見取り八段・実０段

白井先生とのお嬢さんとの縁談ねぇ、あれ断って頂戴。


三奈から突然、縁談を断れと言われた崇は困惑する。


これは相談じゃないのよ、崇。
母親から息子への命令だと思って聞いて頂戴。


何かあったんですか？


いいえ。特に何も。


だったら、この話はここまでです。


縁談の話は進んでおり、尚子との仲も順調だ。
崇にこの縁談を破談にする理由は何もなかった。


息子が言うことを聞かないと解った三奈は、
白井を呼び出す。


申しわけありませんが、この度の縁談、無かった事に
させていただきたいと思っております。

その代わり、有川家としては出来るだけの事を
させて頂きたいと思っております。


白井は怒りを見せた。

総理にも仲人を頼み、引き受けて貰っている。
すでに娘と崇の話は回っており、今さら引き返す事などできない。

何よりも、白井には有川家と言う永続的な財源が必要だった。


イダミサコと言う名前を覚えていらっしゃいますか？
貴方と初めてお会いしたとき、私はこの名前を使っていました。


白井は改めて三奈を見つめた。


その名前は忘れた事はなかった。


１９６９年１月１５日。
東京大学集会の時に、貴方とお別れしたわ。

その後、逮捕され、偽名を貫いた三奈は、
２ヶ月後に妊娠に気付いた。

実家に戻ると有川家との縁談が調っていた。

三奈は子供を有川の夫の子として育てた。


まだ解らないの？

貴方の子よ。
崇は、貴方の息子なの。


少し、考えさせてくれないか。

何を考えるの？


頭の整理が付かないんだ。

とにかく、少し時間をくれ。


白井は切羽詰まっていた。

その日、白井の財源だった妻の実家、白井国土建設が
百条建設に吸収される事が解った。

百条建設のバックにいるのは、総理。


有川家は今や白井にとって、無くてはならない物だった。


白井は、翌日、崇を総理に引き合わせた。



しかし上手いときに有川家の御曹司との縁談が決まって
良かったじゃないかね。

やはり、君は、運が強いねぇ。


ほくそ笑む総理。

実の息子の背中を官邸の廊下で見送って、白井の決心は
固まりつつあった。


総理に引き合わされた事を、崇は母に電話で報告した。


もう引けませんよ。母さん。

僕は尚子さんと結婚します。

そして、母さん。
貴方が望んだとおり頂点を目指します。



　　


ひょぉぉぉぉ。。。。

私が先週思っていた通り、白井はこの結婚を強行するつもりのようです～

欲のためならば近親相●なんて構わないんだよん、って事。。。


人と違う環境の中で、子供の頃から友達ができなくて、
１人で何かを目指して突き進んできた崇。

同じように普通の家庭に育った普通の女の子が羨ましかった、と言う尚子。


でも、今は良かったと思ってる。
貴方に出会えたから。

孤独が引き寄せる２人。
普通のカップルだったら、とても微笑ましいのに。。。


この縁談をどうしても止めたい三奈は、たぶん宣子を使い。。。

やっと絡んでくるって事ですね。

こっちも色々と問題を抱えているようで。


金と権力と愛と。

欲絡みの縁談は、どうなるのか。


少し先が見えてきたような、全然見えないような。。。


私が白井だったら。。。

とりあえず、真実を知っている唯一の人間は消すだろうな。

三奈もなかなか手強そうだけど。



キャスト

有川崇　…　北村一輝
笹山宣子　…　小池栄子
白井尚子　…　上原美佐

有川透　…　細田よしひこ
白井亜希子　…　藤井美菜

白井逸子　…　松坂慶子
有川和裕　…　田中健
白井眞一郎　…　奥田瑛二
有川三奈　…　真野響子





※最近、livedoorブログさんに時々トラバが飛ばないのです。
お返しできない方は申しわけありません


　　　ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京（上）

　　　ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京（下）