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ココ の ブログ

面白いブログ(2)



面白いブログ(2)

 ボクがブログを始めたのは、もう7年以上も前のことになる。このブログは以前のブログのリニューアル版で、以前のブログを止めたのには理由があった。そのことはこのブログの最初の挨拶で書いておいた。だから詳しい話は割愛するが、バーチャルな世界の出来事を現実のこととごちゃまぜに感じる人が居て、言わば被害妄想というか自分に関係のないことなのにさも自分のことが書かれていると勘違いして攻撃して来るのには大いに困った。挙句は、脅迫状をボクの自宅のポストに入れたり、怪文書を近所の関係者に配ったりして(ボクが自治会長をしていた関係で役員宅のポストに投函したのだった)蔭でほくそ笑んでいたのだった。

ブログ検索エンジン
ブログ検索エンジン(世界のブログの内、日本語は37%で1位。2位は英語の36%)

 その犯人が判明したのは、脅迫文という物的証拠がある以上、事件性が高いとして警察や市の人権委員会や福祉課の調査が進むにつれ、犯人が数人の仲間と共謀し作業分担していた関係から怖くなった仲間の一人が自治会の役員に相談したことから分かったのだった。犯人が分かってしまえば枯れ尾花(ススキ)のようなもので哀れに想え、同じ住宅団地内のことだけに何とか穏便に済ませたいというボクの気持を汲んで、相談を受けた役員が仲裁役として交渉してくれた結果、犯人が謝罪するに至り、問題は一応解決したのだった。勿論、犯人の名は伏せたまま自治会から事件解決の報告をTV回覧板で放送しておいた。


   ところが、その仏心が仇となり、名前が挙がらなかった仲間の一人がボクのブログをプリントアウトしたものを勝手に自分の知人や友人に配って廻り「貴方のことが書かれている。世界中の人がこれを読んでいる。どう思う?」とふれて廻ったのだ。彼女は民生委員をしていて、パソコンなぞ触れたことも観たこともない老人相手にプリントを渡してオーバーに説明し、焚きつけたのだった。無知というか、ろくに文面も読まずに自分のことが書かれていると思い込んでしまった一人の女性がボクの妻に抗議の電話を掛けて来て「私のことを書くなんて、こんな恐ろしい人だとは思わなかった。貴女とは絶交する!」と言うではないか。妻にすれば何のことか分からないことだった。


 驚いて妻が訊き返せば、どうやらボクの書いたブログのことで怒っている様子なのだ。「私はそのブログを読んでいないのヨ。内容が分からないから書いた本人と代わるわ」とボクにつないでくれたのだった。ボクが話の内容を訊けば確かにボクのブログのコピーのようだった。内容はワインの話で、酒の呑めない妻でも甘口のワインだけは呑め、彼女の女友達も大いに飲んでいるそうで世の中も変わったものだというものだった。「でも、これは仮想空間の遊びの日記で、場所も名前も特定できない内容のものですから、貴女には何の関係もないことですヨ。一体何処の誰がそんなプリントをもって行ったのです?」と訊きながら、ボクのブログのアドレスを知っているのは役目柄ボクから聞いた民生委員だけだったのを想い出していた。


 そう言うと彼女は絶句し一呼吸置いててから「私には友達が大勢居るので誰もがブログを読んでいて知らせてくれるの。いちいち名前を言う必要はないワ」「でも、失礼じゃありませんか。何十万、何百万もあるブログの中から、ボクの書いたブログかどうかも証明できないものを、わざわざ教える人が居て、それを鵜呑みにして電話をして来るなんて。何処にボクの名前が載っているのですか?」と訊き返せば、形勢が悪くなったと感じて「そうですか。それはそれは大変失礼しました!」と言って一方的に電話を切ってしまった。何と失礼な、と思ったが、妻の友人だからと抑えたのだった。以来、妻は彼女とは絶交状態になった。


 一方的な理由で絶交状態になって妻も腹立たしかっただろうが相手がその程度の軽率な人間だったと分かれば諦めも納得もいったようだった。しかし、妻の別の友人の証言からプリントを持参したのが民生委員だと判明したことから民生委員としてあるまじき行為として市の福祉課と自治会連合からの呼び出しがあり、民生委員は査問会に掛けられ、ボクも同席して彼女の弁明を聴くことになった。彼女が民生委員になったのは前の自治会長からの引き継ぎでボクも彼女を継続して推薦した責任もあった。彼女は終始知らぬ存ぜぬで通そうとして愚にも付かない弁解ばかりし、話も矛盾ばかりで整合性が無く、とうとう顔面蒼白になり、観念して謝罪したのだった。

民生委員認証式
民生委員・児童委員認証式(今や成り手が少なく存続が危ぶまれている)。

 結局、民生委員の罷免こそならなかったが次期候補には推挙しない手筈になった。考えてみればプリントを配ったり怪文書や脅迫文を書くにはそれなりの理由があった筈だ。その原因を探ってみると老人会の不正経理問題が浮かび上がった。300名ほどの会員の予算を誤魔化して役員仲間内で毎年の温泉旅行費に充てていたのだ。それがボクが自治会長になって監査方法を正してから不正が出来なくなったことへの反動が真の理由だったようだ。前の老人会会長が脅迫文の犯人であり、民生委員の父親が老人会の役員を務め、娘の民生委員は父親をかばったのだ。それにボクの妻の交友関係に嫉妬と羨望を抱いていたようだった。実に馬鹿馬鹿しい下らない小者の理由だった訳だ。(つづく)



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