コトノハ~慧真館~

2012/01/21(土)23:15

本当に教えなければいけないこと

塾長の教育論(271)

今日は、神奈川県公立高校の前期選抜の倍率発表の日でした。 各学校の倍率について、中3生に話をしたのはもちろんなのですが、中2生にも倍率を見ておくように話をしました。 中2生が受験する来年度は入試制度がガラッと変わります。今年のように、前期後期があるわけではありませんが、自分の志望している学校がいったいどれくらいの倍率なのかを把握しておくことは意義があると思います。 さてさて、中2生にそんな話をしていた時に思ったことについて書いてみたいと思います。 僕は、塾の先生という職業柄、生徒たちに受験の話をたくさんします。偏差値の話、高校の選び方の話、受験制度の話など、僕はいわば受験の専門家なわけですから、受験や高校の話をたくさんします。 振り返ってみると、僕が中学生の時も、通っていた塾の先生から受験や偏差値についてたくさんのことを教えられました。 でも、受験の話は本当に詳しく教えてくれても、誰もその先の話をしてくれなかった。 世の中はこんなに広いんだよ。こんなにたくさん職業があるんだよ。仕事の数だけ、楽しみや生きがいがあるんだよ。働くことってこんなに楽しんだよって、誰も教えてくれませんでした。 学校の先生からも、「夢から逆算して志望校を選択しなさい」とは教えられたものの、高校や大学の先に待っているその「夢」というのは、どんなに素晴らしい世界なのか、どんなにワクワクする世界なのか、教えてくれた人は一人もいなかった。 僕が実際に大人になってみてびっくりしたことは、世の中にはこんなに面白い職業があるのかということです。毎日冴えない顔をして働いている人ばかりではなくて、ワクワクしながら働いている魅力的な大人がたくさんいるということです。 こんな世界があるということをもっと教えてもらいたかったって、何度も何度も思いました。 中学生と毎日接していると、「やりたいことが分からない」「将来の夢がない」という子が本当に多いことが分かります。やりたいことが分からないというのは、何も悪いことじゃないと思いますが、今の中学生たちは、「やりたいことが分からない」という先に、働くことや実社会への閉塞感を感じてしまっているということが一番の問題だと思います。 受験制度を教えるより前に、世界ってこんなに広くて、こんなにたくさんのわくわくする仕事があって、その仕事によってこんなにたくさんの人の役に立てて、大人になるって本当に楽しいってことを、子どもたちに教えてやらないと、本当の意味での「進路選択」に繋がらない。 今後、その部分に一石を投じていきたいなと考えています。

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