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ココ の ブログ

陰陽五行(1)

陰陽五行(1)

 陰陽五行説というのが古代中国で考えられ、日本には平安時代に伝わって、現代にまでその思想が伝えられている。それは常識として易経と同じく貴族や僧侶や武士の間で当然のように理解され、やがては町人の間でも形を変え流布し、庶民信仰の基本になっているのだが、ボクも青年時代に興味をもって今日まで続けている。その考え方の基本は宇宙は二元論で成り立っていて陰(マイナス)と陽(プラス)に分かれ、物理学でお馴染みの地球が大きな磁石で北と南では磁場が逆になっていることでも証明されている通りである。例えば北欧や北極で観られるオーロラは太陽風が地球に降り注ぎ北極と南極の磁場に吸い寄せられ、蛍光灯の光る原理で輝いている状態なのだが、陰陽の説明は簡単に言えばそういったようなものである。

五行 水五行 水

 もっと詳しく説明すればややこしくなるので今は省略する。五行というのは古代人の考えた宇宙の元素である。木火土金水の五元素から成りたち、夫々が影響し合っている。真言密教で観る五輪塔の夫々の五つの元素も同様の事を意味し、上からキャ(空)カ(風)ラ(火)バ(水)ア(地)とサンスクリット語で順が決められ宇宙をあらわしている。中国の陰陽五行説の元はインドなのだろう。インドのゾロアスター教やバラモン教や後のヒンズー教などを調べて行けば流れが分かるのだが、今はそれが目的では無いからこれも省略する。要するにそういう思想が中国の儒教と結びついて宗教の根幹になっているということで、何故五という数なのかは人間の片手の指が五本だからという事も大いに影響している筈だ。

五行 木五行 木

 陰陽五行説を元にボクが若い頃に作った五枚のカードが今日の主題で、先ず宇宙生命の成りたちは水と思われるから最初に位置付けている。カードは五つの元素の色のグラデーションで成り立っていて、夫々のカードの中心に五元素の代表を配し、上へ次の元素を移動させ、後は時計回りに配して五つの流れを示している。五枚のカードで自分に一番しっくり来ると想えるカードがその人の持つ五行元素である。ボクの場合は水の元素だから最初のカードとなっている。水と反対の性格のカードは中心に火の赤が来る。水から生命が生まれ芽を出し木になり、木は燃えて火になり、火は燃え尽きて土になり、土からは鉱石の金が生まれ、金からは水が生まれるという順になっている。

五行 火五行 火

 このカードは占いをする際にその人の持つ五行を知り、そこから性格や時流にどういう風に乗れば上手く行くかを予測するのに使っていた。勿論、手法としては四柱推命というのが在るのでその人の生年月日時から基本となる星を探し出す事で正確に判断が出来るのだが、中には誕生日や時間を違えている人も居るのでカードが役立つ。占いだから信じるか信じないだけの事で終わってしまうが、人によってはそれが中心に動いている場合もあるので一概に簡単に済まされない事もある。かつて、妻の友人の運勢を観て、真実を言えば落胆するのが分かっていたから曖昧にぼかして説明しておいた処、ある日、電話があって「何故?」と言われた事があった。

五行 土五行 土

 それは、病院からで、自分の病気が何か分かっていたにもかかわらず手術が恐ろしくて市販の高価な薬に頼って誤魔化していた結果、とうとう入院せざるを得なくなって、いざ手術の段階で手遅れというものだった。希望を持たせる為に死期を曖昧にして言わなかったせいで本人は自分の死期をもっと先の事と信じていたようだった。死のひと月ほど前にパリへ自分の絵の作品展に出掛け、それまでは元気そうだったというから帰国して急激に悪化したらしかった。妻は彼女の病状がそこ迄悪化していたとは知らないまま電話を貰って直ぐに病院へ見舞いに行くと、事切れたばかりだったという。息子の説明では妻への電話が終わると昏睡状態に陥ったそうだった。それを聴いて嫌な気持ちになった。

五行 金五行 金

 仮に、占いとは言え、四柱推命で死期が観えていた事をボクが正直に彼女に言っていたなら彼女は即入院して手術を受けていただろうか。そしてパリ行きを断念していただろうか。いや、多分彼女はボクの言う事なぞ聞かず、高価な市販の薬に頼ったままパリ行きを実行しただろうし、彼女なりの想い入れがそうさせたに違いないのだ。かつて彼女の父親もパリに暫く住んでいた事があったと妻に言って憧れを強くしていたそうだった。何故そこまで想い入れがあったのか知らないが、ボクの占いが彼女を奮い立たせ病状をおしながらもパリへ旅立たせたとするなら複雑な気持ちだった。軽い気持ちで曖昧に応えるのも難しいものだと想ったものだ。(つづく)

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