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テーマ:ニュース(99861)
カテゴリ:経済・社会・企業
アサヒグループホールディングスが、傘下の老舗料亭「なだ万」を売却すると発表しました。 株式売却の完了は9月1日の見通しで、売却額は非開示としています。 売却先は、すし店などを展開するONODERA GROUP(オノデラグループ)です。 ONODERAは、すし店を中心に「銀座おのでら」ブランドの和食店を日本、アメリカ、中国で計19店舗展開しています。 なだ万は1830年の創業の老舗料亭です。 料亭などのレストランを国内で25店舗、海外で4店舗運営するほか、総菜や弁当などを扱う店も経営しています。 アサヒグループは2014年になだ万を買収していました。 料亭などのレストランとビールなどの飲料という、シナジー効果も見込まれたと思いますが、コロナ禍などで飲食店を取り巻く環境が大きく変化しました。 なだ万の売却目的については、酒類、飲料、食品事業に注力する方針、としています。 アサヒはこれまでに、レストランの「アサヒビール園」も売却しており、この売却により、アサヒは外食事業から完全撤退し、経営資源を主力の酒類や食品事業に集中させます。 食品や飲料メーカーが外食産業に進出することは、よくある話です。 シナジーもありそうですし、うまくいく場合もありますが、意外と成功している事例が少ないような印象があります。 やはり、メーカーと外食では、事業そのものの構造が違います。 川上であるメーカーと、川下である外食は、垂直統合の形になります。 ビール園などは、メーカーのブランドを活かして集客することは可能です。 しかしながら、当初描いていたような効果が発揮できていないのだと思います。 私の前の会社も、以前に外食産業に進出していましたが、だいぶ前に完全撤退しました。 外食の場合は、メニューの立案や店舗の出店、内装、クリンネスなど、メーカーからすると思いのほかコストがかかるものかもしれません。 そして、客単価や来店客数の見込みが想定と乖離し、採算が合わない状況になることがあります。 恐らく、なだ万ほどの外食であれば知名度がありますので、同業のオノデラが経営するのが良いのではないかと思います。 経営とは難しい、と実感させられるニュースです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年07月30日 18時37分24秒
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