慶の部屋

シンポジウムⅡ。

『高機能自閉症者の思春期青年期』 徳島大学精神医学 中山 浩助手

1.高機能自閉症者は孤独である。

多くの高機能自閉症者は、固執傾向があることや対人的配慮に関する感受性が不足しているため、
他者から交流を避けられたり、否定されたりする可能性が高い。
低年齢ではいじめやからかいの対象となり年齢が上がると無視されたり、体よくあしらわれる。
中高生年齢では、健常児からは興味関心が幼稚で、対人的には自己中心的で感情のコントロ-ルがとれない
(不満場面で泣き出したり衝動的に暴力に訴える)ように見える。
そのため本人は交流を求めているにもかかわらず、それが満たされないため、
孤独を感じ、さらに二次的に不満が感情不安定につながったり、仰うつ的になることもある。

2.高機能自閉症者は周囲から配慮される必要がある。

高機能自閉症者の集団適応上の問題に対して、本人を変えようという方向での努力は、
結果に結びつかない事が多い。親、教師、同級生に発達障害としての特徴(
生まれつきの発達のかたよりであり、その特徴がうすらぐ事はあっても消失する事は難しい事、
またその発達障害があることそのものは本人の責任ではない事)を理解し、配慮する
(大目にみてあげる)必要がある。本人の問題を少なくする努力はしてもいいが、それだけで
対応しようとすると、かえって本人にとってはさらに仰圧を感じ、不満をためる事が多い。

3.高機能自閉症者は誤解されがちである。

高機能自閉症者は、言語的コミュニケ-ション能力に乏しいため、自分の行動
(暴力や固執に基づく周囲からは意味不明な行動)を他者にうまく説明出来ない。
そのため必要以上に警戒されたり、うとまれたるしている。また高機能自閉症者の方も、
これまでの対人関係上の失敗から、対人的な緊張や警戒があり、対人関係を築く事が困難な場合がある。
時間をかけ、安定感を与えながら話を聞き、問題行動についても、まず事情を威圧的でなく
対等な立場で調べる必要がある。じっくり聞くと本人にとってはそれなりの事情があることがわかる事もある。

4.高機能自閉症者の支援者は、橋渡しの役割が重要である。

高機能自閉症者は自分の特異な点についての自覚が乏しく、摩擦の原因を自ら反省したり、
それを他者に伝えることは困難である。それでも経験の積み重ねから、社会的に迷惑行為となる
ぎりぎりのところで接点を持てる場合もあるが、全く社会との(場合によっては家族とも)
交流を絶った生活形態をとる事もある。独立している場合、家族もどのようにとらえたらよいのかわからず、
悩みながらも様子をみるしかないという状況になる。支援者としては、診断、高機能自閉症
としての特徴の強さ、社会的適応度、今後利用できる社会資源の情報提供を当事者や
家族にすることが重要である。


~まだまだ、続きはあるよぉ~



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