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カテゴリ:葡萄酒
今日は、新宿のcaffe COZZOで、2日早い私の誕生日を祝うバースデーワイン会なのであります。
気の合う常連さんをお呼びして、私のバースデーヴィンテージを開けようという企画なのであります。 で、本日用意したワインが此方… フランスは、ボルドーのサンテミリオン地区のグランクリュ『シャトー ラ フルール1967』で、ございます。 このヴィンテージの頃は、シャトー ペトリュスの共同経営者のマダム ラコストが所有していたシャトーです。 本来とても良いワインなのですが、実は私の生まれた1967年は所謂オフ ヴィンテージというやつで、正直なところボルドーにとっては、余り良くない年だったのです。 どう良くなかったのかと言うと、収穫時期に雨にたたられたのです… 収穫時期に雨が多いとどうなるのかと言うと、果実が水ぶくれして凝縮感が無くなったり、果実が割れたりしてしまったりと、全く良い事が無いのであります… そして、出来上がったオフ ヴィンテージのワインは、パフォーマンス的に長期熟成には適さないとされているのです。 しかしながら、オフ ヴィンテージのワインは、グレート ヴィンテージやグッド ヴィンテージのワインと比較すると、良くない分お安く買えるというメリットも有るのです。 さて、では、今回何故オフ ヴィンテージを良くないと分かっていて買ったのか…?と言う、疑問が浮かびますが、そこには私なりの推理が有ったのです。 ボルドーでは、主にカベルネソーヴィニヨンと言う葡萄品種を使っており、収穫時期に雨が多かったと言う『収穫時期』とは、きっとカベルネソーヴィニヨンを基準として表現されているに違い有るまいと判断をしたのです。 で、今回のシャトー ラ フルールの葡萄品種なのですが、此方はカベルネソーヴィニヨンではなく、メルローとカベルネフランのアッセンブラージュなのです。 で、此れが何を表しているのかと言うと、収穫時期の雨の被害を余り受けていないと言う推理になるのです。 何故なら、メルローやカベルネフランは、カベルネソーヴィニヨンよりも早摘みだからなのです。 1967年は、収穫時期までは比較的例年並の良い年だったと記録に残っておりましたので、きっと早摘みの品種を使ったこのワインならば、大丈夫に違い有るまい!!と思い購入を決定致しました。 では、前振りが長くなりましたが、抜栓してみましょう。 30分程デキャンタージュしてもらってから、グラスに注いでもらいました。 因みに、42年前のワインでリコルクもされていないだけ有って、コルクはボロボロでしたが、おりは全く溜まっておりませんでした。 ワイングラスを光にかざすと、エッジの部分の色合いが、ややレンガ色がかってきており熟成感を感じさせてくれます。 ワインは、既に開いており、実に華やかな甘い果実の香が鼻腔をくすぐります。 香には熟成感も感じられますが、それ以上に年数を感じさせないフレッシュな果実香が漂います。 そして一口…驚きの美味しさです!! 正直それ程期待していなかったのですが、枯れた甘味と滑らかなタンニンそして、爽やかで軽やかな酸のバランスが実に素晴らしい!! 42年の眠りから覚めたワインは、丸みをおびて、飲む人を幸せな気持ちにしてくれる素晴らしいワインでございました。 見事に、予想が的中して、何だか良い感じです。こんなワインの楽しみ方も良いですよね。 きっと、1967年のこのワインに再び出会うことは無いかもしれませんが、42歳(厄年)の今年の私の心に、その味わいと香を深く鮮明に刻み付けたのでありました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.04.28 09:33:32
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