ノジマが日立の家電事業を買収
家電量販大手のノジマが、日立製作所の家電事業をで買収すると発表しました。冷蔵庫や洗濯機などの事業を、約1,100億円で買収します。ノジマは、関東を中心に家電量販店を約230店舗展開しています。メーカー販売員を置かない、という独自のスタイルで支持を集め、店舗展開を進めています。この販売網を生かすために、事業の多角化を進めています。2025年1月には、ソニーが売却したパソコンメーカーの「VAIO」を買収しました。近年では、比較的価格の安いPBの家電販売に力を入れています。日立の技術を取り込むことで、商品開発力を高め、付加価値の高い商品を展開し、収益の拡大につなげたいという構想のようです。一方で日立製作所は、リーマン・ショック後の2009年3月期に7,873億円の巨額赤字を計上し、事業構造改革に着手しました。非中核事業の売却を進めてきた日立は、鉄道やITサービス、エネルギー分野に経営資源を集中する一方、日立金属、日立電線(現プロテリアル)、日立化成(現レゾナック)を売却し、選択と集中を進めてきました。かつては主力だった家電事業も、中国など海外メーカーとの価格競争で収益力が低下しています。最後に残った非中核事業として、売却を検討してきたようです。今回の買収で、ノジマは日立の国内外の家電事業を傘下に加えることになります。家電量販店としては、垂直統合を実現することで、SPA(製造小売業)としての機能も保有し、新たな発展が期待できます。ノジマの売上高は2025年3月期で8,534億円です。今回買収する日立の事業売上高は、2025年3月期で3,676億円で、売上1兆円が見えます。家電量販店業界最大手のヤマダホールディングスは、2026年3月期で売上高約1.7兆円を見込んでいます。ビックカメラも2026年8月期で、1兆円超の売上高を計画しています。ノジマはこの2社に迫る勢いとなり、差別化された事業展開は今後も支持されると思います。業界の勢力図に、変化が出てくる可能性もあるかもしれません。