猫の毛色(その3) 色の濃さ
これまで猫の毛色はオレンジと黒の色素の組合わせで決まると書いてきました。しかし実際に猫の毛色をよく観察してみると、オレンジや黒だけでなく青っぽい色や薄い茶色などがあります。これは色素の濃度を決定する遺伝子による効果です。この遺伝子はD(Dense; 濃度)遺伝子と呼び、DD、Ddの場合は濃度が濃くなり、劣性遺伝子のみの組合わせddの場合に濃度が薄くなります。このddという遺伝子型による効果をダイリュート(dilute; 希釈する)と呼びます。ここでB遺伝子、O遺伝子、D遺伝子の組合わせによる毛色について表にまとめてみます。(色具合いは56nyan.comのこちらのページを参考にさせていただきました)D遺伝子D -d dB遺伝子B -黒青b bチョコレートライラック(薄紫)bl blシナモンフォーン(淡黄褐色)O遺伝子O(O)オレンジクリーム遺伝子型としてマイナス表記しているものは、その位置にどんな遺伝子がきても構わないことを意味します。たとえば「B-」はBB、Bb、Bblのいずれの組み合わせでも効果が同じであるということを表します。若干の色の濃淡はありますが、上記の8色に白を加えた全9色が猫の毛色のすべてです。前回、オレンジと黒と白の三毛猫をトーティと呼ぶと言いました。実はトーティには色の組合わせにより全部で6種類あります。 トーティ (オレンジ + 黒 + 白) ブルートーティ (クリーム + 青 + 白)(トーティのダイリュート) チョコレートトーティ (オレンジ + チョコレート + 白) ライラッククリームトーティ (クリーム + ライラック + 白)(チョコレートトーティのダイリュート) シナモントーティ (オレンジ + シナモン + 白) フォーンクリームトーティ (クリーム + フォーン + 白)(シナモントーティのダイリュート)単に三毛猫といってもいろいろな色のものがいるのですね。さて次回はこれまで説明していなかった残りの色・白猫について述べます。ブルークリームトーティ(?)とブルー(一部白+縞模様)(画像は写真素材サイトellyより利用させていただきました)