3、(RA)の関節外症状と薬物療法3、関節リウマチ(RA)の関節外症状RAは、免疫異常で起こる疾患ですので、関節以外の種々の臓器にも障害を呈することがあります。 強膜炎(目の充血)、末梢神経障害(手足のしびれ)、肺線維症(咳や息切れ)、 胸膜炎(胸水や胸痛)、心膜炎、腸潰瘍、皮膚潰瘍などです。 特にこうした関節外症状が前面に出てくる場合、「悪性関節リウマチ」(MRA)と呼ぶことがあります。 MRAは通常のRAにおいて血管の炎症(血管炎)が強い場合に起こり、いわばRAの特殊型といえるものです。 悪性腫瘍の「悪性」とか、生命がただちに危険に陥るという意味での「悪性」とは異なります。 関節リウマチ(RA)の薬物療法 RAの治療ですが、 症状を和らげ、日常生活をスムーズにするための治療と より根本的にRAの進行をくい止めるための治療と、 2つに大別されます。 症状を和らげるというのは、RAとしての炎症、つまり疼痛や腫脹を軽減・軽快させることです。 進行をくい止めるというのは、RAの原因である免疫の異常(自己免疫)を是正し、 関節の破壊や変形を阻止することです。 前者には、消炎鎮痛剤や副腎ステロイド剤(プレドニン)が含まれます。 後者は、いわゆる抗リウマチ薬と呼ばれるものです。 抗リウマチ薬に含まれるものは、金剤(シオゾール注射、リドーラ内服薬)、メタルカプターゼ、 リマチル、アザルフィジン、オークル(モーバー)、リウマトレックスなどです。 この中で、現在RAの治療薬として中心となるものはリウマトレックスです。 効果発現が早く、抗リウマチ効果も確実です。 さらに、最近アラバとかレミケードといった新しい抗リウマチ薬が登場してきました。 いずれも高い効果が期待できる薬です。 さらに、04年後半から05年にかけて有効性の高い新薬がいくつか登場します。 このように、治療薬剤の近年の進歩はめざましく、また、 どういう時期にどういう薬剤を使用したらもっとも効果的かという「治療の戦略」も確実に進歩しており、 RAの治療の未来ははっきり明るいと言えます。 薬物治療は長期に渡ることが一般的ですが、薬剤の量や種類の変更は病気の状態に応じて適宜行われます。 薬剤の効果、また、副作用の早期発見と適切な対処という点からも 定期的な尿、血液、レントゲンといった検査が極めて大切です。 (ここに登場する薬剤名はすべて商品名です) |