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ココ の ブログ

冬枯れの頃(1)

冬枯れの頃(1)

 冬枯れの季節ともなれば寒さで身体が固く成る為に行動半径が狭められ、精々自宅か近場に出る程度で過ごす事が多く成る毎日だ。ガーデニングも冬眠中で大してする事も無く、精々ゴルフのピッチングやパターの練習をするぐらいで、室内ではブログを書いたりインターネットの映画を観る程度である。近場に出掛けるとしても行動パターンは決まっていて、月に二度ばかり、妻の買い出しに付き合うとかゴルフ練習場へ毎週行く程度のもので、たまに大阪へ妻と車で出掛けて食事したり買い物をするのも月に一度程度でしか無い。友人と飲む場合は駅前の駐車場に車を置いて電車で出掛けるが、それも面倒でつい出掛けるのが億劫になる事もある。多分そういうのを老人性の出不精と言うのだろう。毎日のように何処かへ出掛ける老人は比較的健康を維持でき元気で居られる。毎日出掛けて歩くだけでも運動になるからだ。

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 それなら自宅の近所を散歩でもすれば同じ効果があると想えるのだが、都会の繁華街の方が目や耳から入る情報量が格段に違うから矢張り田舎暮らしよりも都会の方が惚け防止になる。少々不健康で汚れた空気の方が人間の身体には活力を与えてくれるし、事実その方が長生きをするそうである。頭で考える様な空気の良い処でのんびり暮らすのは返って老化現象を促進させるのだそうだ。だから都会人はそういう意味では住宅事情が少々悪くて不平不満を抱きながらも長生きが出来る特権を持っていると想えば多少は気が晴れるだろう。しかし、不景気が続き税収が落ちると年金が減らされるかも知れず、仮にそうなれば泣きっ面に蜂で人生の晩年が踏んだり蹴ったりしたものになってしまう。老人は少しでも安定した生活を維持させる為に何等かの工夫をし、無駄な金を使わず有意義な使い方を考える様になるだろう。

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 例えば、たまたま老人達が小金を貯め込んでいるのを目撃され「一体、何の為に貯め込むのですか?」と問われれば「老後の為」と一律に言うのが流行っているそうだ。それは今よりも先の事を気に病んで貯め込むのだろうが、それにしても現在こそが老後であり、今使わねば使う機会が無くなるにも拘わらず皆同じ様に言うところが日本的でブラック・ジョークでもある。それだけ日本の社会保障が貧しいと言う事なのだろうが、よく言われるスウェーデンやノルウェー等の社会保障が充実しているという北欧諸国では果たして老人達が幸せかどうかは知らないが、老人の幸せは先ず健康である事だろう。その次に安穏な生活だ。安穏な生活には経済問題も含まれるが、精神的に安定出来る生活環境こそ人間には必要な事で、それには家族との平和な交流もあるだろう。ところが、家族や身寄りの無い老人が意外に多い。

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 そもそも老人は孤独なものと相場が決まっているものだが、それに慣れてしまえば人間は割り切れるもので、孤独な老人同士がお互いを気づかいながら付き合うのも孤独を紛らわせる一つの方法になる。が、元々人懐っこい人は群れたがり、中には老人ホームで恋愛をする人も居るだろうし、人との交流が面倒な人は孤高の独り暮らしでも平気なものである。当然ながら高齢者ともなれば男が少なくなるから女性が増え、老人ホームで男性の取り合いもあるという。年齢に関係なく男と女の問題は死ぬまで続くのかも知れない。確かに異性への感情がある内は心身ともに元気で居られ、そういう感情が無くなれば人間としてお終いなのかも知れない。谷崎文学なぞに出て来る老人の恋愛感情は今では珍しくも無く元気な老人が増えたのも事実である。ゴルフで言えばエイジ・シューターが増えたのが良い例だ。

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 ボクが毎週通っているゴルフ練習場は週の二度シニア・デイというのがあって、たまたま平日の客の多い日に帰り掛け、受付カウンターへ番号札を返しながら「今日は混んでいるネ」と言うと「今日はシニア・デイなんです。月木の週二度、料金がお安くなっていますから亦どうぞ」と教えられ、それ以来その二日間に通う様になったのだ。そう言えばリタイアした様な人が多く居て、ボクよりも年配に観える老人も居た。ボクが勝手にそう想っているだけの事で、案外ボクよりも若いのかも知れず、むしろ人がボクを観れば同じ様な事を想っているのかも知れないのだ。人は見掛けによらないと言うから、ボクは打ちっ放しの球筋を観てその人の年齢を上か下かで判別する様にしている。が、大抵の場合、ボクよりも飛ばしていないから勝手に老人と想っているだけで、実際は若いのかも知れないのだ。

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 月例会ゴルフに誘ってくれた人はボクよりも二歳年上で、紹介され仲が良くなった老人なぞは四歳も上で腕前もボクより上なのだ。だから60代後半のボクなんか70代の老人からすれば若い弟分にしか観えないのかも知れない。それを観て、ボクも後10年はゴルフが出来そうだと自信を持ったのだ。出来れば80代になってもエイジ・シューターに成りたいと密かに想っている。プロなぞは20代で72のパー・プレイが当たり前だから(つまりハンディキャップがゼロと言う訳だ)60代で年齢と同スコアを出すのも珍しくは無い。何でもそうだが、プロというものは我々素人が考えるよりも真剣に練習に励み、腕前を維持するもので、音楽家で例えれば一日10時間の練習なぞ当たり前という。だから音楽家の近所に住むと練習音に悩まされる事に成る訳だ。尤も、最近では防音装置が発達し夜中でも隣家に響かない装置や楽器があるから大丈夫だが、昔、騒音でノイローゼになって殺人事件が起きた事もある。(つづく)

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