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自然素材“珪藻土”を自分で塗ってみました!

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全7件 (7件中 1-7件目)

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湿気(結露)と仲良く暮らす

2006/01/17
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「北海道の家づくりマガジンリプラン」VOL. 69 掲載


増大する家庭のCO2排出量

 地球温暖化防止のための京都議定書は、日本の温室効果ガス
(CO2)の排出量について、目標達成期間(08~12年)の平均値
で、90年比で6%削減することを義務付けています。ところが、03
年度の排出量は逆に、90年よりも8%増えています。
 図1の部門別排出量を見ますと、特に家庭の排出量が年々増
え、03年度は90年比の28.9%も増大しています。目標達成が危
惧される深刻な事態です。
家庭のCO2排出量の詳細な内訳は分かりませんが、建設から最
終処分までの「住宅一生」の排出量と家庭生活に伴う排出量に
大別できると思います。図2は、建築関連のCO2排出量の内訳
です。
 住宅は建設からメンテナンスを経て解体されます。それから
、材料別に分離・分別され、リサイクルあるいは最終処分され
て、その一生を終え、建て替えられます。解体と最終処分に伴
うCO2排出量を図2からうかがい知ることはできませんが、石
油化学物質を複合した材料やさまざまな家電製品を組み込んだ
住宅ほど、解体と最終処分に多大なエネルギーを必要とし、環
境負荷が大きくなります。
 家庭生活に伴って排出されるCO2は、暖房、冷房、給湯、家
電、照明、ガスなどに分けられます。その詳細な内訳と推移は
ともかく、昨年度の北海道電力の販売電力量は前年同期比の2.2%
増で、家庭用も1.3%増となっています。
 ここ数年、住宅の建築戸数は減少していますから、建設と解
体に伴うCO2排出量も減少していると思われます。そうします
と、家庭のCO2排出量が増大する最大の要因は、家庭生活にお
けるエネルギー消費にあり、年々増える家電製品にあるとする
のが自然です。これでは、高気密・高断熱で冷暖房の灯油消費
量が減っても、何もなりません。
 現在のような石油化学物質と電力に依存した住建築では、家
庭におけるCO2排出量の削減と建築廃材による地球環境負荷低
減はできません。自然素材と自然エネルギーをベースにした住
建築が求められる所以です。

水は大切な自然エネルギー

 住まいと暮らしに応用する自然エネルギーは、太陽熱と太陽
光、風力、水とその潜熱、地熱、バイオマスなどで、利用の仕
方はさまざまです。エネルギー転換して電力として利用できる
のは、水力、風力、太陽光、バイオマスですが、北海道は風力
資源が最も豊かな地域だと言われています。
 また、再生可能な唯一の燃料は薪や炭ですが、現在の高気密
住宅では給排気計画を慎重に考えなければ一酸化炭素中毒の危
険性があり、特に主暖房としては適していないと思います。
 別の機会にご紹介したいと思いますが、私のセラミック住宅
では、一部地中熱を利用しています。深さ2メートル余りの地
中で熱交換した外気を床下に導入し、暖炉の燃焼空気にしてい
るだけですが、それでも床下温度は10℃以下になりません。た
だ、地中熱は地下水が熱源になっていますから、厳密には水エ
ネルギーの利用です。水は最も蓄熱容量の大きい物質であり、
毛細管現象で自由に移動しますから、地中では
熱媒体でもあります。
 さらに水には、液体、気体、固体の3つの状態があり、それ
ぞれの性質と潜熱が違います。近代文明は、この水の性質を利
用した技術、蒸気機関の発明から生まれたといっても過言では
ありません。
 ところが、建築の世界では水は悪者、邪魔者扱いです。水と
対決し、排除するような技術思想からは、水の性質とエネルギ
ーを利用する新たな建築技術は生まれません。水と共生する建
築を可能とするのみならず、自然素材と自然エネルギーの活用
を促進し、「住宅系」の地球環境負荷を低減するのが調湿材の
その応用なのです。


「リプラン」は札促社より発行されている地域住宅雑誌です。
(3月25日・6月25日・9月25日・12月20日発売)
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Last updated  2006/01/17 12:14:45 PM


2006/01/12
「北海道の家づくりマガジンリプラン」VOL. 68 掲載


心地よい体感温度と内装材

 住まいにあっては、人の体と室内環境を構成する物体(空気
、壁、天井、床、窓、建具、家具など)の間で、熱は常に移動
しており、これを熱伝達といいます。熱伝達のメカニズムは熱
伝導、放射(輻射)、対流およびこれらの組み合わせですが、
人にとって最も快適なのは放射による伝熱だとされています。
そして、室内で人が肌で感じる体感温度は、気温と主として壁
面温度に依存します。
 こうしたことから、心地よい体感温度が得られる住空間を創
出するためには、壁面の温度とその材質が大切な要素となりま
す。たとえば、壁面が20℃あれば気温が17℃でも心地よく感じ
るとされています。
 ビニールクロスの壁を高機能調湿性内装仕上材でリフォーム
した方は、一様にたいへん快適になったと言います。それは空
気質が良くなったばかりでなく、心地よい体感温度が得られる
ようになったからです。
 ちなみに本誌65号のこの欄でご紹介したセラミック住宅は、
真冬時の室温が20~21℃でも十分快適に暮らせます。それは大
気と壁面の温度差が3℃前後と小さく、内装材として使用した
高機能調湿タイルの熱放射特性が優れているからです。
 
生活蒸気は有効に
 
 住まいでは、人の生命活動並びに炊事、洗濯、風呂など、生
活の営みによって水蒸気(生活蒸気)が発生します。一人の人
間が皮膚や口から水蒸気の形で放出する水分量は、一日に1~1.5
リットルにもなるといわれています。炊事の際の煮炊きや風呂
を使うときには、短期間に大量の水蒸気が発生します。
 グラフ1は、前述のセラミック住宅で測定した外気、居間、
壁内の絶対湿度(各月平均値)の1年間の推移です。このグラ
フから、冬期は当然ながら夏期でも、外気に比べて居間や壁内
の絶対湿度のほうが大きいことがわかります。それは、外気の
絶対湿度に生活蒸気がプラスされるからです。
 このセラミック住宅のように、高機能調湿材を内装材として
使用した住宅では、生活蒸気は調湿材に吸収され、水蒸気が持
つエネルギーは壁に蓄熱され、壁面温度が上がります。この効
果によって、ビニールクロスの住宅よりも低温暖房で快適な温
熱環境が得られるわけです。
 表1は、同じ年の壁内の月別相対湿度です。絶対湿度は外気
より大きいにもかかわらず、年間最高値は80.3%であり、1年
を通して湿害の心配のない良好な湿度環境が形成されています
。このことは、建物の許容吸湿量を大きくすれば湿気を排除し
なくても湿害が防止できるばかりでなく、生活蒸気のエネルギ
ーも有効に利用できることを示しています。

逆立ちする目的と手段

 今年は地球環境元年です。地球温暖化防止のための京都議定
書が、去る2月16日に発効しました。建築界においても建築か
ら最終処分まで、「建築一生」の環境負荷をいかに低減するか
がいよいよ問われることになります。具体的には石油の消費量
を減らし、地球温暖化と環境破壊を招くC02、フロンガス、VOC
(揮発性化学物質)、CCA(クロム、銅、ヒ素で防腐、防虫剤
として木材に含浸)などをいかに削減、あるいは無くすかです。
 
そのためには、建築界自らが制定した「地球環境・建築憲章
」の主旨に沿った建築を実効性のあるものにすることです。し
かし、現実は石油と石油化学に依存したままであり、地球環境
にやさしい建築に向かっているとはいえません。
 このように理念と現実の肉離れ、矛盾の最大の要因は対決型
の湿気対策にあり、それを金科玉条にしているところにありま
す。湿気対策の一手段であった建物の高気密化は、今や目的化
し、その機密性を競い合うまでにエスカレートしています。目
的と手段の逆立ちです。
 調湿材を応用した自然共生型の湿気対策は、脱石油化学、ノ
ンCCAの建築、自然素材で長持ちする住まいを可能とします。
また、前項で触れましたように、未利用エネルギーの一つであ
る生活蒸気など、湿気とそのエネルギーも上手に利用すること
ができます。


「リプラン」は札促社より発行されている地域住宅雑誌です。
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Last updated  2006/01/17 12:13:37 PM
2006/01/10
「北海道の家づくりマガジンリプラン」VOL. 67 掲載


北海道の女性は色白だけどシワが多い

 これは、平成15年の10月16日付北海道新聞に掲載された、女
性の肌に関する記事の見出しです。ポーラ化粧品本舗の調査結
果を紹介したものですが。北海道女性の肌は色白だけどシワが
多いのが特徴で、それは湿度が低く、乾燥していることによる
とコメントしています。
 欧米の女性と比べ、日本の女性の肌はいつまでも若々しく美
しいと言われていますが、それは湿気が多い気候と関係してい
ます。非常に乾燥した状態を過乾燥と言いますが、過乾燥は肌
をカサカサにし、シワの原因となります。
 しかし、北海道の気候がとりわけ乾燥しているわけではあり
ません。グラフ1のクライモグラフからわかりますように、札
幌の湿度は東京よりも高いのです。東京と比べ、夏の札幌はさ
わやかですが、それは気温が低く、不快指数が小さいためです

 肌があれるほど過乾燥となるのは屋内です。亜寒帯気候の北
海道は一年の半分が冬で、その期間は外気の絶対湿度が小さい
ため、屋内は換気すればするほど過乾燥状態になります。表1
は、江別市の自宅ベランダ下で測定した冬期間の月別平均絶対
湿度と各々に対応する20℃および25℃の相対湿度です。この表
から、換気すればするほど、そして気温が高いほど室内は相対
湿度が下がり、過乾燥になることがわかります。

住まいの湿度と人の健康

 住まいの過乾燥は肌に良くないばかりでなく、インフルエン
ザやアトピー性皮膚炎を招きます。最近では、人の血液濃度を
高め、動脈硬化を誘発するということも指摘されています。
 住まいの湿気と人の健康の因果関係について、これまではカ
ビ、ダニとアレルギー症との関係など、主として過剰な湿気に
よる弊害が問題とされてきましたが、過乾燥による弊害も同時
進行しているのです。このことは、現在の高気密・高断熱・強
制換気建築の限界と矛盾を示しています。この手法の限界と矛
盾の根源は、その考え方、技術思想にあり、人の生命活動と健
康にとって大切な湿気を邪魔者扱いし、これと対決し、排除し
ようとするところにあります。
 この手法によって湿気の過不足による弊害を同時に解決する
ためには、超密閉にして温湿度をコントロールする恒温恒湿槽
のような家にしなければなりません。しかし、こうした過剰な
設備投資とランニングコストがかさむ建築が、本来の目的であ
る省エネ建築と呼べるでしょうか。また、建物は第三の皮膚と
も言われますが、全く呼吸をしない家で、安心して健康な暮ら
しができるでしょうか。

顕在化する夏型結露とその根本的な対策

 ところで、高気密・高断熱・強制換気住宅は、湿気対策で本
質的な矛盾を抱えながらも全国に広がっています。そして、当
然ながら、高温多湿の気候では夏型結露という新たな弊害を顕
在化しています。それは、強制換気による過乾燥と表裏一体の
関係で、夏は外気の絶対湿度が高く、室内は冷房で冷やされま
すから、換気すればするほど壁面や壁内で結露する現象です。
気温が高い状態で発生する夏型結露はカビや腐朽菌の繁殖に好
都合であるため、これまで以上の住宅の腐朽・劣化と短命化が
危惧されます。
 湿気の過不足による弊害を同時に解決するためには、対決型
でなく、自然共生型の手法しかありません。それが高機能調湿
材を応用した湿害防止の技術です。日本古来の土と木の家のよ
うに、建物の許容吸湿量を大きくするという考えに基づいた「
温故知新」の技術です。


「リプラン」は札促社より発行されている地域住宅雑誌です。
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Last updated  2006/01/17 12:12:04 PM
2006/01/09
「北海道の家づくりマガジンリプラン」VOL. 66 掲載


病める床下とその原因

 住まいを長持ちさせるためには、床下など目に見えないとこ
ろの湿気対策が大切です。現在の一般的な床下は閉鎖型であり
、その多くは湿気でじめじめしています。高湿度でカビや腐朽
菌が繁殖している「病める床下」は住宅を腐朽劣化させるばか
りでなく、住む人の健康も損ねます。人と住まいの健康にとっ
て床下は極めて重要ですが、建築現場を見ますとあまりにも無
頓着です。住む人の目にあまり触れない場所だからないがしろ
にされるのだと思います。
 「病める床下」の原因となる湿気の源は、主として床下地面
から発生する水蒸気と換気による水蒸気です。外気に含まれる
水蒸気量(絶対湿度)は季節変動しますが、冬から夏に向かっ
てだんだん多くなるのが日本の気候の特徴で、亜寒帯気候の北
海道も例外ではありません。江別市の自宅で測定した一例をグ
ラフ1に示しましたが、8月は1月の実に7倍です。床下は換気
口と躯体を通して外気と換気しますから、床下の水蒸気量は外
気と同様に冬から夏に向かってだんだん増加します。一方、床
下気温と外気温の関係は、冬は床下が高く、逆に夏は低くなり
、特に真夏日の日中の床下は外気よりもかなり低温です。
 以上のような気候の特徴、および床下気温と外気温の関係、
さらには床下地面から発生する水蒸気と基礎コンクリートの余
剰水分などを鑑みますと、床下は想像以上に高湿度状態になっ
ています。これが、「病める床下」の原因です。

調湿材で健康な床下を

 「病める床下」の予防またはそれを解消する最も簡便で確実
な対策は、床下に調湿材を使用する方法です。
 グラフ2は前述の自宅で測定した昨年の外気と床下のクライ
モグラフです。この床下は通常の布基礎からなり、高さ450ミ
リです。今年の12月で築9年になりますが、新築時に床下地面
に防水シートを敷き、その上に粒状の調湿セラミックスをばら
撒き方式で敷き詰めています。
 このクライモグラフから分かりますように、床下気候は外気
と比べて温湿度の変動幅が非常に小さく、特に湿度は、一年を
通して70%台です。それは、調湿材が一年を通して機能し、高
温多湿の夏には吸湿し、低湿度の冬には放湿して湿度変動を抑
制するからです。
 このように、調湿材を使用するだけで床下の湿度環境を良好
に保ち、床下の健康を維持することができます。空調設備を必
要としない自然共生型の湿気対策です。メンテナンスフリーの
空調ですから、最もエコロジカルな湿害防止技術です。

床下調湿材の選び方・使い方

 床下用調湿材には、珪藻土、棒状または粉粒状木炭、セピオ
ライト、ゼオライト、シリカゲル、珪藻土で作製した粒状のセ
ラミックスなどがあります。そして施工する形態としては、不
撚布などで包装したタイプとばら撒きタイプがあります。
 しかし、その使い方や実際の効果がよくわからないものが多
いのが現状です。それは、床下の作り方と高湿度とする湿気の
源、調湿材の特性と適切な使い方、床下に応じた施工法、調湿
材を施工した場合の床下の管理法などが、研究されないまま商
品化されているからです。
 たとえば、同じ木炭であっても棒状と粉粒状では調湿機能は2
倍以上異なります。また、包装したまま施工するタイプは、調
湿材そのものの機能が十分発揮されず、期待した効果が得られ
ない場合もあります。
 したがって、床下調湿材は、その使い方と効果などが十分研
究されているものを選び、適切に施工することが肝要です。

「リプラン」は札促社より発行されている地域住宅雑誌です。
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Last updated  2006/01/17 12:10:37 PM
2006/01/08
「北海道の家づくりマガジンリプラン」VOL. 65 掲載


調湿材の効果を実証するために

 住まいづくりで最も大切なことは、住む人と住まいそのもの
の健康です。健康な長寿命住宅の必須条件は、住まいの各場所
の湿気対策です。目に見える所も見えない所も、カビやダニが
発生したり、腐朽菌が繁殖しないようにしなければなりません
。そして、メンテナンスフリーの湿気対策のために開発したの
が調湿材です。
 高機能珪藻土を発見し、それを利用したセラミックスや左官
材料など、各種調湿材の開発を手掛けてからおよそ15年になり
ます。開発当初は、調湿材の機能そのものが検証もされずに否
定されることもあり、建築界からはほとんど見向きもされませ
んでした。
 そこで、調湿材を応用した自宅を建て、調湿材による湿気対
策とその効果を検証することにしました。奇しくも阪神大震災
のあった1995年でした。

調湿材を応用したセラミック住宅

 セラミック住宅は、レンガやコンクリートブロック造と同じ
組積造ですが、一つ一つのパーツはセラミックブロックと呼ば
れ、赤レンガと同じやきものです。従来工法は、セラミックブ
ロックの室内側に断熱材を施工し、防湿シートで高気密化しま
す。そして、強制換気システムで換気するのが一般的です。
 調湿材を応用した新たなセラミック住宅の工法と考え方は、
以下のとおりです。建物外周の壁は、すべて通気性のある材料
で構成した呼吸する壁とし、室内空気はこの壁を通して外気と
自然に換気します(図1参照)。室内側の調湿材は、生活蒸気
を吸放湿して表面結露と過乾燥を防止する役目をし、セラミッ
クブロックの空胴部に充てんした調湿材が、防水と内部結露を
防ぐ役目をします。また、床下地面に調湿材を施工し、床下環
境にも配慮しています。
 建物外周以外の壁に調湿材を施工した場所は、台所、浴室、
トイレです。それは、台所の油汚れ防止、浴室の防露、防カビ
、保温およびトイレの脱臭などの効果を検証するためです。

調湿材の家に住んで

 この調湿材を応用したセラミック住宅に住んで9年近く経ち
ます。
 住まい方は、入居当初は7名、現在は4名の家族で、日中も家
を空けることがほとんどない生活です。換気は壁による自然換
気で、特に冬期間は、各部屋の換気口を閉じ、台所、居間、浴
室、トイレの換気扇も一切使用しません。たとえば、浴室は換
気扇を回さないまま使用し、使用後にドアを開けて室内と換気
します。洗濯物は、一年を通してほとんど2階で乾燥します。
一般の家庭に比べて、生活蒸気の発生量が非常に多い住まい方
だと思います。
 このような住まい方をしながら、居間、壁内、床下などの温
湿度の測定、あるいは体感と目視によって調湿材の役割と効果
を検証しています。一例として、入居した翌年(1996年)の壁
内の温湿度をクライモグラフで示しました(図2参照)が、壁
内の湿度環境も良好で、冬期であっても内部結露の恐れが全く
ない状態を維持します。
 また、窓ガラスの結露もなく、浴室のカビが抑制され、冬は
もちろん、梅雨のような時でも洗濯物は翌朝までに室内で乾燥
します。
 調湿以外の効果も予期した以上で、台所の壁は油汚れでべた
付かず、トイレ臭やペット臭も気にならない程度です。
 次回は「調湿材の使い方パート2」を予定しています。


「リプラン」は札促社より発行されている地域住宅雑誌です。
(3月25日・6月25日・9月25日・12月20日発売)
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Last updated  2006/01/17 12:08:03 PM
2005/12/31
「北海道の家づくりマガジンリプラン」VOL. 64 掲載


自然共生型の湿気対策

 湿気と仲良く暮らす自然共生型の湿気対策とは、壁や天井に
調湿材を使用する方法です。調湿材には湿気を吸い取ったり吐
いたりする吸放湿機能があり、室内の相対湿度の変動を抑制し
、一定にしようとする働きがあります。それは、材料の自律的
機能であり、半永久的です。
 たとえば、住まいの台所や浴室からは一時的に大量の湿気が
発生します。対決型は、これを強制換気で屋外に排気し、過乾
燥になれば加湿器を使います。自然共生型は、壁や天井の調湿
材がこれを吸湿、ストックし、空気が乾いてくればこれを放湿
して過乾燥を防ぎます。
 このように、自然共生型は最も簡単な湿気対策で、言ってみ
れば、設備とランニングコストをかけないメンテナンスフリー
の空調です。また、湿害の原因となる生活蒸気の潜熱が調湿材
に蓄積されることから、室温と壁温の差が小さくなり、温度環
境の快適性を高める効果もあります。

調湿ってそういうこと

 こうした調湿材の自律的吸放湿機能のメカニズムについては
、理論的に解明されているわけではありませんが、その根拠は
細孔の働き、メソポアの力です。
 細孔はその太さ、直径によって、ミクロポア、メソポア、マ
クロポアの3つに分けられます。調湿材の自律的吸放湿機能は
、下段の模式図に明示しましたように、メソポア領域の細孔が
持つ特有の機能です。メソポアよりも大きいマクロポアには吸
湿する力そのものがなく、それよりも小さいミクロポアは、一
方的に吸湿するだけで自律的に放湿しません。
 たとえば、スポンジや軽石は典型的なマクロポアの多孔質材
料です。これらは、液体の水を吸う吸水力に優れていますが、
気体の水である水蒸気(湿気)を吸う吸湿力はありません。ま
た、乾燥剤として知られているシリカゲルは、ミクロポアを代
表する多孔質材料です。これは、湿気があれば吸湿する一方で
、自律的に放湿しません。したがって、限界まで吸湿したシリ
カゲルを元の状態に戻すためには、100℃以上の温度で強制的
に乾燥しなければなりません。
 なお、専門ではありませんのでよくわかりませんが、木の調
湿機能は細孔によるものではなく、セルロースの機能だとされ
ています。

珪藻土建材の調湿性

 いま最も注目されている建材の一つに、珪藻土単独、または
、それをブレンドして作る珪藻土建材があります。しかし、珪
藻土建材のすべてに、優れた調湿性が備わっているわけではあ
りません。
 珪藻土は、日本全国に分布する多孔質鉱物ですが、細孔の特
徴からマクロポア珪藻土とメソポア珪藻土に大別できます。前
述の細孔の大きさと調湿機能との関係からわかりますように、
メソポア珪藻土はマクロポア珪藻土に比し、卓越した調湿機能
を有しています。
 したがって、調湿機能に優れた珪藻土建材を作るためには、
メソポア珪藻土をできるだけ多く使用します。それと合わせて
大切な技術的ポイントは、樹脂やセメントで固めたり、1000℃
以上の高温焼成によって、メソポアの機能を阻害あるいは消失
しないことです。
 珪藻土建材といっても多種多様です。中には単なる珪藻土入
り建材もあります。目的に適った珪藻土建材を選ぶためには、
こうしたある程度の基礎知識が必要です。
 次号は、「調湿材の使い方」をテーマにする予定です。


「リプラン」は札促社より発行されている地域住宅雑誌です。
(3月25日・6月25日・9月25日・12月20日発売)
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Last updated  2006/01/17 12:06:32 PM
2005/12/30
「北海道の家づくりマガジンリプラン」VOL. 63 掲載


持続可能な社会と建築

 20世紀は、繁栄の陰で資源・エネルギーを浪費し、深刻な環
境破壊を招いた世紀でもあったと思います。
 21世紀の私たちにとって最も重要な課題は明らかです。持続
可能な社会の実現を目指して、地球環境をキーワードとする新
たな生活・文化・産業経済を、利害や立場の違いを超えて構築
することです。
 建築の地球環境問題への係わりは、不法投棄される建築廃材
の問題もあって、とりわけ深刻です。このようなことが背景と
なって、日本建築学会などの関係5団体は「地球環境・建築憲
章」を制定(2000年6月1日)し、持続可能な循環型社会の実現
に向かって、互いに連携して取り組むことを宣言しています。
この憲章が謳っている目標とする建築のキーワードは、1・長寿
命 2・自然共生 3・省エネルギー 4・省資源・循環 5・継承で
す。

建築の寿命と環境負荷

 「長寿命」が第一のキーワードになっていることは当然です
。現在の日本の建築の多くは25年~30年で建て替えられ、欧米
と比べ極めて短命です。このことが、地球温暖化の原因となるCO2
排出量の増大、森林破壊、建築廃材の大量発生など、環境問題
の最も大きな要因になっています。
 このことの重大性と付言しますと、たとえ今建てられている
建築から長寿命化を図ることができたとしても、これまでの短
命建築の建て替えによる環境負荷は、今と同じレベルで、25年
~30年間続くということです。環境負荷を軽減するためには、
建築の長寿命化が最も急がれて然るべきなのです。

長寿命建築と湿気対策

 長寿命建築を実現するために、最も重要な技術的課題は、湿
気対策、すなわち湿害防止です。適度の湿気がなければ人の生
命と健康は維持できませんが、過剰の湿気は建物を傷め、その
寿命を縮めます。
 湿気対策の手法を大きく分ければ、対決型と自然共生型の2
つです。現在の主流は、強制換気などで湿気を建物から排除し
ようとする対決型です。しかし、その有効性を示す実証データ
がほとんどなく、長寿命を保証する科学的根拠はありません。
 対決型ではなく、湿気と上手に付き合いながら、人と住まい
の健康を維持する自然共生型の湿気対策は可能です。日本の伝
統的な土と木の建築に、その鍵があります。
 高機能調湿材を応用した「温故知新」の湿気対策、湿気と仲
良く暮らす建築技術について、逐次ご紹介します。
 次号は「珪藻土と調湿材」をテーマにした内容を予定してい
ます。
 

「リプラン」は札促社より発行されている地域住宅雑誌です。
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