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ココ の ブログ

諦観(12)

諦観(12)

 前門の虎、後門の狼という言葉がある。一難去っても亦難問が出て来て二進も三進も行かない状況を言う。今の日本はまさしくそういう状態で、悪い事には一難も去っていないのだ。世界も激変の時代で、先ずアメリカが経済的に駄目になり覇権が効かなくなって、BRICの台頭も後押しして中東も荒れている。イギリスでもノルウェーでもそうだ。何処の国も経済格差は広がるばかりで貧富の差は益々極端に広がっている。これまでのツケが廻って来た感じである。我々はどうすべきかという問いかけは大分以前から為されて来たものの妙案は無く先送りばかりして来た。為すべき事柄は明らかなのに気分的に参ってしまっているのか成るように成れと居直る始末である。「がんばれ日本」の標語が虚しく観える。誰が誰に言っているのか分からない状態だ。

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 最初に触れたようにボクは自分の事を反省を込めて振り返ってみたのだった。それなのに結局の処、世界情勢に振り廻されて来たに過ぎなかっただけの様だ。しかし、そんな中でもしっかりと夢と目標に突き進んで成し遂げた人も居るのだ。負け犬には成りたくないが、勝ち馬に乗るのもままならぬ状態だ。努力が足りないのだろうか。創意工夫が欠如しているのだろうか。元々才能が無かったのかも知れない。様々な要因が思い浮かんで来る。が、未だ諦めの境地に迄は至っていない。何とか成るだろうという気持ちがあるのだ。が、それが甘いと言うなら確かにそうかも知れない。もっと綿密な計画とチェックが必要なのだ。そして一歩でも二歩でもそれに向かって足を踏み出さなければ到底目標には近づかないだろう。考えるよりも先に、つまり理屈の前に行動を先行させるべきなのだ。

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 後悔先にたたずと言うではないか。せめて後悔しなくとも、人生を自慢する傲慢さや恥知らずにだけは成りたくない。ひたすら自分の理想とした目標に向かって走り続ける事しか人生の意義は無いのだ。だがしかし、それは誰の為の人生なのか。自分の為だけのものなら寂しい限りだ。結婚したのなら家族がある。家族があれば複数の人間が関わる。それが社会の最小単位なのだ。社会との関わりがあってこそ人生は豊かになり目標も具体的に観えるのだ。最初に親しかった友人が離婚した事を書いた。二人居た子供の兄の方を引き取ったたそうだが、数歳下の弟の方も青年になって結婚をしているかも知れない。38年も会っていないから一体彼の人生の目標はどうなったのだろう。会ってみたい気もするが会って青年時代と同じ気持ちでは話せないだろう。 

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 それなら会わない方が良い。青臭い理想でも懐かしい想い出にしておいた方が気持ちが良い。幾ら達観したような事を言ったところで、青春時代の理想とした目標には達しなかったのだ。勿論、何度も言う様だが、あの頃の無知や情報不足による誤った目標設定ではあったにせよ、一旦決めた以上、がむしゃらに押し進めるべきだった。それが成功への道だったのだ。馬鹿にならなければ出来ない。小賢しい考えが頭をもたげ出すと目標は挫折するか歪められる事になる。そういう事は分かっている。人生を弁解して何が得られるというのだ。反省が弁解になってしまっては前に進まない。発展的思考をするべきなのだ。だからこそ誰が言ったのか知らないが「がんばろう日本」という標語が出て来るのだろう。

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 しかし、それは危険な言葉である。疲弊しきった相手にそれを言うのは危険だ。更に悪く成る場合もあるのだ。頑張れる余力のある人に言うならまだしも、今にも死にそうな病人にそれを言うのは白々しい。言っている本人も励まそうと願いを込めている積りなのだろうが、状況がそれを許さない場合がある。「出来る限りの事をする」という励ましの言葉も冷静に訊けば「出来ない事はしないヨ」と言っているのと同じだ。そんな卑怯な言い方はボクは嫌いだ。そんな当たり前の事を平気で言う人間の頭の中を見てみたいものだ。善意で良い事を言っている積りだろうが、ボクには悪意に聴こえる。政治家が「国民の為に一所懸命に頑張ります」と言うのと同じだ。公僕として訴えかける人間が、その基本的条件を裏読みすれば「国民を出汁にして(自分の金儲けの為に)一所懸命に頑張ります」と聴こえる。

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 これだけ社会が悪く成れば、もうこれ以上悪く成らないだろうと想うのは早計である。もっと悪く成ると覚悟しておいた方が後で泣きを見なくてすむだろう。我々は日本で生きている以上、日本が世界情勢とは無縁で生きて行けず、リーダーシップも取れない政治家どもを選んでいる内は世界情勢に翻弄されるのは当然だ。そこを直さない限り自分の人生も流されっ放しにならざるを得ないのは必定である。だから幾ら人生の目標設定をした処で達成感に浸れるのは宝くじに期待する程度のものでしかない。其処の処を分かってそれなりに頑張るか諦めるかは勝手だ。逃げるのも勝手だ。「いやいや、人生とはそんなものでは無い」という考え方もあるだろう。何れにせよ希望を失っては生きて行けない事は事実である。様々な考えが錯綜する。

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