね!)をひいて一つ一つ
骨を拾い箱に入れながら「ここは・・の部分の骨」と説明してくれる。
骨盤を拾いなから、「オメ~(アラの意)骨盤が逆だよ」
どうも腑に落ちない、
死体を埋めたら、そのままそこの位置にあるはずなのに?
よく話しを聞いたら、お墓の移動は今回が3度目という、
「この人骨の埋葬は珍島邑の・・さんがしたけど・・
もうその人も亡くなったよ!」主人のお兄さんが言う。
「まったくな~~逆に骨盤を置いたら、子供は後ろから生まれるぞ!」
と冗談まじりの会話だ・・
「珍島邑の・・さんは奥さんが一番目を出産したら生後3日で死亡
二番目は出産後数時間で死くなり、巫女に伺いをたてたら
お婆さんが身動きできないでいるから、助けてほしいと言っている・・
それでお婆さんのお墓を掘ったら、尾てい骨が首の部分に
頭が上じゃなく、土にうつ伏せになっていて、直してあげた・・」
なんて笑いながら作業を続ける。
この会話でお墓を移すことが、けっこう頻繁に行われていることが知れた。
人骨を見て怖いという雰囲気じゃなくて、
笑いながら、明るく冗談を言いつつ作業をするので
最初は遠くから(アノ土の中はどうなってるの?)とこわごわしてた私だが
雰囲気に負けて、一部始終を見て(しまった)
アラ!お婆さんの頭蓋骨は、お祖父さんの頭蓋骨より
小さくて可愛いわね~~(おおスゴイ会話だわ~~~)
ここで骨を燃やそうとしたが、空気が乾燥してるので
山火事の恐れあり・・・と貯水池に場所を移し、灰にして
2時間後にお墓に戻り、木の周辺に灰を撒いて終わる。
朝7時から初めて、終わったのは午後3時!
遅い昼食を食べて親族はソウルに向かった。
本当は写真でも写したかったが?
人骨なんか写せず、灰を撒いた木を中心に親族写真を写した。
私はただ冷たいお水をお墓に配達するぐらい
たいした労働もしなかったが、
家に帰ったら
魂が抜けた人のように、グッタリ疲れてしまっていた。