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カテゴリ:日常
全てのスケジュールが先程終わり、生徒達は皆疲れた顔をしてそれぞれの家路についた。受験前の最後の3連休を利用して実施した慧真館初の2泊3日の合宿。月並みの言葉だが、終わってみれば本当にあっという間だった。
特に2日目は強行スケジュールだった。 朝5時45分に起床し、6時から合宿所に併設されている寺で座禅を組む。合宿所はあの石川さゆりの『天城越え』で有名な天城山のふもとに位置する。寺の中の朝の冷え込みは、予想以上に厳しかった。 寒さに震えながら住職さんについてお経を唱えたあと座禅が始まる。姿勢の悪い者や動いている者は、住職さんから警策(木の棒で肩を叩かれる)を受けるのだが、うちの生徒はみな1度はパシンとやられていた(ひどい子は2回叩かれていた)。終わった後、生徒たちは口々に痛かっただの何だのブーブー文句を言っていたが、何気に楽しそうだったし、良い経験になったのではないかと思う。 その後予定していた散歩はあまりの寒さから断念し、その代わり冷え切った体を温めるため朝風呂に入り、温まった後に朝食を頂いた。 朝食のあと8時より勉強開始。朝の8時から12時までろくに休憩も取らずに勉強した。12時から昼食を兼ねた休憩を1時間挟み、13時から19時までぶっ通しで勉強。その後、夕食を挟んで20時から22時まで勉強した。 この合宿中は、講義型の受け身の授業はほとんど行わない。どの科目もひたすら入試問題の演習を続けるのだ。 講義型の授業だと、例えボーっとしていたとしても授業は進んでいくが、この合宿のように演習型の場合、自分の手と頭で問題を1問1問解いていかないといつまでたっても終わらない。つまり、勉強時間中は常に頭をフル回転させなければいけない。 眠気で自然に閉じようとする目を擦りながらも、座り過ぎで腰を痛くしながらも、生徒たちはみな必死で鉛筆を動かし続けた。頭を働かせ続けた。講師も生徒も、余計な私語は一切せず、黙々とテキストやテストと格闘し続けた。 1日目の夜は興奮で寝付けなかった生徒も、2日目の夜はさすがに皆爆睡したらしい。 そして本日の最終日。生徒たちの体調と、朝の冷え込みを考え、さすがに3日目の座禅会は中止した(湯山はこっそり一人で参加していた!)。今日も8時から帰りのバスが来る15時まで昼食と小休憩以外は、ぶっ通しで勉強した。 最終日、肉体的にも精神的にもかなりの疲労を感じているはずだが、誰一人だらける者はいない。脱走する者もいない。ぼーっとしている者もいない。皆相変わらず淡々と、耽々と、鉛筆と頭を最後の1分1秒まで動かし続けた。 そんな生徒たちの随分と成長した姿を見ながら、「この仕事をやってて良かった」と心底感じた。 この合宿では、開会式や閉会式などといったありがちな儀式は一切行わなかった。イベント感を出したくなかったからだ。この合宿はイベントでも何でもなく、受験勉強の日常そのものだと捉えて欲しいのだ。特別なことをやったのではなく、受験生なら普通の3日間を過ごしたのだ。だから、最初から勉強から始まり、最後も勉強で終わった。 生徒たちも私たち講師も、とにかく一生懸命だった3日間だった。とにかく濃い3日間だった。 しかしまだ受験は終わらない。満足感に浸るのは時期尚早だ。 この合宿でかけることのできた最高のラストスパートを、受験日まで維持しなければいけない。女将さんも言ってくれたように、最高の春を迎えるために。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jan 12, 2009 07:41:29 PM
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