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ココ の ブログ

考える葦(4)



考える葦(4)

 ところで「下手な考え、休むに似たり」ということがある。考えたつもりでも大したものではない場合に言う。むしろ「詰らないことを考えるよりも先ず実行しなさい」ということだろう。屁理屈を言って弁解する場合にも使う。つまり人間というものは、いざ実行するとなると様々な不安がよぎり尻ごみをする余り深く考えないで弁解めいたことを言うものであることへの戒めだ。それは人間が如何に習慣に慣らされて変革を嫌う生き物であるかを物語っている。頭の柔軟な人は様々なシチュエーションを瞬時に頭に浮かべることが出来るから選択肢も沢山用意でき、うだうだ言っていないで最善の方法を採る。それが弁解がましくないのだ。

家族に乾杯(1)
NHKの「家族に乾杯」(1)。人々は、NHKの場合は余所行きの顔をする。

 思慮深い人は冷静沈着に物事を推し進める。付和雷同する人は常に自分に自信が無いから他人の顔色を観てしまう。農耕型人種にそういう人が多い。その点、狩猟型の人は他人の後塵を拝しているようでは獲物を獲得できないから率先して行動する。日本人が前者で後者には欧米人が多いというのが常識になっているようだが、ボクは日本人も後者が案外多いのではないかと想っている。何故なら、日本人のルーツであるモンゴロイドは元々が狩猟型の人種だったからだ。勿論、日本人のルーツはモンゴロイドばかりではないから南方系の農耕型民族の血も混じっていて両者の特性が散見される。しかし、平安期から近年まで農耕社会が長年続いたから農耕型民族と見られるのだろう。

家族に乾杯(2)
NHKの「家族に乾杯」(2)。今では半端な話家も有名俳優だ。

 ところが近年(特に昭和期以降)は欧米型社会が手本となり黄色人種でありながら白人種に成りたがる傾向があるから狩猟型の人種も多く見られるようになっているようだ。雇用関係がそうだ。終身雇用型という農耕民族型社会が崩壊しつつある現代では刹那主義的なその場限りの考え方が多くなっている。それを日本文化の崩壊現象だと嘆く人もいる。現代の若者を見れば分かる。都会風景のニュース映像を観ていて一見、何処の国かと想うことがある。大都会だけでなく地方都市を観てもそうだ。田舎の郊外へ行けば日本的な山河の風景が観られるから眼に優しく馴染むが、人々のカメラに物おじしない態度が違って来ている。

\家族に乾杯(3)
NHKの「家族に乾杯」(3)。こうして観ると、やらせの臭いがする。

 インタビュアーにコメントを求められて応える人々の応対が、昔からあったアジアの人々の恥じらいの態度としては写らないのだ。それは都会ほどそうだ。地方都市も同様だ。だからこそ最近流行っているNHKの「家族に乾杯」とか民放の「田舎に泊まろう」という番組が受けるのだろう。それは日本人の古き良き時代の名残りをそこに観ることが出来るからだ。但し地方によって反応が多少違う。北海道や東北や山陰、四国、九州での対応も少しずつ違うが、特に関西では完全に違う。勿論、関西の田舎においての人々の対応である。関西は飛鳥~平安時代から日本の歴史や文化の代表格であったが為に人間が練れていて、悪く言えば世間ずれしているからと言えよう。

田舎に泊まろう(2)
民放の「田舎に泊まろう」(1)。素朴な田舎人は東京人(芸能人)が好きだ。

 東京の人間が来ても「東京が、なんぼのもんじゃ」と覚めた目で観てしまう。お笑いタレントに対する態度を観てもそうだ。一般市民がタレント顔負けの対応をするのが関西である。特に大阪は地方という名の恥じらいが観られない処だ。それは大阪全体が都会化しているからだ。有名人やタレントが余り珍しくないのである。それらが日常生活に溶け込んでいるのだ。だから番組のディレクターも関西は極力選ばないようにしている節がある。その点、東北地方や北海道は純朴である。人々がすれていないのだ。日本人の忘れ掛けた恥じらいを未だ観ることができるのである。有名人やタレントに対する警戒心が薄いということもあるだろう。

田舎に泊まろう(5)
民放の「田舎に泊まろう」(2)。のどかな田舎風景は、心が和む。

 むしろ彼らを歓迎する風潮が観られる。関西なら見下すところが逆に尊敬の眼差しで観るのである。そうなれば番組としてはやり易いしタレントも楽だ。人々の冷やかな視線に晒されるよりも珍しがられ温かく迎えられる方が良いに決まっている。そういう田舎においても時代の波は押し寄せ、ファッションは都会と変わらないものが流通する。唯、人々の心根だけは急激に変わらないから観る者に落差を感じさせるのだろう。しかし、それも時間の問題だ。何故なら、都会型犯罪がジワジワと浸食しているからだ。凶悪犯罪が地方で起きる現象が多発し出しているのである。警察の権威も今や地に落ちてしまった観がある。(つづく)

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