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最近、仕事で江戸川橋の取次各社に行くことが増えたのだが
気がつくと、この辺りをウロウロして早20年目なのである。 もともとは中学生の頃、親父の転勤で江戸川橋の社宅に引っ越したのが始まり、学生時代もバイトが神楽坂だったので、 下宿は小石川だったけど、通り道だった。 前の会社のときもお得意さまの博物館のある大手印刷会社様と もう一つの榎町の業界最大手さまのどちらかに毎日通ってた。 どーも、何かと江戸川橋には縁がある。 この前も駅の側の写真屋のおっさんとふと目が合って、 会釈したんだけど、話こそしなかったが なんか、懐かしい顔されてしまった。 親父が転勤族だったこともあって、 オレには故郷は無いと思っていたのだが 最近、オレの故郷って、もしかしたら江戸川橋なんだろうか、 という気がしてきた。 というのは、あの「臭い」なのである。 「匂い」ではない。「臭い」なのである。 新しい本の臭いと言うか、あのインク臭嗅ぐたびに 何だか懐かしいのと気恥ずかしいのがごっちゃになった 切ない気分になる。 江戸川橋って、大中小の印刷会社やら、取次やら 出版・印刷にかかわるあらゆる会社があるんだけど、 あの汗とインクの混ざった「臭い」 +新目白通りの排ガスがブレンドされると、まさしくあの街の臭いなんだよな。 やっぱり、故郷って、空気の匂いだと思う。 にしても、オレの場合、体には思いっきり悪い「臭い」なのは確かだが。 何はともあれ、23区内であれほど色気の無い街も無い。 汗臭い、インク臭い、排ガス充満、いつも渋滞。 ついでに夏の神田川のくっせーこと、くっせーこと。 しかし、そんなあんまり良いとは言えない環境の中で、 黙々と汗をかいて「労働」している職人のオッサンどもの背中を 子供の頃に無意識のうちに見ていたことは 今の自分の中にいい意味で生きているんだよなあ。 真面目に汗かいて仕事しているオヤジ達の背中って、 誰がなんと言おうと格好いいのだ。 汗をかく仕事、まあ、人によっては仕事じゃない作業だ、 って馬鹿にするけど、 その作業を頭使って仕事のレベルにしたからこそ 日本製品の高品質は達成できたと、オレは思う。 作業に頭を使って精度を高め、ミスを無くす。 勿論、難しい作業もあれば、簡単な単純作業もあるだろう。 しかし、どんな作業も仕事と思わず流してしまうと どんなに単純な作業だって信じられないようなミスが起こる。 日本人は汗をかく「作業」の大切さを忘れていないか、 高度成長期に世界を席巻したメード・イン・ジャパンと言う高品質を意味したブランドは 現場作業員が「作業」へ注いだ汗と愛の賜物 だったのではないだろうか。 頭だけじゃ良い物は作れない。愛と汗が足りない。 自戒も含め、最近強く思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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