おもしろき こともなき世を おもしろく 

2010/04/18(日)23:20

ファイト! 闘う君の唄を 闘わない奴等が笑うだろう                             ファイト! 冷たい水の中を ふるえながらのぼってゆけ

応援歌・激励(19)

  ファイト!  詞・曲・歌 中島みゆき あたし中卒やからね 仕事をもらわれへんのやと書いた 女の子の手紙の文字は とがりながらふるえている ガキのくせにと頬を打たれ 少年たちの眼が年をとる 悔しさを握りしめすぎた こぶしの中 爪が突き刺さる 私 本当は目撃したんです 昨日電車の駅 階段で ころがり落ちた子供と つきとばした女のうす笑い 私 驚いてしまって 助けもせず叫びもしなかった ただ恐くて逃げました 私の敵は 私です ファイト! 闘う君の唄を 闘わない奴等が笑うだろう ファイト! 冷たい水の中を ふるえながらのぼってゆけ 暗い水の流れに打たれながら 魚たちのぼってゆく 光ってるのは傷ついてはがれかけた鱗が揺れるから いっそ水の流れに身を任せ 流れ落ちてしまえば楽なのにね やせこけて そんなにやせこけて魚たちのぼってゆく 勝つか負けるかそれはわからない それでもとにかく闘いの 出場通知を抱きしめて あいつは海になりました ファイト! 闘う君の唄を 闘わない奴等が笑うだろう ファイト! 冷たい水の中を ふるえながらのぼってゆけ 薄情もんが田舎の町にあと足で砂ばかけるって言われてさ 出てくならおまえの身内も住めんようにしちゃるって言われてさ うっかり燃やしたことにしてやっぱり燃やせんかったこの切符 あんたに送るけん持っとってよ 滲んだ文字 東京ゆき ファイト! 闘う君の唄を 闘わない奴等が笑うだろう ファイト! 冷たい水の中を ふるえながらのぼってゆけ あたし男だったらよかったわ 力ずくで男の思うままに ならずにすんだかもしれないだけ あたし男に生まれればよかったわ ああ 小魚たちの群れきらきらと 海の中の国境を越えてゆく 諦めという名の鎖を 身をよじってほどいてゆく ファイト! 闘う君の唄を 闘わない奴等が笑うだろう ファイト! 冷たい水の中を ふるえながらのぼってゆけ ファイト! 闘う君の唄を 闘わない奴等が笑うだろう ファイト! 冷たい水の中を ふるえながらのぼってゆけ ファイト! この選曲…年がばれますね。でも心がふるえる名曲! 中島みゆきさんがパーソナリティをつとめた(1979年~1987年)ニッポン放送「オールナイトニッポン」にリスナーから寄せられたお便りへのアンサーソングともいえる応援歌。 歌詞に出てくる様々な人々が妙にリアルで人間臭く迫ってくるが、それは本物だから。 冒頭に出てくる中卒で仕事がない、とがりながらふるえている文字を書く少女はペンネーム「私だって高校行きたかった」さんというらしい。 やりとりを生で聞いていた訳ではないですが、当時のラジオ番組やオールナイトニッポンの雰囲気は体験しています。 パーソナリティと、リスナーには、一種の連帯感があったように思う。 今では2chなどの掲示板になるのだろうか?   中島みゆきさんは、歌は暗いという人もいるが、そのイメージの反対、底抜けの異常なぐらいの明るさのパーソナリティーだったと記憶している。 最後のお便りコーナーでの答えの出せないハガキへの中島さんなりの回答が「ファイト!」だったのだと思う。 中卒で学歴コンプレックスに悩む少女、田舎のしがらみに悩む少女、レイプされた少女・・・ それぞれの悩みとともに入れ替わり、立ち代り、登場してくる。   自分ではどうしようもないくらい冷たい水に傷ついている魚に例え、水に流され落ちていくのが楽だが、それでも逆らって泳げという。  鱗が剥がれながらも泳ぐ魚の姿は、血を流し傷つきながら生きている若者自身。 ファイト!とは頑張れと励ましている応援歌ではなく、文字通り戦え!と鼓舞している曲なんですね。 ファイト! 冷たい水の中を ふるえながらのぼってゆけ ファイト!

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