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けいのへや

けいのへや

イリヤの空 UFOの夏


『イリヤの空 UFOの夏』

著:秋山瑞人
出版:電撃文庫


つい最近アニメ化もされた、秋山瑞人先生の傑作ボーイミーツガール。

夏休みの全てを裏山での「UFO探し」に費やした少年が、夏休み最後の一日、宿題を放置して忍び込んだプールで、不思議な女の子に出会う、と言うオープニング。少年の日常と少女との非日常を描きながら、物語はゆっくり急速に進んでいきます。

この作品は当時主人公と同じ中学生だった私が読んで感動した作品であります(購入当時は3巻までしかありませんでしたが)。涙あり笑いあり恐怖あり、そんなやすっちい言葉では到底語りつくせないいろいろな感動がこの作品にはあったのです。いわゆるセカイ系でありボーイ・ミーツ・ガールであり、その道の中では最高峰とも言える非常に高いシナリオ展開を持っていると断言しちゃおう(おい)。


後半(3巻の後半や4巻)は、とにかく泣けてきます。悲しくて切ないお話。主人公の無力感や勇気がひしひしと伝わってきて、本当に感動するばかりです。
それを引き立てているのが前半のお話だ、個人的にはそう思います。
ありがちな日常を生きて、少女との非日常に振り回される主人公を描いていく中で、いくつもの「同情」に出会えます。当時中学生だった私も、中学生という3年間を経験したであろう皆さんも、誰もが理解できる「中学生の心」がそこに見事に描かれているのです。ひとつひとつの表現をとってみても、独特で味のある描写はとても頭に入ってきやすいもので、気がつけば主人公の視点や感情を共有してしまう次元に到達します。大げさではありません、特に男性であれば間違いなく共感してしまいます。
そうして後半に進むことで、そこにあるあらゆるせつなさや悔しさ、喜びがそこで共有でき、泣けるのです。

また、この表現自体も非常に独特です。およそライトノベル独自の自由さが可能にしたものでしょうが、軽く複雑で、味のあるすごく綺麗な表現が目立ちます。愉快な表現も多く、特にオープニングのはまり具合は最強です。読み始めたばかりであっても、感動だの興奮だの、そういったこととは関係なく、のめりこめます。本当に心がひきつけられる文章です。

エンターテイメント性、ストーリー性、どちらをとっても私のであったライトノベルでは最高レベルの一作です。
自称プライドの高い男である私が泣けるとまで言っている作品です。
何を抜きにしてもおすすめっ。


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