資生堂が日用品事業を売却へ
資生堂が、日用品事業を売却する方針を固めたとの報道がありました。
へアケアブランド「TSUBAKI」などの有名ブランドも多く含まれる事業ですが、事業売却を決断したようです。
売却先は、欧州系大手投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズで、売却額は1,000億円を上回る可能性がある、とされています。
CVCキャピタルがつくる特別目的会社(SPC)に事業を譲渡する方向で検討しているようです。
このSPCには資生堂が35%、CVCが65%を出資する方向で検討しているということで、売却後も資生堂は一部株主として関与するという形になります。
早ければ1月中に取締役会で正式決定し、3月末にもSPCが立ち上がる予定のようです。
今回の売却の対象になるのは、主に日用品を手掛ける「パーソナルケア事業」です。
この事業では、シャンプーの「TSUBAKI」や、男性用ブランド「uno」といった、資生堂を代表するブランドもあります。
特に「TSUBAKI」は2005年頃にこのブランドでシャンプーを発売した際、SMAPのCMソングを使い、大々的なPRを行ったブランドです。
まだ無名時代の武井咲さんをはじめ、多くの女性芸能人を起用して、強烈な印象を残しました。
しかしながら、新型コロナウイルスの影響でインバウンド売上がなくなり、資生堂は本業の化粧品事業で苦戦しています。
これに加え、マスクの着用で、女性の化粧品需要にも大きな変化が生じました。
資生堂の2020年12月期の連結最終損益は、300億円の赤字予想となっています。
そこで、事業の選択と集中を進め、高価格帯の化粧品事業に経営資源を集中させていくということのようです。
そのため、単価の低い日用品事業が整理の対象となった模様です。
選択と集中は経営の鉄則ですが、やはり大手企業でも新型コロナウイルスの影響で、このような事態になってしまうとは、何とも言えないものです。