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ココ の ブログ

寂しい人生と楽しい人生(2)

寂しい人生と楽しい人生(2)

 何故、最近のボクのブログに運命とか宿命という言葉が多いのかというと矢張り先月の東北関東大震災の事が頭にあるからだろう。瞬間的に同時に亡くなった何万もの人々は、自分の運命も知らずに一瞬の内に津波に呑まれて亡くなってしまった。遺体発見者によれば亡くなった人々の顔は穏やかなものだったと言うから未だしも、行方不明者も多く、絶望視されては居るものの、遺族にとってはせめて形見でも発見できれば貴重な想い出になる。亡くなった人々にとっても、それで人々の記憶の中に生きればと願っている筈と想うのはボク一人だけでは無いだろう。人々は想い出に生きる面を持っている。それがどれ程心の支えになる事か。是非とも見付かる事を心から祈らずには居られない。

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 悲惨な状態で生き残った人の中には「いっその事、死ねば良かった」と想うぐらい落胆している人が居るかと想えば「命だけでも助かって良かった」と喜ぶ人も居る。傍観者である我々には理解出来る遥か向うの世界の話に聴こえるが、当事者でないと分からない事も多い。せめて我々は温かい気持ちで援助の手を差し伸べるしかないだろう。想えば16年前の阪神大震災で被災地に駆けつけボランティアをして廻った頃は、ボクは未だ元気だった。援助物資を入れたリュックを背負ったヘルメット姿は物々しく観られたが、被災地では歓迎された。が、もう60も後半になると遠く東北まで、とてもじゃないが行けない。残念だが遠くから応援するしかない。応援出来る立場で居られる幸せを今更のように噛みしめている。

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 しかし、緊急の問題がある。遠く離れた関西でも、いや、世界が注目し心配している福島原子炉の爆発によるメルトダウン(炉心溶融)である。それで核燃料の周りの冷却水が原子炉の割れで洩れ出している。核燃料が暴露されて高熱を発し溶けだしている状態なのだ。想像するだけでも恐ろしい。何が恐ろしいのかと言えば、それで様々な放射性物質が外気に漏れ出して環境や人体に大きな影響を及ぼすからである。原子炉の周りで冷却水を撒いている人も電気配線をしている人も強力な放射線被害で逃げ出さざる負えない状況に、とうとう東京電力は能力の限界を超えてしまい、フランスの原子力産業に助けを求めるまでに至ってしまった。最初から心配し指摘していた事が現実になって非常に残念である。

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 そこに至った原因は様々あるが、一言でいえば人災である。先ず政府の対応である。次に運転者である東京電力の無能ぶりである。最後は設計者(GE、東芝、日立)のミスである。政府の対応責任は、原発の導入から受け入れ、運転監督・指導までの一連の流れ総てにある。東京電力は稚拙な事故処理であり、設計のミスは何と言っても冷却装置とそのバックアップ体制にある。津波で被害を被る場所(位置と高さ)に冷却装置を設置した事が第一のミスで、二重にも三重にもカバー体制がとられて居なかった事だ。安易な安全体制が大惨事を招いてしまったのである。一旦、事故に遭ってしまえば総てがゼロとなり、放射能被害は数十年にわたって続く。いや、百年単位かも知れない。

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 何故、日本はヒロシマ・ナガサキで世界初の核被爆国になりながら原発でも被爆国にならなければならなかったのか。人災であったと言ったが、最初から懸念されていた事だけに原因者(原発推進者)が憎い。日本が世界一の地震国という事は海岸沿いに津波があるのは当然であり、施設を津波に強い構造にしなかった安易な考えが憎いのである。一言で言うなら馬鹿である。先進国とうそぶき技術立国と自慢しながら経済効率優先で人命を軽視するなぞ愚の骨頂である。それ見た事かと原発反対派が気炎を吐いたところで元には戻らない。何とかして早く終息させなければ日本は本当に沈没してしまう。幸い世界から救いの手が差し伸べられ、政府も電力会社も今の処は神妙な態度を取っているように見える。

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 が、油断のならない連中だから、国民が監視をしながら後始末の仕事を押し進めるしかない。ところで、辺鄙な場所に原発が設けられる意味を国民は知っているのだろうか。万が一事故が起きれば政府は其処を切り捨てる事が出来る場所と考えているという事である。つまり、現地の人々は地獄に住んでいる様なものだ。そんな非情で残酷なと想っても現実はそうなのだ。其処に住んでいる人々は人間と想っていないのである。だからこそ政府や電力会社は平然としていられるのだ。日頃から何故、其処の人々は怒らないのかとボクは問いかけているのに人々は感謝とか同情とか人情に訴えかける事しかしていない。身の危険を感じても、それが運命と考えているのなら大いに間違っているとボクは言いたいのである。(つづく)

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