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2023年11月08日
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テーマ:いじめ対策(10)
カテゴリ:ピア・サポート活動
3.準備と職場体験
子供たちは「修学旅行実行委員会」を組織しており、全員がこのいずれかの委員会に属して、修学旅行を運営しました。 1)実行委員長 2)名刺作成委員 3)体験先連絡委員 4)宿泊マナー委員 5)テーブルマナー委員 6)しおり作成委員 7)横断幕作成委員 職場体験先は以下の12事業所が引き受けてくれました。 ![]() 子どもたちは1事業所に2名程度の少人数で職場体験に参加しました。 各事業所の懇切な指導と励ましを受け、子どもたちは何物にも代えられない宝物を得ることができました。 4.修学旅行の内容 1日目(11/18) 1)出発式 2)職場体験① 3)昼食 4)職場体験② 5)ホテルでのフルコースディナー(テーブルマナー実習) ![]() 6)入浴・就寝 2日目(11/19) 1)起床・朝食 2)職場体験③ 3)記念撮影 4)浜松散策(この中でグループごとに昼食) 5)サプライズ 5.終了後のサプライズ 夕闇がせまる頃、修学旅行を終えて、子どもたちを乗せたバスが小学校の近くまで差しかかった時、バスは学校への道を外れて、三ケ日の山道を上り始めたのです。 子どもたちは、どこに連れていかれるのだろうと動揺を見せましたが、同乗している先生方は、ただにこにこと笑顔を見せるばかりでした。 バスは山の途中の、駐車できる場所まで来たところで停車しました。 そこから子供たちは徒歩で、先生方の懐中電灯の光に案内され、山道を上りました。この山道は、子どもたちが怪我をしないようにと、地元の皆さんの申し出による協力で、事前に草刈りがされていたのです。 着いたところは、小高い見晴らしのいい場所「高山」で、遠くに浜松の中心街の夜景が広がっていました。そこからは、子どもたちが昨夜フルコースの食事をし、1泊した、浜松のシンボル「アクトタワー」が、はっきりと見えたのです。 そこで、引率の山本祥先生から、次のような言葉が子どもたちに贈られました。 『みなさんが住む三ヶ日町にもこんな素敵な場所があることを知っていましたか? あのアクトタワーの中から見た浜松の中心の夜景と、今、立っている自分の地元三ヶ日町から見た夜景を見比べどんなことを感じますか? 修学旅行で体験したことは皆さんが大人になり、社会に出たときに必ず支えになってくれることと思います。皆さんと修学旅行に行けたことを先生はとても嬉しく思っています。』 この言葉と共に、忘れ得ぬ思い出として、子どもたちは「アクトタワー」と浜松の夜景を心に焼き付けたのでした。 ![]() 高山での記念撮影 6.考察 このエピソードを石田校長先生から聴かせていただいた時、私は感動で泣きそうになりました。このような体験ができる子どもたちは幸せだなーと、心から感じられたからです。 そして、このようなイベントを企画・運営することで、子どもたちに深い感動と喜びを与えている原動力は、先生方が互いに支え合い、助け合って、子どもたちを幸せにしたいという「職員室の中でのピア・サポート実践」だと気付きました。
この先生方の熱い思い(オーラ)が、子どもたちの「ピア・サポート活動」を盛り上げていると確信するに至ったのです。 (おわり)
最終更新日
2022年04月09日 00時10分05秒
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2022年04月08日
テーマ:いじめ対策(10)
カテゴリ:ピア・サポート活動
昨日の「三ケ日東小学校のピア・サポート導入レポート⑧」の中で、「職員室の中でのピア・サポート」を「なるほど!」と納得していただけるようなエピソードを、別紙で紹介する旨記しましたので、ここにUPさせていただきます。 --- 2020年度 浜松市立三ヶ日東小学校の「コロナ禍での修学旅行」 ~職員室の中でのピア・サポート活動~ 1.先生方の熱い思い 修学旅行の準備を担当する若手の先生(6年学級担任の山本祥教諭)から、職員会議で次のような発言がありまた。 ![]() 『三ケ日東小学校の児童に、「2020年という年は、コロナのせいで楽しくない1年だったね」 とは、絶対に言わせたくない。今年の修学旅行では、子どもたちの心に一生残るような、素晴らしい思い出を残してあげたい! コロナ禍の制約から、県境をまたぐ遠方に出かけることはできないが、何とか地元の静岡県内で、今までにどの学校でもやったことのない、子供たちを成長させる企画を考えたいので、皆さんのお知恵をお借りしたい』 この気迫に満ちた熱い思いが、その場にいた先生方の心に、深く沁み渡った瞬間でした。 これがきっかけとなって、様々なアイデアが湧きだしたのです。 2.出された提案 『6年生は、総合的な学習の時間に「三ヶ日のより良い未来とは」を探究してきているので、地元の良さを知る活動をさせたい。』 『ならば、子供たちに浜松の「一流」を体感させたらどうか。浜松のシンボル「アクトタワー」の中の「オークラアクトシティーホテル浜松」に泊まって、豪華な食事を食べるっていうのは? きっと子供たちにとって初めての体験になると思うから。』 『それなら子供扱いは止めて、大人用のフルコースのメニューにしては?』 『折角豪華な食事をするのなら、テーブルマナーの学びの場にしては?』 『修学旅行の根幹は「学びの集大成」です。子供たちを「大人に」成長させるような修学旅行にしたいです。』 『それはいい考えだ! 実現に向けて検討を重ねよう!』 『一泊2日の修学旅行、子供たちを「大人に」成長させる活動はどのようなものだろう。』 『単なる名所旧跡巡りでは心に残らないよね。』 『地元の事業所にお願いして、「職場体験」をさせてもらうってのは、どうかな?』 『でも、このコロナが流行している時期に、子どもたちを受け入れてくれる事業所があるかな?』 『少人数のグループを受け入れてもらえる事業所を、手分けして探してみましょう! 誠意を尽くして私たちの思いを伝えれば、協力してもらえる事業所もきっと見つかるはずよ!』 『それでは、皆で心当たりの事業所に当たってみよう!』 『修学旅行が終わって学校に帰ってきたとき、この2日間の思い出を子供たちの心に焼き付けるような、素敵なサプライズを考えているんですけど、やってもいいですか。』 『それはいい! 是非やってみよう!』 『子どもたちの心に一生残るようなイベントに、何がふさわしいか、皆で知恵を絞ろう!』 このような会話が何度となく繰り返され、準備が進められて、当日を迎えました。 (つづく)
最終更新日
2022年04月08日 16時31分57秒
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2022年04月07日
テーマ:いじめ対策(10)
カテゴリ:ピア・サポート活動
4.考察 ◆三ケ日東小学校の成功要因 【校長先生の強力なバックアップ】 ・山口権治先生の提唱するピア・サポート活動の導入を決意し、養護教諭の田口かな子先生を「ピア担当」に任命 ・クラス担任の出張などで空いた時間(隙間時間)を利用して、田口先生が「ピア・サポート研修」の実施を提案した際、これを許可して、各クラスへの浸透を促した ・先生方の新たな提案を受け入れ、「結果の責任は私が取る」と励まし続けた ・これが「職員室の中でのピア・サポート活動」の実践を促した ・同級生で親しい間柄(同じ志)の、佐藤校長から石田校長へ、「阿吽の呼吸」によるスムーズな引継ぎができた この件に関して、生みの親の佐藤匡子校長先生は、このように語っておられます 『目の前の学習指導や生徒指導を行うだけでなく、子供たちの先々(生涯)の幸せまでを考えてくれる、気持ちの熱い教員が集まっていたということでしょうね。 一人ひとりの子供の心に寄り添い、人と人とのつながりを大切にした指導を、どの教員も、日々、当たり前のように行っていたことで、子供にピア・サポートの素地が作られていたと思います。 また、全力で子供の指導をしている教員に対して、子供に向き合う時間を十分取れるよう業務の負担を減らす働き方改革を常に念頭に置き、できることから実行していきました。 少しずつではありますが、教員に心の余裕ができたのではないかと思います。 更に、先生方のチームワークがとても良く、職員室での会話が、まるで家族の会話のようでした。 安心して何でも声に出して言える職員室で、ベテランの教員が若い教員の思いや悩みを受け入れ、しっかりとサポートしてくれていました。 今思えば、職員室でも、自然な形でピア・サポートが行われていました。 子供たちにピア・サポートが浸透したのも、この教員の姿を子供たちが見て育っていたからではないかと思います。』 育ての親の石田直美校長先生は、謙虚に次のように語っておられます 『私は成功だとは思っていませんが、現状に至った要因は、「人」と「根拠」にあると思っています。 「こういう子供にしたい」「この子にこういう力を付けたい」という思いや、「やってみてもいいですか?」「もっといいことは?」という気概と向上心を持った「人」が集まっていること。 そして、「こういう指導法があります」「この先生の講義を聞いてきた」という知識や、「こういう調査結果です」「データーはこうです」というエビデンスで「根拠」を明確にする習慣ができてきていること。 この空気感が、本校の職員の文化になって「職員室の中でのピア・サポート活動」を支えており、更にこれが子供たちや地域に伝わり始めているのではないでしょうか。』 ※この空気感が分かる例として、2020年の「コロナ禍での修学旅行」のエピソードを別紙で紹介します 【ピア担当の田口先生の熱意と努力】 ・ピア担当として、クラスを持たない養護教諭という立場から、ピア・サポート活動の校内展開に向けての計画づくり、実施、評価を、5年間コツコツと継続し、ノウハウを積み上げてきた ・健康委員に、ピア・サポーターの称号を与え、緑のベストや黄色のTシャツを着用させて、常時活動化を推進してきた (挨拶運動、昼休みの声掛け・取材・放送での善行の紹介、ピアだよりの発行など) ・これにより、ピア・サポーターは児童のあこがれの的となり、「ピア・サポーターになりたい」という児童が増え、ピア・サポーター自身のモチベーションも高まった ・導入3年目には、ピア・サポート活動の中心を、他の先生方に譲り、写真係となってサポート役に徹することで、組織的・継続的に発展するための基盤を築いた ・これらの貴重な実践体験を、日本ピア・サポート学会主催の「ピア・サポートトレーナー養成講座」や、モラロジー道徳教育財団主催の「道徳教育研究会」で発表し、ピア・サポート活動の普及に大きく貢献した (三ケ日東小学校の認知度を高めることになった) 【先生同士のピア・サポート活動】 ・校長先生・教頭先生の強力なバックアップと、田口先生の努力で、「ピア・サポート活動で変わっていく児童の姿」を目の当たりにした先生方も、この活動を「自分事」としてとらえるようになり、活動を楽しみながら行うようになった ・山口先生からの指導を受けて、田口先生が作った「指導案」を、各部の先生方が見直し、主体的にバージョンアップを図り、進化を重ねてきた ・その結果、先生同士が職員室の中で、アイデアを出し合い、支え合う「ピア・サポート活動」を実践することになり、この空気(先生方の発するオーラ)が、児童に伝わっていった 【地域の皆さんの支援と児童の恩返し】 ・「学校運営協議会」や「学校保健委員会」を通じて、地域の人たちや保護者にも「ピア・サポート研修」に参加してもらっており、活動内容を理解し応援してくれている (コミュニティースクールとして、地域からの手厚いサポートが得られている) ①作品展示会に地域の人たちが作品を提供 ②玄関を飾る花の苗の提供 ![]() ③保護者が「三ヶ日東小学校こども見守り隊」を組織 (車にステッカーを貼って) ④ボランティアによる学科の「学習支援」「生活・総合支援」 ・子どもたちも地域の皆さんに恩返しをしている ①三ヶ日みかんのPR(浜名湖サービスエリアで) ②近隣のお年寄りへの手紙 ③地域の皆さんへの挨拶 (校長から5・6年生へ「あいさつにプラス一言を!」) 児童の「こんにちは、お仕事頑張ってください!」 ⇒ 農作業中の方から「“仕事を頑張ろう”と力が沸いてきた」とお礼の言葉 ④3年生が福島ひまわり里親プロジェクトに参加 (ひまわりを育て、種を福島へ) ⇒ 「人にやさしい活動」と認められ、小さな親切運動で表彰された ・その結果として児童の心に、人の役に立つ喜びや自己有用感が育まれている ◆編集後記 ピア・サポート活動の「生みの親」佐藤匡子校長と、「育ての親」石田直美校長が築き上げてきた輝かしい成果を、今後も継続して発展し続けていって欲しいと願うばかりです。 ピア・サポート活動に関する、より詳しい情報は下記にお問い合わせいただければ幸いです。 浜松市立三ヶ日東小学校 〒431-1402 浜松市北区三ヶ日町都築2266-2 TEL:053-526-7034 FAX:053-526-0393 ホームページ https://www.city.hamamatsu-szo.ed.jp/mikkabihigashi-e/index.html (おわり)
最終更新日
2022年04月07日 21時04分06秒
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2022年04月06日
テーマ:いじめ対策(10)
カテゴリ:ピア・サポート活動
◆導入5年目(2021年度:令和3年度) 「キャリア教育」と「ピア・サポート活動」「道徳教育」を関連させる年 1) 年間計画 【キャリア教育ガイドブックを読み込み、道徳とピア・サポート活動の関連を考える】 ・ガイドブックの中の、道徳とピア・サポート活動に関連するところにマーク付け 【キャリア教育の視点を持ったピア・サポート活動の評価、検証】 ・5年間のピア・サポート活動を検証するため、6年生対象の「全国学力学習状況調査」「児童質問用紙結果」を分析 2) 先生方の取り組み ・既存の指導案を各部の先生方が話し合って更新し、主体的に年度計画を作成した ・先生が「振り返りシート」を自主的に作り、児童に朝会の感想を書いてもらっている(ピア・サポートが自分事になった) 3) 子供たちの変化 ・児童の間でささいなトラブルはあるが、トラブルは小さいうちに解決できている (生徒指導のいじめの月例報告数の年間合計が、昨年度3件から今年度はゼロに減少) ・話すこと、聴くことの力は高まってきている 6年生対象全国学力・学習状況調査児童質問用紙結果で高得点 (後述) 3.5年間での変化 ◆先生方の意識変革と行動変容 【ピア・サポート活動が受動的から能動的に】 ・ピア・サポート活動で次第に成長していく児童を見て、ピア・サポート活動の成果を実感し、児童と一緒に楽しめるようになった ・当初山口権治先生から提供された「指導案」を、暫時に先生方がバージョンアップして進化させてきた ・先生方が互いに支え合い補い合って、児童の学校生活が楽しくなるよう、知恵を出し合い、工夫を重ねている (職員室の中でピア・サポート活動が実践されており、その「思い」が児童のピア・サポート活動の原動力になっている) ◆子どもたちの意識変革と行動変容 【健康委員のピア・サポーターが児童たちの間でカッコいい存在に】 ・緑のチョッキや黄色のTシャツを着ての声掛けや取材の姿にあこがれをもつようになった ![]() ・健康委員になりたい児童が増えた 【ピア・サポーターが主体的に新しい活動を提案】 ・ピア・サポート活動の常時活動化 ・「ピアだより」の作成(取材&発行) ・昼休みのイベントでの企画・運営 ①巨大すごろく、②全校でのピア鬼ごっこ、③ピアドッジボール、 ④歯の健康スタンプカード達成者への「かがやきカード」プレゼント、など 【5年間の活動の積み重ねが児童のコミュニケーション能力を向上】 ・6年生対象全国学力・学習状況調査児童質問用紙結果の、ピア・サポートと関連する質問で「あてはまる」「ややあてはまる」の合計が80%以上の項目 ◆自分には良いところがあると思いりますか ◆難しいことでも失敗を恐れず挑戦していますか ◆人が困っているときは進んで助けていますか ◆いじめはどんな理由があってもいけないことだと思いますか ◆学校に行くのは楽しいと思いますか ◆友達と話し合うとき友達の話や意見を最後まで聞くことができていますか ![]() (つづく)
最終更新日
2022年04月07日 21時05分10秒
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2022年04月04日
テーマ:いじめ対策(10)
カテゴリ:ピア・サポート活動
◆導入4年目(2020年度:令和2年度) ピア・サポート活動をアピールするためのアイテムを創り、学校の内外に発信する活動をした年 1) 年間計画 【ピア・サポート活動を発信する方法を児童全員と考える】 ・田口先生の声掛けで、全校児童からキャラクターを募集![]() ・これを田口先生が4つのパターンに集約 ・先生方の投票でキャラクターを「ピアゴン」に決定 ![]() 子供達に人気の滑り台「スベリゴン」をモチーフに生まれた「ピアゴン」 ・児童のアイデアで、シンボルマーク「ピアゴン」を描いた「ステッカー」「幟旗」「Tシャツ」を作成 ![]() 「ステッカー」は、児童のヘルメットに貼ってもらい、コロナの誹謗中傷をなくそうという「ピア便り」に添えて、児童の家庭にも配布、学校のブログでも紹介 ![]() 「Tシャツ」は、緑のベストに代えて、ピア・サポーターが着用 ![]() 「幟旗」は普段言葉にしにくい「周りの人に支えられていることを振り返って感謝しよう」をプリントしてアピール ![]() ・これらを使った挨拶運動を展開 2) 先生方の取り組み 先生方が授業の中で、「これもピアにつながるね」と言ってくれるようになった (授業が、ピア・サポート活動に関連付けて行われるようになった) 3) 子供たちの変化 人の役に立ちたいという児童が増えた 人付き合いの苦手な子が健康委員会に入ってくれるようになった 全校児童の意識調査結果で、「友だちと仲良くし、自分の思いを伝えている」と答えた児童は、96.9%に達した (つづく)
最終更新日
2022年04月07日 21時06分05秒
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2022年04月03日
テーマ:いじめ対策(10)
カテゴリ:ピア・サポート活動
◆導入3年目(2019年度:令和元年度) 石田直美先生が校長に就任 ![]() 田口かな子養護教諭から、クラス担任や教務主任、学活主任、特活主任などに主体的な取り組みを移すことで、ピア・サポート活動が組織的・継続的に発展するための基盤が築かれた年 (2020年1月から新型コロナウイルスが流行) 三ケ日東小学校の「ピア・サポート活動」の育ての親、石田校長先生の思い 『“教師は「渡し守」”、これが私の教育観です。子供たちが向こう岸に着いたら、新しい世界で逞しく自分の人生を切り拓いて行けるよう、鍛え、育て、力を付ける職業だと考えています。 そこで「子供ととことんかかわる」、「元気な学校 ~子供も職員も、保護者も地域も~」を、学校経営方針にしています。 この方針に沿って、子どもたちの「優しさ」と「強さ(逞しさ)」を育てたいという思いから、ピア・サポート活動を引き継ぎました。 職員には「子どもたちに良かれと思ったことは、たいがい良い事なのだから、思いっきりやりなさい。責任は私が取るから」と、伝えています。 「どの子供も自分が担任、全ての職員で全ての子供を見よう!」「報告は、全て教頭先生にしてね。私を見るのではなく、他の先生や子供をしっかり見てね!」と呼びかけています。 田口先生は、子供たちに「どの子もかけがえのない子」として接する職員で、しかも、自分の短所も含めて肯定的に受け止めておられ、今後の大きな「伸びしろ」が感じられる職員だと感じ、ピア担当を継続してもらいました。』 1) 年間計画 【ピア・サポートを意識した道徳の授業の充実】 ピア・サポート活動の時間が増えた (2カ月に1回だった朝会が、1カ月に1回になった) 2) 先生方の取り組み 朝会に先生が入って指導 (田口先生は表に出ず、写真係となってフォロー) 児童に合ったアプローチができるようになり、ピアを楽しんでいる (ピアが先生方にとって自分事になった) 3年目の最後の先生方の感想 「子供たちのコミュニケーションの向上に役に立っている」 「回を重ねるごとにスムーズに対話できるようになっている」 「朝会でのピア・サポート活動が、異学年交流の垣根を低くしている」 3) 子供たちの変化 ピア・サポーターの児童から「ピアだより」を作りたいと提案があり、ピア・サポーターの活動を通じて取材し、子どもたちの悩みを紹介するようになった ![]() 3年目の最後の児童の感想 「自分は人みしりなので、いろいろな人と話すことに、少し抵抗があったけど、 慣れてきました。沢山の人にチャレンジしてみたいと思いました」 「ピア・サポートは仲良くし、助け合うことだから、今度は、自分が助けたいと 思いました」 ![]() (つづく)
最終更新日
2022年04月07日 21時06分55秒
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2022年04月02日
テーマ:いじめ対策(10)
カテゴリ:ピア・サポート活動
◆導入2年目(2018年度:平成30年度) 田口かな子養護教諭がピア係として校内展開に奮闘した年 1) 活動内容 1年目の計画を実践する年 【学年部朝会でのピア・サポート活動】 2ケ月に1回の朝会で、低・中・高の2学年団に分かれ、話す力と聞く力をたかめる演習を実施 ![]() (8:00~20分を使ってアイスブレイクやスピーチ、エンカウンターなどを) 「ホワイトボードが足りないというハプニングがあっても、臨機応変に対応でた。次は、話をするときにつまずかずに話したい」 (健康委員会の、司会を担当した児童の感想) 【学級活動でのピア・サポート活動】 問題解決スキルや対立解消スキルの訓練を実施 (4年生は学活で、5・6年生は年間3回の合同学活で) 「喧嘩の仲裁に入るのは難しかったけれど、これを生かせば喧嘩を止める勇気がない人も仲裁に入れる勇気はもらえたと思う。勇気があった人は、もっと仲裁が上手になったと思う。だからピア・サポートの活動はとてもいいと思う。」 (ピア・サポーターとして研修に参加した児童の感想) 【児童の健康委員会活動での、より主体的なピア・サポート活動】 健康委員会活動の年間計画を作成し、先の見通しを提示 校内見回りの際の声掛けの材料に「記事の取材」を追加し、それを基に「ピアだより」を作成 (静岡県学校保健会の学校保健新聞コンクールに参加し、表彰されている) 下級生がピア・サポーターを体験したいという希望を受けて、一緒に活動 次年度への引継ぎ時に、6年生が5年生に、活動での工夫を称えることで意欲を高めた 2) 先生方の取り組み 担任が「指導案」に基づいて、主体的にピア・サポート活動に取り組むようになった 担任が出張や風邪などで休んだ時などの「隙間時間」を活用して、養護教諭の田口先生がクラスで、ピア・サポート研修を実施 (校長が許可してくれた) (養護教諭が、普段保健室に来ない児童とも触れ合えるし、児童も喜んでくれた) 3) 子供たちの変化 ピア・サポーターになりたい児童が増えた その結果、ピア・サポーターのモチベーションもUP
(つづく)
最終更新日
2022年04月07日 20時07分16秒
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2022年04月01日
テーマ:いじめ対策(10)
カテゴリ:ピア・サポート活動
1) 活動内容
【校内研修】 8/8の教師対象の校内研修で、山口権治先生の「ピア・サポート訓練」を受講 ・教師間で共通理解を図る 「個と集団をつなぐ」 「子供は大人以上の力を持っている」 「子供の傷つきは子供の中で癒されることが多い」 12月に5・6年生を対象に「ピア・サポート訓練」を実施 (学活の時間に2日間、1回45分) ![]() ・山口先生指導の下に、聞き方・話し方、問題解決、対立解消 のスキルを 【実践計画と学年別系統表の作成】 「実践計画表」と、身に付けたいスキルの「学年別系統表」を作成 ・特活主任、研修主任、道徳主任と、今までの特活を見直し ・「学級活動年間計画表」と「道徳教育全体計画別葉案」を見て、ピア・サポ― トと関連している時間の洗い出し ・4年生が6年生になった時、ピア・サポーターとして活躍できるように、「指 導計画」を作成 ・1年生から4年生までは、発達段階に合わせて「指導計画」を作成 ・教師が抵抗なく実施できる「指導案の冊子」を作成 (これを年度ごとにバージョンアップ) 【委員会活動の常時活動化】 児童健康委員会に、「ピア・サポート活動」を紹介 ・常時活動として取り入れたいと児童からリクエスト ⇒ 常時活動化 ・「ピア・サポート活動」を紹介するDVDを作成 ・健康委員がピア・サポーターとなり、緑のベストを着て常時活動 緑のベストの効果は ①活動していることが一目瞭然になる ②サポーターの責任感を高める ③話しかける相手へ安心感を与える 「一人で遊んでいる子への声掛け」 「もめている子の間に入って仲裁」 「善い行いをしている児童を見つけて声をかけ 放送で紹介」 ※ 三ヶ日東小学校のピア・サポーターは、健康委員会の5・6年生と、一緒に活動を希望する児童で組織されている 2) 先生方の取り組み 田口かな子養護教諭がピア担当となり、「計画づくり~導入」を推進 5、6年生対象の12月の「ピア・サポート訓練」に、教務主任と2人のクラス担任が参加 ・2人の担任はお客様という感じで、受け身的 3) 子供たちの変化 1年目の健康委員会のピア・サポーターは、これから新しい仕事が始まる期待感が感じられた。 健康委員会児童の委員会活動の自己評価はほとんどの児童が、3つのめあて「責任をもって活動した、進んで活動した、助け合って活動した」に◎の高い評価をつけていた その他の児童は、自分からピア・サポーターに声を掛ける児童が表れた
(つづく)
最終更新日
2022年04月07日 20時21分42秒
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2022年03月29日
テーマ:いじめ対策(10)
カテゴリ:ピア・サポート活動
2.5年間の歩み(田口先生、佐藤前校長、石田校長へのインタビューを中心に) ◆導入初年(2017年度:平成29年度) 佐藤匡子先生が校長に着任 山口先生の指導で、三ヶ日東小学校でのピア・サポート活動が始まり、田口かな子養護教諭がピア担当となって導入のベースを築いた年 三ヶ日東小学校の「ピア・サポート活動」の生みの親、佐藤匡子校長先生の導入への思い ![]() 『砂丘小学校の教頭時代、浜松江之島高校の保護者の方が学校に来てくれて、山口先生の進めているピア・サポート活動についての説明と、「自分の子供はそれですごく救われた」という話をしてくれました。 赴任した三ヶ日東小学校は単学級の小規模校で、地域の温かさが子供たちの人柄に反映している学校でした。素直で優しい子が多かったのですが、やや消極的な面も見られることもありました。 そこで、主体的に人間関係作りに関わって、自主性を持ち、自己決定・自己調整していける子供に育ってほしいと願っていました。 それには、子供同士で支え合い、自分たちの手で問題を解決していくピア・サポート活動が相応しいと考え、退職後、山口先生が浜松市教育委員会に勤務していることを知り、導入の支援をお願いしました。 当時から三ヶ日東小学校は教員数が少なく、担任は授業や担任業務の他、学年で行う行事の企画・運営や部活動の指導等々、多忙を極めていましたので、担任にこれ以上の業務はお願いできないと判断しました。 私と同じ年に同校に赴任した田口かな子養護教諭は、子供の体の健康ばかりでなく、心の健康も大事に思い、保健室経営を行っていたので、彼女にピア・サポート担当をお願いし、快諾してもらいました。 ![]() 学校健康委員会や学級活動を通じて、ピア・サポートを広める推進役を担ってくれました。』 (つづく)
最終更新日
2022年04月07日 20時29分27秒
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2022年03月28日
テーマ:いじめ対策(10)
カテゴリ:ピア・サポート活動
「ピア・サポート活動」は、子どもたちのいじめや不登校をなくすための活動として、カナダで始められました。「ピア」は友達・仲間、「サポート」は支援を意味し、コミュニケーション能力を高めて、お互いの違いを認め、互いに尊重し合い、何でも話せる「安心・安全」な場をつくる活動です。
これは学校の中で児童・生徒が行う「道徳実践活動」そのものだと理解し、山口先生が各小中学校で行っている「ピア・サポート研修」の「出前授業」を支援して来ました。 私は、少しでも多くの学校にこの活動が導入され、「学校へ行くのが楽しい」と思える子どもたちが増えることを願っております。 そこで「ピア・サポート活動」を導入して素晴らしい成果を上げている学校を紹介し、「我が校でも導入したい」と感じて頂ける先生を増やしたい、との思いから、浜松市立三ヶ日東小学校の導入成功事例を紹介するレポートを書くことを思いつきました。 これから数回に分けて、このレポートをUPさせていただきます。 1.レポート作成の動機◆三ヶ日東小学校長 石田直美先生へのメール
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