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ココ の ブログ

一年目の福島原発事故(3)

一年目の福島原発事故(3)

 最近に成ってようやく政界やマスコミや科学者達から反省めいた言論が聴かれる様になって来た。一言で言えば、国民に真実が漏れ出し、隅々にまで行きわたって批判勢力が増してきたので今の内に弁解をして罪を減じてもらおうという卑屈な助平根性からであろう。一年も経って何もして来なかった連中がいけしゃあしゃあとよく言えるものかと想う。それこそ恥知らずで重罪ものだ。原発の事故原因が人災であった事を未だ隠そうとしている以上、国民はもう決して騙され無いぞという意気込みである。女川原発が地震や津波にも耐えたから矢張り原発は大丈夫だと言う評論家も出て来た。女川がセーフで福島がアウトという事は矢張り福島原発事故は人災であったと言っている様なものだ。何故なら、女川原発は福島原発よりも高台に設けたからと言う。それでは福島はコスト・ダウンの為にバックアップ・システムの発動機を海側の低い位置に持って行ったという事に成る。

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 コスト・アップしてでも絶対安全神話は護られるべきであった。長年の津波被害が無かった事を幸いに手抜きやコスト・ダウンした結果が福島原発の事故だった。此処まで明らかなのに何処まで隠し通せると想っているのだろうか。政治家は舌が三枚から四枚あるからご都合主義的に何でも言うが、学者やジャーナリストは一度嘘を言えば後が無い。信用を無くした政治家同様、次から何も聴いてもらえなくなるからだ。一度発せられた言葉は国民は覚えて居る。記録にも残る。それでも尚言い替えをしてでも責任逃れをしたいという浅ましさが哀れである。他にも優秀な政治家や学者やジャーナリストが居ると信じたいから彼等が現れるのを持ちたい。日本はそんな底の浅い国では無い筈である。東北大震災が教訓になって今や関東大震災の再来を心配する声が日増しに高くなっているのは科学者がデータを見なおしたからだろう。

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 無責任でいい加減な情報を発して安心させるよりもきつい目に言っておく方がましだろう。人々は多少なりとも覚悟が出来、対策も考える様に成るからだ。変なお為ごかしなぞ言うととんでもない結果を生む事にも成り兼ねない。「狼が来るぞ―ッ!」と言って脅かす狼少年も困るが、マンネリに成らず絶えず危機感を持っている方がイザという時に役立つ。備えあれば憂え無しというが、中々そうは行かないのが人生でもある。用意周到な人も居るが、そういう人に限って実践で間に合わなかったり役立たなかったりする事例が多いのは皮肉なものであるが、せめて防災グッズだけでも容易はしておきたい。非常用の飲料水なぞは半年に一度の割合で新しいものに交換して、古い物は米のとぎ汁にでも使ってしまう習慣を付けておけば期限切れや健康面での心配も無い。更には、一か所に収納しておくのでは無く、窓に近い処の収納場所に分散しておけば震災の際、取り出し易い。

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 阪神大震災の直後、現地へ行った時に倒れた家々を観てつくづくそう想った。道を行く人々の手の届く位置に窓があって中は目茶苦茶に壊れて居て入り難かった。それでも窓から物を取り出している人々が黙々と家の周りの整理をしていた。それを写真撮影するのが気が引けてし難かった。人の難儀している姿を記録するのも勇気が要るものである。自分は無事に居てボランティアをしようとしているものの、高見の見物人の様な気がして後ろめたい想いをさせられた。しかし、被災者の気持ちに成れば、哀しいとか苦しい気持ち以上に救援をして欲しい気持ちの方が強い筈だし、彼等のプライドを傷つけない遣り方で優しく接すべきなのだろう。人助けも気づかいが必要で難しいものである。正しい事をしているのだから平然と当たり前の様な顔をしているという態度は被災者にとっては嫌なものだろう。変な同情よりも明るい顔で元気づける方が気持ちはスッキリするものだ。

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 東北大震災の復興が遅れている理由の大半は、規模が広範囲過ぎる事なのだろうが、それよりももっと深刻なのは福島原発のメルトダウンが起きてしまった事である。それも福島第一原発には原子炉が四つあって、その内の一基だけが点検休止中だったので三基共がメルトダウンしてしまった。福島第二原発も点検休止中だったのが幸いしたが、もし運転中だったらと想うとゾッとする。それでも三基もの原子炉が同時にメルトダウンした例はこれまで世界には無い。それだけに深刻なのだ。一基だけでもメルトダウンして大変だったスリーマイル島やチェルノブイリの比ではないのだ。それを日本政府は過小評価しようと必死にデータを改ざんしてしか発表しないから真実が隠されて余計に不安と不審と猜疑心が蔓延してしまった。今や誰も政府を信用しなくなってしまった。それが復興を遅らせる一因にもなっているのである。危なっかしくて近寄れないのだ。

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 原発事故当事者が及び腰なのだから政府は逃げの態度で役人は責任逃れと自己保身に走り、東電は開き直りの態度と来ては、被災者は勿論、国民は何を頼りに行動すれば良いのだろう。数少ない情報から身を守る事しかできない。風向きで広範囲に撒き散らされた放射性物質の除去は多分不可能であろう。精々、人々の棲むエリアの除染というお為ごかしの作業で人心を安心させようと目論んで居るのだろうが無理はもう其処まで来ている。何故なら除染で生じた膨大な量の土が堆積させられ誰も引き取り手が無いのである。引きとり手が無いからと全国の自治体に強制的に分担させようとしても住民の誰もが当然拒否するのだ。放射性が比較的弱い(毎時0.001ミリ・シーベルト)瓦礫でも引き取り拒否の憂き目にあっているのだ。他所の住民からすれば当然の事だ。だからこそ原発事故で50年以上入れない周辺ゾーンに堆積させてコンクリートで覆うしか無いのである。そのゾーンは国有地にして厳重な国家管理をしていくしか無いのである。(つづく)

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