テーマ:今日聴いた音楽(75396)
カテゴリ:Books
昔の知り合いからRobert B Parkerが死んだことを伝えられた。
スペンサーシリーズで有名な米国人作家で、大学時代に同じゼミの友人から紹介されたのが始まりで、その影響もあってか卒業前にはBostonに一週間ほど行ったことがある。 酒とタバコの印象があるそれまでのハードバイルド系の探偵とは随分様子が異なり、元ボクサーでジムにも頻繁に通いながら、読書と料理が好きでセラピストの彼女がいる、という設定に単純に憧れていた。就職面接の履歴書の趣味の欄に料理と書いたのもその影響だったのかもしれない。 特に「初秋」で離婚で心が病んだ男の子を山に連れ出し自主性を持つ大人に育てていくというストーリーが印象にある。米国に行った際にTVシリーズがあるのを見て驚いたが、ちょっとイメージが違ったように思う(ホークはイメージ通りだったが)。昨年はRaymond Chandlerの" Farewell, My Lovely"を原書で読んだので、今年はRober B Parkerを読んでみようと思う。 もう一つは音楽ネタで。ご覧になった方も多いと思うが、荒井由美の名作「ひこうき雲」を本人、当時の録音メンバーであるキャラメルママのメンバー、プロデューサー、エンジニアがマスターテープを聴きながら振り返るというTV番組が先日放映された。 マスターテープなのでトラック毎に個別に聴くことができるため、各人が思い思いに「ボーカルを抜いてみて」等の注文をつけて当時の自分の演奏を振り返る。荒井由美は当時、音程が安定せずボーカルの特訓を受け、オペラの先生にまで習いに行き、それが彼女の特徴と言われるノンビブラートにつながったと言う。結局すべてのボーカルにOKが出るまで丸一年かかったそうだ。 細野氏が「英国っぽい音」だとしきりに行っていたが、アルバムはまさに米国音楽一辺倒のキャラメルママと英国音楽ぞっこんの荒井由美の緊張と融合が生んだのだと言う説明がこのアルバムのすべてを語っていると思う。 最後に彼女が一番好きな曲として挙げた「雨の街」をどうも彼女は何度も上手く歌えなかったらしい。最後の録音だと思って挑んだ日に、ピアノの上に牛乳瓶に指したダリアがあった。ちょうど職場結婚の最中だった現夫の松任谷氏にたまたま一週間前に公園で自分の好きな花を伝えたのを彼が覚えていてそれを置いていたらしい。それを思い出す彼女は少女の顔。まさに名曲誕生秘話と言える。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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