やさしい心臓のお話 No.4「心房細動について」
みなさ~ん、健康が一番です。新型コロナウイスルに感染しないように自ら免疫力を上げて、今日も頑張りましょう!さて、今回も「やさしい心臓のお話」の続きです。まずは、放っておくと危険な不整脈の話から始めます。(1)心房細動(しんぼうさいどう)Af「心房細動」って聞いたこと、ありますか?このシリーズのNo.1の記事で心臓の解剖のところで心房と心室がありこれが左右あるため、合計4つの部屋(左心房(LA)・右心房(RA)・左心室(LV)・右心室(RV))があると言うお話させて頂きました。これを踏まえて進めていきます。心房の中でも左心房(LA)にて「心房筋が1分間に300~600回の高頻度で不規則に興奮します。」心房全体はブルブル震えているだけで心房収縮は得られなくなり心拍出量は減少します。心房内の血流は滞り血栓(けっせん)ができやすくなります。怖いのは、この「血栓」(血液の塊)です!!左心房の中でも「左心耳(さしんじ)」という所に出来やすいと言われます。心電図検査で、早期にこの疾患を見つけた場合は、この血栓を予防する目的で「ワーファリン」といお薬を使うのですが、服用せず放置し続けておくと、いつかその血栓が剥がれて血管を通って脳梗塞を引き起こすことがあります。これを「心原性脳塞栓症(しんげんせいのうそくせんしょう)」と言います。「ワーファリン」は、血液がサラサラになり血栓対策には良いのですが、逆に出血すると止血するのに時間がかかる為、お薬の量で左右されます。つまり「さじ加減が難しく管理が大変なんです。」血液検査で凝固検査「PT(プロトロンビン)-INR(アイエヌアール)」があります。「この数値が高過ぎれば減量する、低いと増量する」など管理が大変なんです。最近は「DOAC(ドアック)」という新薬が次々に登場して比較的管理が楽になってきました。DOACの説明は、長くなるのでここでは割愛させて頂きます。心房細動の病状の話に戻りますが、発症後7日以内に洞調律、つまり正常に戻り、後日再び心房細動を発症を繰り返す場合があります。これを「発作性心房細動(PAF:パフ)」と呼びます。例えば、自宅では動悸がするのにも関わらず、いざ病院で心電図検査を受けても「正常」って言われ、何も引っかからない場合はどう考えますか?これこそ「PAF(パフ)」やその他の不整脈の可能性が否定できませんよね。病院で受けている12誘導心電図検査って「今の心臓の状態」しか反映してないのです。そこで考えられたのが帰宅した後もずっと記録できる心電図が「ホルター心電図」です。一般的には「24時間心電図」と呼ばれており、解析すると不整脈など原因が掴めることがあり大いに役立ちます。心房細動の外科的治療として、昔は「カテーテルアブレーション」という手術が盛んに行われてきましたが、再発する場合もあり良い成績を生みませんでした。先ほど、血栓は「左心耳」に出来やすいと説明しました。それなら「左心耳」ごと切っちゃおうという事で「左心耳切除術」が、現在ではポピュラーになりつつあります。さて、本日お話した「心房細動」ですが、病院で心電図検査を受けなくても「心房細動」って分かったら、 「すごいっ!!」って思いませんか?その方法は・・・・・今日はここまでにします。次回をお楽しみに。