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ココ の ブログ

運転(4)

運転(4)

 大型台風が来るというので工事現場の台風対策の状況を確かめると、既に仮設足場のシートを除去してあるので安心したのだった。前回の台風対策で最上階のみシートを束ねて大丈夫だったから今回も同じようにするのかと想っていただけに、きっちりと処理してあるのを観て安心し拍子抜けもしたのだった。尤も、一部の外壁吹きつけ工事が残っている部分だけが、最上階を除いて残っていたのだが、台風対策としては充分な状態であった。台風が接近するには一日早いのだが、既に雨が強くなって来たので現場から引き揚げる事にした。すると国道の交差点で信号待ちしていた車数台が玉突き衝突を起こした直後に出くわしたのだ。先頭の車には運転者がハンドルにうつ伏せになってジッとしていて車の後部は大きくヒシャいで居た。

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 二台目の車は前部と後部がヒシャぎ、三代目は前部が少し凹んで居たのだった。車の渋滞と混雑が起きる寸前の状態だったので、ボクはその横を通りながらチラリと眺めるだけで通り過ぎた。事故車の二台目の運転者が居なかったから電話で連絡を取っているのだろうと想った。多分、三台目の運転者も連絡を取っていたのか車の中に居ず、その付近に立って居た様に想えた。救急車とパトカーが来るまで10分は掛かるだろう。国道が大渋滞になる寸前だったのがボクには幸いだったが、事故を目の当たりにして気分が悪くなってしまった。事故が起きたのは台風の影響だろうが、二台目か三台目の運転者がラジオのニュースに聴き入って注意を怠ったのか、それとも先頭の車が急ブレーキを掛けた為に起きたのかも知れない。

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 だから、後続車が見込み運転で突っ込んでしまい、三台目も追突してしまったのかも知れない。事故が起きた瞬間を観た訳ではないので車の破損状況から瞬間にそう連想しただけだったが、大雨の為に視界が悪くなって二台目が追突したと観る方が当たっているように思えた。何故なら、車の破損状況が先頭車が一番きつく、二台目の後部の凹み方よりも大きかったからだ。手慣れた警察の事だから三者からの事情聴取と事故の破損状況から推測するのだろうが、事故処理を仕事とする関係者以外、事故は起こしても起こされても嫌なものである。幾ら保険があるからと言っても当たり屋で無い限り怪我もするだろうし、気分的にも暗く成るものである。更には当事者が感情的になれば事故収拾も遅れる事になる。 

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 幸いボクはこれまで事故を起こした事は無い。但し、若い頃に信号待ちで追突された事は二度ほどある。尤も、バックミラーで事前に後続車を観て察知していたので、瞬間に座席を斜めに倒し防備態勢を取ったから怪我は無かった。それでも暫くは首が痛かったから衝撃で少しは影響を受けたのだろう。病院へは行かず物損だけで処理したが、若くて元気だったからそのまま済ませたものの、本当は簡単な治療だけでも受けるべきだった。二度も追突事故に遭ったせいで用心するようになって、その後は追突される事はなくなり、追突されない様に信号待ちではブレーキ・ランプを点けているか、信号手前で急ブレーキを踏まない余裕のある運転をする様になった。未然に事故を防止する運転技術も必要な訳である。

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 幾ら自分が正しくても被害者に成るほど馬鹿らしい事はない。世の中には無謀な運転手が居るもので、運転未熟者も含めてその運転に腹を立てる前に先ず車をかわすか逃げる事を考えるべきだ。タクシー・ドライバーは事故を起こせば飯の喰い上げになるから絶対に起こさない気持ちで走るという。それだけに事故には敏感で、仮に事故に遭っても自分が有利になる様な当たり方をするそうだ。運転技術があるからそういう事が出来るのだろうが、素人ではそうも行かない。言い争うよりも被害者という形に持って行く事で事後の生活補償の事も考えているのだ。悪質なダンプ・トラックの運転手は人身事故を起こすと中途半端な怪我では一生補償が付きまとい足かせになるから再度バックして被害者を引き殺してしまうそうである。死んでしまった方が彼にとっては話が早いのだ。

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 何とも恐ろしい暗い話だが、雨でも降っていると証拠となるタイヤ跡やブレーキ跡が消えるから目撃者が居ないとそういう事をするのだそうだ。かつて隣町の住宅団地の幹線道路で人身事故があって、被害者が亡くなったのに夜間の雨降りだった為に目撃者も証拠のタイヤ跡も無い事から事件は迷宮入りになってしまったのがある。たまに其処を通ると、警察の立て看板(目撃者探し)を観て暗い気持ちになる。そう言えば、独身時代の飲み回っていた頃、友人の運転するスポーツカーに乗って次の店に行く途中、市電の停留所の防御壁に接触して弾き飛ばされ人形屋と時計屋の間に突っ込んだ事故を経験したのを今想い出した。イギリスの小型車だったから右ハンドルで運転者は大怪我をしたのに助手席のボクは奇跡的に額のかすり傷だけで済んだ。新聞には出、何とも恥ずかしい話だった。懐かしい青春の恥だ。(つづく)

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