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今日、職場にいると、妻から携帯電話が鳴りました。いつもなら、ワンギリ状態で、「時間があるときに後で電話ください」の合図なのに、今日はずっと鳴り続けていたので出てみると、開口一番「お父さん、事故起こした?」と、ちょっと動揺した声が聞こえてきました。僕が、「いや、そんなことないよ」というと、「やっぱり、オレオレ詐欺だ」と、妻は言い出しました。
オレオレ詐欺なんて、世間様の出来事で、自分にはかかわりがないと思っていたのですが、我が家にも災禍が降りかかってきたようでした。 我が家に来た「詐欺未遂」事件の特徴はこうです。 1)まず、警察官を装った人から「〇○警察署(地元の警察署)の△△と言いますが、ご主人が事故を起こされて、、、示談にしようとされている」という電話が入る 2)当事者である「ご主人(=電話を受けた側の家族)は非常に動揺していて電話に出ることができない。あなたが、相手と話をして欲しい」と言う。 3)詳細を聞かされた後、次にこちらの家族が追突してしまった「相手」を装った「当事者=松本さん」にかわって、「示談にする気はなかったのだが、あなたのご主人がいい人なので、示談に応じる。現金を用意してくれ。」と、現金をすぐ用意するよう言う。この中で、当事者は泣き出す場面もあり、こちらの動揺を誘う。 4)この間、何度か相手が警察官にかわったり、当事者にかわったりする。その際、バックで警察無線の会話のような声も聞こえ、臨場感あふれる演技をする。 5)相手の車には幼児が乗っていて、怪我を負い救急車で搬送中だが、示談が成立しないと、搬送先の病院が決まらない。 6)示談成立の確認のため、すぐに振り込んで欲しい。と振込みを急がせる。 7)振り込むための銀行まで何分かかるかを聞き、銀行についたら振込先を教えるので連絡を欲しいと言い、携帯電話の番号を告げられる。 8)ここで、こちらが誰にも聞かずに銀行に走れば相手の思うツボ。 という筋書きのようでした。 うちの妻の場合、相手の迫真の演技に騙されそうになったものの、途中で、何度か相手を疑うこともあったので、僕(事故現場にいるが、動揺して電話に出られない当事者)の携帯電話に確認の電話を入れ、僕が、事故など起こしてないことを確認したために事なきを得ました。 帰宅後、妻に詳細を聞いたところ、下記のようなやり取りがあったようです。 妻が電話に出ると、 電話の相手:「中津川警察署の〇○と言います。(具体的な姓を言ったそうです) 大塚健司さんの奥さんですか?」と警察官風に落ち着いた声で言う 妻:「はい、そうです。」 警察官:「ご主人さんが市内の交差点で、前方不注意による追突事故を起こされました。相手の車の後部座席には子どもが乗っていたので、その子どもさんが重症を負って救急車で運ばれました。まだ、様態ははっきりしません。実は、ご主人がかなりショックを受けておられて、何とか示談にしていただくよう、頼むから大事にならないようにして欲しいと、相手の人に言われました。相手の方ははじめ『示談にできない』と、強く言っておられたのですが、話しているうちに、その申し出を受けてもいいと変わってきました。警察は民事には介入しないのですが、110番で現場に行った以上、放置するわけにも行かないので、電話をしています。両者の合意があって示談になるのなら、早く解決することになるので警察はありがたい。」のような内容の事を話す。 妻:「警察はノータッチですか?」 警察官:「直接、相手の人に話して欲しいのですが、旦那さんはかなり動揺しておられて、話ができる状態ではないので、奥さんが話をして欲しい。今、代わります。」 妻:「相手は何という方ですか?」 警察官:「松本タケルさんです」 妻:「タケルはどういう字ですか?」 警察官:「武士の武です」 妻:「お子さんはなんという方ですか?」 警察官:「まもる君です」 妻:「運転手さんは大丈夫ですか?」 警察官:「運転手さんは軽傷です」 妻:「その他には乗っていた方はなかったのですか?」 (このあたり、相手を心配しつつも少し疑いの気持ちでいろいろと聞いたようです) 警察官:「奥さんも同乗していましたが、子どもさんを搬送する救急車に乗っていきました。」 妻:「病院はどこですか?」 警察官:「まだ、行き先が決まっていなくて、相手の方と大塚さんの示談の話が決まらないと、搬送先は決まりません。」 妻:「主人は大丈夫でしょうか?」 警察官:「もう一台のパトカーで事情聴取中です。」 妻:「そちらに私が行った方がいいでしょうか?」 警察官:「今、4台ほど、パトカーが現場に来ており。忙しいので来てもらっても話ができません。」 ・・・・・・・ 警察官:「今、相手に代わります」 妻:「もしもし、、、、」 当事者=松本:「松本といいます」(穏やかに言う) 妻:「大塚の妻です。ご迷惑をおかけして申し訳ありません。お子さんは大丈夫ですか?」 松本:「先ほど救急隊の方から連絡があって、今のところ命には別状ないそうです。実は、ご主人に『示談にしてくれないか』と言われたとき、示談なんてとんでもないと思ったのですが、ご主人と話しているうちに、、、ご主人がとってもいい方なので、、、(このあたりで、『松本』は泣き出した)示談の話をお受けしてもいいという気持ちになりました。ただ、車がつぶれてしまっていますので、車の修理代と子どもの治療費だけは出していただきたいと思います。」 妻:「そうですね」 (警察官に代わる) 警察官:「車の修理代は相手の方も想像がつかないので、車屋さんに聞いてみたところ、200万円ほどだそうです。修理代に加えて、お子さんの治療費が必要になります。治療がどれくらいになるかわからないが、一日、4,200円が必要になります。警察は民事には介入しないのですが、示談書に両者のサインがいるのですが、奥さんが示談に応じると言う意思がはっきりしなければ、松本さんだけのサインだけでは、署に帰るわけには行かない。」 妻:「私がサインをするのですか?」 警察官:「そういうわけではなく、、、もう一度、直接、松本さんと話をしてください」 (松本に代わる) 松本:「警察の方から額のことは聞かれましたか?」 妻:「車の修理代200万円と治療費が必要だと聞きました。」 松本:「私も警察の方に聞いたのですが、治療費も合わせて280万円ほどになります。後になって額を決めていくことにすると問題が発生しやすいので、普通はその半分の140万円ぐらいを前もって入金してもらっておくと良いと教えていただきました。」 妻:「車の車種は何ですか?」 松本:「ベンツです」 (すこしやりとりあり、、、) 松本:「その140万円を今入金していただきたいのですが、私は自分の口座番号を覚えていませんので、救急車に乗っている妻に聞いてから連絡しますが、そちらは銀行へはどれくらいかかりますか?郵便局ですか?銀行ですか?」 妻:「銀行です。30分以上かかるかもしれません。」 松本:「銀行に着いたら連絡ください。それまでに振込先の電話番号をお知らせします。私の携帯の電話番号は080-3435-8071です。」 妻:「どうしても、今日、入金しなければいけませんか?」 松本:「はいお願いします。」 (何かを話した後、再び警察官に代わる) 警察官:「無線が入ったので、そのままお待ちください。すぐに連絡します。」 といったのを最後に電話は切れた。 この後、不審に思った妻は僕のケータイに電話を入れ、詐欺事件であることが判明しました。 この事件を総括してみると、下記のような特徴があると思います。 ■まず、「警察官」からの電話ということで、こちらを「ドキッ!」とさせ、そこに「家族が不注意で事故を起こした」事実を告げ、さらに動揺を誘う ■その後、当事者の相手に代わり、「泣き」を入れながらこちらの動揺を誘う ■「一刻も早く示談が成立しなければケガをした幼児の病院が決まらない」状況を伝え、こちらを焦らせる ■銀行まで何分かかるか?を聞き、銀行に行く方向に持っていこうとする ■振込先の口座番号は銀行についてから伝えると言い、確実にこちらが振り込む体制になってから振込みが完了するまでの所要時間を短くしようとし、足がつく時間を短くしようとする。 ■詐欺団は複数の人間で構成されており、かなりの「役者」ぞろい ■バックグラウンドで、警察無線の音なども聞こえるようにし、演出もかなりのもの ■いろんな点で、こちらの動揺を誘い、正確な判断ができないように仕向ける のようなものでした。 いろんな詐欺が横行していますが、とにかくおかしな電話や訪問者が会ったときには、まず、誰かに相談し、それから行動を決めることが大切だと思いました。 皆さんも気をつけましょう! 【オレオレ詐欺情報サイト】 ■広島県警(チラシPDF) ■広島県警 ■NHK生活ほっとモーニング ■横浜市のページ ■Googleで検索 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2004.07.23 07:39:09
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