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賢治と農

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2024.07.28
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#宮沢賢治 #AIイラスト

一五六

「この森を通りぬければ」より

一九二四、七、五、


(略)

みちはほのじろく向ふへながれ

一つの木立の窪みから

赤く濁った火星がのぼり

鳥は二羽だけいつかこっそりやって来て

何か冴え冴え軋って行った

あゝ風が吹いてあたたかさや銀の分子

あらゆる四面体の感触を送り

蛍が一さう乱れて飛べば

鳥は雨よりしげくなき

わたくしは死んだ妹の声を

林のはてのはてからきく

……それはもうさうでなくても

 誰でもおなじことなのだから

 またあたらしく考へ直すこともない……

(略)






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最終更新日  2024.07.28 05:43:58
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