居眠りをするココ（３）

居眠りをするココ（３）

　国際問題がどうであれ、自給自足が出来る国であれば鎖国をしてでもやって行けるだろうが、近代国家を維持しようとするなら先ずエネルギー問題と食料問題とで行き詰るのが大方の国々である。それは大国も小国も同じだ。鎖国に近い政策を取っている国ほど深刻な問題である。自国を維持させるだけでも大変なのに世界との関わりを放棄してしまえば生活必需品も得られず文明の利器も手に入らなくなる。それでは石器時代に逆戻りする様なものである。外貨を得る手段が無く成ればバーター貿易でもしない限り海外の物は手にする事が出来ない。今時そういう国は無いだろうが、軍事独裁政治をして国民の基本的人権が護られていない国は幾らでも在る。そういう事は直ぐに国際ニュースに成る。マスコミを締め出し、国内情勢を隠しても携帯電話やそれに代わる手段で情報は漏れるから、状態が判明すれば世界が放っておかない。

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ＣＯＣＯ－011（今日も何時もの様に、槇の下の指定席で寝ようかしら）。

　世界は地球上から不穏な行動をとる国を締め出そうと常に監視している。それが自国に悪影響を及ぼすと観るからである。その国が「俺の事は自分で解決するから、お節介は止めてくれ」と言ったところで調査団が押し掛け調査をして注意・勧告をする。それでも言う事を聞かなければ制裁を加える。最近の例では核兵器開発がある。国連の五つの常任理事国だけが保持している核兵器を勝手に開発して持つ事は常任理事国が禁止している。国連に加盟していない国ならそれでも構わないというのは理屈だが、国連に加盟していても勝手に持つ国が次々と現れると躍起になって反対し何等かの制裁を加えて止めさせようとする。しかし、それでも保持する国は在る。常任理事国だけの勝手にはさせないという理屈が間違ってはいないだけに堂々と保有するのである。イスラエルや北朝鮮が核開発をし、その他の国でもそういう動きは在る。

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ＣＯＣＯ－012（それにしても、お隣で気に成る物音がするワ）。

　核兵器を持つだけで国際的発言権が増すなら、世界の孤児的な立場にある国なら当然持ちたがるだろう。世界の孤児的な立場で無い日本も国力から持ちたいとする国の一つだ。が、持つべきか持たざるべきかで国論が分かれている。尤も、日本の場合は既に潜在的核保有国と見做されている。その訳は、大量の原発を保有し核燃料から出るプルトニウムも大量に保有しているからである。原発そのものが核爆弾の燃料（プルトニウム）を作る為の装置として開発され、民生品に（火力発電として）転用したものだから当然ながらプルトニウムは溜まって行く。近年では原発燃料のウランが枯渇して来たから大量に溜まったプルトニウムを再度燃やして使うというプルサーマル方式が採用されている。それなら順次プルトニウムは消化されて行くだろうという読みである。しかしながら原子力は人間が取り扱うには危険過ぎる技術だ。

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ＣＯＣＯ－013（未だ、お日様が照ってくれなから寒いワ）。

　だから二重にも三重にも防御態勢がとられているにも拘わらず放射能漏れ（実際は核燃料からの放射線漏れと言うべきであるが、慣例に従う）の事故が多発している。最大の放射能漏れ事故は核燃料のメルトダウンである。メルトダウンは、今年３月１１日の東北大地震で福島原発（１・２・３号機）に不具合が生じ、制御不能になって３機共全部が翌日にメルトダウンしたから今や子供でも知っている言葉になってしまった。制御不能の主原因は冷却装置が壊れた為で、核燃料を冷却出来なくなって数千度もの高熱が発生し水が分解されて水素が発生した為だ。そしてあろう事か原子炉が爆発し、放射性物質（死の灰）が周辺数百キロまで風に乗って撒き散らされた。つまり核爆弾が爆発したのと同じ放射性物質が周辺に散ったのだ。ヒロシマ・ナガサキ型の原爆２０個分以上の放射性物質が東北・関東地方に撒き散らされ東京にも死の灰が飛散した。

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ＣＯＣＯ－014（眠いのに、執こいのネ）。

　そのせいで東北や関東の被害を受け易い成長期の子供を持つ親が政府発表のデータがどうも胡散臭く信用出来ないので、とうとう放射線量測定器を買って自宅周辺の放射線量を測定し始めた。すると危険量の放射線があちこちで見付かり、矢張り政府発表のデータが嘘であった事が判明し、パニックを引き起こしている。政府が嘘のデータを発表するのは今に始まった訳では無く、国民は薄々それを察知していたから各自が測定を始めたせいで真実が判明し出し、政府も慌ててデータ修正をしたり対策を練り直したりし始めた。各省バラバラだった放射線量の基準値も一つにまとめる動きも出始めている。市民が放射線量を測るのも良いが、ボクなら原発爆発後、直ぐに危険区域から逃げ出すのに、それをしない人々が多く、ボクには全く理解出来ない。東北人はのんびりしているのだろうか。今からでも東北や関東の逃げられる人は逃げるべきである。

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ＣＯＣＯ－015（招き猫なのかバイバイ猫なのか、どちらでも良いけど、私は眠いのヨ）。

　どうしても仕事で逃げられない人は成長期の子供だけでも家族が連れて関西の方へ避難すべきだ。関西は千年の都があった場所だけに安定した風土がある。東京の人々も不安ではあろうが、大人や老人はまだしも、成長期の子供は安全な場所へ避難させるべきである。当然の事ながらそれが親の愛情というものだろう。馴染んで住んでいる場所から離れ難くとも決断すべきだ。金よりも命の方が大事だと想う。ボクの言う事が非情に聴こえるかも知れないが、冷静に考えれば分る事だ。風評被害もあるが、人々は福島産の食料は原材料が放射線で汚染されているのではないかと買うのを止めるだろう。ところが、政府は基準を甘くしてそれらを市場に廻し全国へ意図的に配らせている。済崩し的にばら撒く事で既成事実をつくり、国民を無感覚な状態にしようとしているとしか想えない。が、国民はそこまで馬鹿では無い。（つづく）

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